AD際族

コロナ共存の広告表現の近未来観

水は戦争よりも怖し。(3)

2010-08-30 00:32:11 | インタラクティブのattractive(魅惑)


UNICEFはいろいろな活動を世界で展開しておりますが、TAP WATER PROJECTは数年前から行っている水のキャンペーンです。 TAP WATERとは「水道水」の意味です。「1日でおおよそ4000人の子供達が、汚水が原因の病で亡くなっている。」との事です。先進国では考えられないことですが、戦争で亡くなる子供達に比べて、非常に多いのです。ご紹介しました、汚水のベンダーマシンのキャンペーンも、この TAP WATER PROJECTの一貫です。



http://www.tapproject.org/

UNICEFのサイトにアクセスしてみましたが、全米各州のレストランがこのキャンペーンに参加しております。
日本でも期間限定で参加してました。レストランで水一杯オーダーする際、1ドルを寄付するものです。日本では100円寄付でした。昨日は8月29日、日本テレビ「24時間テレビ」チャリティー募金が流れています。もう32年も続いているんですね。驚きました。Googleが地球を小さく村化した様に民放1局ではなく、世界中の局が同時にキャンペーンをやる時代かも知れません。こういう時テレビの力は巨大な善意となって視聴者を巻き込みます。
ウエッブよりも、twitterよりもその「良心の伝導力」は凄いのです。

水は戦争よりも怖し。(2)

2010-08-28 03:38:36 | アイディアの屋外観戦




パリ市内。降り注ぐ水。水で文字を描いています。
I KILL MORE THAN AIDS
(エイズよりも多くの人を殺している。)

I KILL MORE THAN WAR
(戦争よりも多くの人を殺している。)

I KILL MORE THAN CANCER
(がんよりも多くの人を殺している。)

そして最後の汚れた水からのメッセージ
I AM UNSAFE DRINKING WATER
(私は安全ではない飲み水です。)
この汚水で年間800万人の子供達が命を落としています。
円高、不景気、政治の混迷、そして、行方不明の高齢者の数と家族の希薄な絆
でも日本には飲める水がある。それだけで感謝すべきかもしれない。
ニッポン人の心は冷えきってしまったが、、、、。
このくだらない素晴らしい世界。サントリーの缶コーヒー ボスのタグラインが、今の日本を象徴しているのかも知れないです。
悲しいことですが。

水は戦争よりも怖し。(1)

2010-08-26 02:02:00 | アイディアの屋外観戦
シンガポールで国際水週間が開催しました。期間中に開催の国際会議「ウォーター・リーダーズ・サミット」ならびに世界都市サミット(WCS)、住み良い都市東アジアサミット(EAS LCC)合同開催となった全体会議で、24日、森喜朗・元内閣総理大臣(NPO法人日本水フォーラム会長)が演説を行ったそうです。
日本は水に恵まれていると言いますが、それでも都会の水道水は不味くなりました。
米国シアトルは水に恵まれておりますが、他では水は飲めません。ヨーロッパでも同じことです。アジア アフリカ等、水に恵まれない土地では、泥水を飲んでいるのです。
それで亡くなる子供達、戦争よりもこの泥水で命を落とす子供達の方が多いのには驚きました。
UNICEF のDirty Water キャンペーンは、衝撃的なネガティブキャンペーンです。


NYの街角に、この泥水のベンダーマシンを置き、通行人にこの泥水ボトルを渡すのです.
泥水のベンダーマシーンは、泥水を選べます。マラリアだったり、コレラだったり。もちろん誰も飲みませんが、この水を飲んでいる人々へ寄付するのです。1ドル寄付です。以前から申しておりますが、いろんな格差があります。水にも格差があるのだと再認識させられました。水の最先端技術を持つ日本が、この格差をどう解決していくのでしょうか?地球温暖化も含め、日本の真化が求めれれていることを実感致しました。ー



interactive の想像力(2)

2010-08-07 23:51:13 | アイディアの屋外観戦
クロスメディアの優れたアイディアを表現したHBOのVoyeur


そして昨年は、一夫多妻のドラマ「BIG LOVE」では、登場人物の心の声を聞くというテ-マで屋外キャンペーン展開しました。




今度は「Imagine」というインタラクティブキャンペーンでカンヌ広告祭、OneShow、NY ADC を受賞しております。「想像する以上のものを。HBO」今までにない映像表現です。



4つのアングルから撮影された映像を、キューブの4面にそれぞれ流すCUBE FILMというものを制作しています。一面を見れば、ひとつのアングルからの映像をずっと見ることができます。それが4面分。そして、キューブの角から見ると、2面を同時に見ることができます。見え方は4つ。ということは8通りの見方ができるわけです。



如何にinteractive の想像力を、クロスメディアで展開させていくか?そして、そこには従来のメディア媒体だけでなく
iPhoneをはじめとする、世界標準携帯電話 スマートフォンがあり、そのアプリケーションSDKがあります。iPadでの電子書籍広告の新しい展開、拡張現実や3D等の映像技術革新もあるのです。
でも想像力は、今のデジタル時代でも、アナログ時代でも変わりません。
アイディアは普遍なんですから。


interactive の想像力(1)

