さてさて、大阪出張の折、時間も取れたので思い切って吉野まで行ってきました。
行くまでは難波からあれこれそれこれして
(といいつつ、真相はただの駅撮りw)から吉野へ向かったので
それは別の機会に投稿しますが、
とにもかくにも、吉野駅から上に行くには、吉野大峯ケーブル
(といいつつ、ロープウエイですが)が便利だということなので
それに乗ることにしました。
もう日が陰らんという時間でしたが...。
で、この吉野大峯ケーブル。
これも立派な鉄道なのですが、それにしても
のりものとして味わい深すぎる...
近鉄特急色ww
製造も近畿車両、1966(昭和41)年。
こんな色なのに、近鉄とは資本関係はまったくないらしい(^^;
でもすごいことに、このロープウェイ、なんと!
開業は1928(昭和3年)!
むろん、国内最古のロープウェイ!
どうやら駅舎も、ロープを支える鉄骨も
開業時のままのようだ...!感動。
見えにいけど「5」の数字の上に昭和3年製造という看板がついています
動き出して俯瞰する吉野駅側ロープウエイ駅舎。
この写真ではわからないけど、アプローチ側の屋根はたしかに
吉野大峯ケーブルのHPに出ていたもののまんまな気がする(^^;
途中交換した下りロープウェイ。吉野の紅葉は見事でした
山上側の風景。搬器(ゴンドラ)にはそれぞれ愛称があって、
「1」号機は「かえで」で、「2」号機は「さくら」でした。
この搬器も前述の通りすでに45年選手。
設備ともども、どれだけの人を運んできたのでしょうね。
いま、ここまでその当時の姿のまま、往時をしのぶことが出来るものも
そう見られないので、すごく感動しました。
つねづね言っている、「時間が作るほんもののレトロ」です。
で、吉野に行った帰りは吉野特急で阿倍野橋まで出たので、
阪堺線でも乗ろうかと思ったらそこにはモ161型が!
尾灯がねこバスっぽい(^^;
モ161型は日本の鉄道車両で現役最古の定期営業運転を行っている車両として有名です。
まだ10両残ってはいますが、土日は稼働する機会は少ないと聞いていたので、
乗れたのはうれしかったです。
ひとつひとつの造作(ぞうさく)が丁寧。いまの車両には決してない暖かさ。
併用軌道区間、姫松にて。
真鍮製?の手すり、木製の広告枠、古い建具そのままのようなドア。
わかりにくいけど、運転席後ろの背板の上部には優美な飾りが...。
こういう意匠は二度と生まれえないでしょう。
・・・そういえばこのモ161も、昭和3年製造なのです。
奇しくも吉野大峯ケーブルのあの鉄骨や駅と同じ年。
実に80年以上という年月ですが、大事に使えばモノはもつんだなあ
と改めて感じました。
吉野大峯ケーブルも、このモ161も、技術的にはアナログで
維持管理も大変なのでしょうが、
だけどいまの電子制御の電車などは、「白物家電」のようなもので、
技術の進歩によって使えなくなったりしていくものであって
80年後にはもうきっと使えないんだと思うんです。
そうなのだとすれば、
昭和3年のものは今でも直せば使えるのですから、
ものづくりに対していろいろ考えてしまいますよね。
>>せっかくなので吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)に行った写真も
載せておきます(^^;
参道の向こうにそびえたつ仁王門。国宝。
東大寺大仏殿に次ぐ巨大木造建築という本堂(蔵王堂)。こちらも国宝。
吉野の山と、伽藍のシルエットのむこうに日が落ちる...。
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