ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ジョージアのイメルリチーズ

2024-03-11 05:42:17 | 食材
ジョージアのイメルリチーズとは、ジョージアのイメルリ地方の伝統的なチーズのことだ。それは中米からの移民問題で最近やや話題のアトランタ市などがある北米ジョージア州のことではなく、国のジョージア(旧グルジア共和国)である。州のジョージアと国のジョージアの名前の由来には全く関係がないそうだ。そういえば日本ではコカ・コーラ社製品に“ジョージア”という缶コーヒーブランドがあるが、これはコカ・コーラ社の本社が北米ジョージア州にあることに由来する。筆者はこのイメルリチーズを、マウンテン・ビュー市の東欧スーパーで見つけて気に入ったのでここで紹介する。日本では日経平均株価がバブル期の最高値を更新し、ついには4万円の大台に乗ったというニュースに湧いている。実は筆者も株遊びを始めており、現在のところけっこう儲かっているため、純粋にジョージア、じゃなかった、ファイヤーを考えている。


この食材との思い出は以下のとおりだ、参考にしてもらいたい。


①Samovar グローサリーストア
米国にはロシア、ルーマニア、ポーランドなどの東欧から来た移民の人も多い。とはいえアジアや中南米からの移民に比べると、その規模は特に西海岸では小さい。その所為なのか、それとも彼らの食文化が米国のそれと大きく違わないためか、東欧系の食材を輸入販売するスーパーはたいてい小ぶりである(ちなみに以前紹介したサンノゼの老舗ロシアスーパーの、ロシアン・カフェ&デリは潰れてしまった。)。筆者はそんな東欧スーパーには普段は用事がないのだが、今回たまたまサンカルロスのジョージア料理レストランで、ジョージア産のワインが美味であることを知る機会があったので、それを入手すべくやってきたのが、このマウンテン・ビュー市のSamovarという名の東欧系グローサリーストアである。


②Samovar グローサリーストア
残念ながらこのSamovarグローサリーストアには酒類が置いていなかった。それでもマウンテンビュー市のコスコ(日本で言うところのコストコ)の裏の建屋に佇むこの店は、やはりその他の東欧スーパーと同じく店内は小ぢんまりしているものの東欧系の楽しい商品が多く並び、特に手作り風の総菜類が充実している。何でもアゼルバイジャン出身の男性とジョージア出身の女性夫婦に経営される割と古いグローサリーストアらしい。店員はアジア系の風貌をしている。東欧には騎馬民族の影響でモンゴロイド系の血が色濃く残っているときくが、その所為かどうかは知らない。
③ジョージアのイメルリチーズとの出会い
冷蔵庫の中のチーズコーナーも充実している。イメルリチーズはちょうど乳児の脳みそのような大きさと色とかたちとをして、その冷蔵コーナーでひとりでじっとしていた。真空パックされたプラスチックが皺を作っているのが、なおのこと乳児の脳みそのように見える。中央の円形のラベルには米国とジョージアの国旗(5つの赤十字が描かれる)が並んでいるので、もともと輸出用に作られているもののようだ。ラベルの下部には輸出業者としてラッキー社、米国での販売代理店のしてのタマニ・フーズ社の名が記載されているが、製造会社は左隅にある“კარგი社”のようだ(ジョージア語には独自の文字がある)。乳児の脳みそほどの大きさで26ドルもしたが、思い切って購入した。



④イメルリチーズの味
長屋に帰って真空パックからイメルリチーズを取り出すとほんのりと燻製の香りがする。乳児の脳みそのようなイメルリチーズを半分に切り、また半分に切ってから2~3ミリの厚さで切って口に放り込むと、旨い。硬めの乾いた食感、ふんわりとしたスモークの香り、雑味が少ないのに濃厚で、後に残る酸味も心地よい。筆者がすぐに近所の酒屋へ走り、黒ビールを買ってきた。チビチビとこのイメルリ・チーズを口にしながら黒ビールを飲むと、ヨーロッパの労働者になったような気分になれるというものだ。



さて、サン・カルロスのジョージア料理店で食事をしていた際、店の男に『地中海料理とロシア料理のあいのこのようですね』というと、強く否定された。“ロシアとはコーカサス山脈で隔たれているので、気候はまるで違って温暖で、日光も豊かだから、作物なら何でも植えるだけで育つ。食べ物はロシアとは違う”のだそうだ。筆者としては、かつてのグルジアとして、臥牙丸関や黒海関や栃ノ心関などのグルジア出身力士たちを思い出す。尻を人前にさらすことに抵抗の少ない国の人々のようだ。現ジョージア大使のティムラズ・レジャバ氏もセンスのある男のようだし、これから要注目の国である。ただ、把瑠都関はエストニア出身だ。