2010-08-07 02:53:24 | アイディアの屋外観戦
ジェームス キャメロンの「AVATAR」がヒットしましたが、それ以来、3D効果を折り込んだ映画作品が多くなりました。でもこれは、技術的効果を狙うもので、大切なのはコンテンツです。シナリオであり構成です。演出力です。
以前、あの名作「カサブランカ」をデジタル技術でカラー化したのを見ましたが。
「果たして意味があることだろうか?」と思ったしだいです。
小津監督の名作「東京物語」、黒沢監督の名作「七人の侍」にカラーリングしたらどうでしょう?「愚かな事をするんじゃない!」と監督がパン棒持って追っかけてくるでしょう。
最近ハリウッド映画とFOXはじめドラマチャンネルの方が、面白いと感じます。今、話題なのが「The Pacific」
トム・ハンクスとスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、一億5千万ドル 制作費180億円をかけていると言うから凄いです。毎回 話題となる 米国インターネットドラマチャンネル HBO です。



そして、今年もHBOが新しい表現で、広告賞を受賞しました。



お化け屋敷のオンデマンド(2)

2010-08-05 03:50:07 | アイディアのIdentity
ドイツのホラームービー専門チャンネル,
13TH Streetのプロモーション ムービーです。
ストーリーの中の女性が携帯電話をかけています。すると劇場に響く呼出し音。観客の女性の携帯電話に、話かけるのです。「どっちに行ったらいいの?右、左!」「階段は上?下どっち?」「助けた方がいいの?どうなの!」電話を受けた観客を巻き込むプロモーションです。幾つものシチュエーション展開をソフトが考えているらしいですから、楽しいでしょう。
でも作り手は大変でしょう。
13th Street は、こんなプロモーションもやってました。トイレで電気が消えると。浮かび上がる血液。
ルミノール反応の様に13TH STREETと描かれています。



相当前に、同じようなシチュエーションを観る側が選んでいくCMのオンデマンドを考えた事がありますが。
企画作業が大変、特にコンテンツ作りがたいへんであることと、既にCMの方向性が変わってきてしまいましたので今となっては「夢のまた夢」 夢はテレビ媒体ではなく、今後のモバイル市場でしょう。


お化け屋敷のオンデマンド(1)

2010-08-03 23:29:48 | アイディアのIdentity
会社で関連会社の映像開発を命令された際、スタッフの皆さんへ伝えていたことがあります。「自分達が開発しようとしている事は、世界中で誰かが考えているはず。ですから、開発急ぎましょう。」その後も幾つかプロジェクトに参加しましたが、「誰かも考えている。」この言葉は私の仕事のベースになりました。アイディアは誰しも考えていることです。そこで「行動」するか?「脳内に止める」だけか?で発明者か単なる「ほら吹き」かが決るのでしょう。「映画は劇場で見るもの。」なんですが、毎年アカデミー賞の最終審査投票の頃にはノミネート作品をレンタルで借りてきて、観るのです。その際何時も思うのは、映画は一視点で描かれていることです。主役を中心に描かれていることです。まあ、その通りなんですが。主役以外の出演者達の視点で描いてはどうなんだろう。巷では3D 3Dと騒いでおりますが。技術的効果ではなく、コンテンツ であるシナリオを多角的に考えて見てはと思っておりました。
違う形で観客とコミュニケーションを図り、ドラマの展開をオンデマンドで進めていくという試みがありました。カンヌ広告祭 で受賞した「Last Call」です。



街が奏でるオーケストレーション(2)

2010-08-03 01:31:15 | インタラクティブのattractive(魅惑)




このサイトにアクセスすると、ハンブルグの観光地がライブ中継されています。
ユーザーはそのライブ映像を選んで、このライブ映像に映っている人や車に楽器のタグをつけると、これらオブジェクトが動くことでオーケストレーションが生まれます。
水族館の魚達も同じです。ユーザーは指揮者の様に、タグ付した人や魚、車、あらゆるオブジェクトでサウンドを奏でる事が出来ます。
いろいろなビジュアルとサウンドの実験はありますが、目的がしっかりしているサイトの映像と音は、また更なる可能性を高めてくれました。

下記がサイトです。是非 ご自分で、楽器タグつけてみて下さい。

http://www.sounds-of-hamburg.de/

このキャンペーンの技術的仕組みに御詳しい方がいらっしゃいましたら
お教え頂ければ幸いです。
コメント欄から書き込み頂ければ助かります。

街が奏でるオーケストレーション(1)

2010-08-01 01:49:54 | インタラクティブのattractive(魅惑)



若者達の音楽大学を受験する人数が増加している様です。一役かったのは「のだめカンタービレ」でしょう。マンガからアニメ、そして実写、出てくる外人さんがアフレコでも全く違和感がありませんでした。映画も毎回面白い展開です。
以前米国出張中のオフの日に、ロサンゼルス交響楽団のコンサートに参りましたが、数十人の方々がピアノを弾いたり、レコードをかけたりしている人の話を聞いておりました。
何かな?と思い聞いてますと、今日の演目の作品をわかりやすく、説明しているんですね。この主題が第一バイオリンから始まり、弦楽器から、木管、管楽器へ。動機のフレーズが展開されていく等。より深くクラシシックを理解して貰う試みです。硬いイメージのクラシシックを普及させようという、この取り組みに関心したのを思い出します。
日本では、こういう「クラシシックを、みじかに感じて貰おう。」と言う試みは皆無と言っても良いでしょう。今年のカンヌ広告祭サイバー部門金賞を受賞した「 SOUNDS OF HAMBURG/PHILHARMONIC ORCHESTRA OF HAMBURG」は、
ハンブルグ交響楽団の「楽団を市民により親しみやすいものにしていくこと。」
このコンセプトで作られたプロモーションサイトです。