駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

船出に立ち会う

2019年11月23日 | 

         


 今朝は雨が上がり気持ちの良い秋晴れで、気持ちも穏やかだ。街のあちこちに空き地が増え、人口減少の影響を直接感ずるが、中には新しい街作りを目指して飲食店や小さい芝居小屋のようなものを招いてどことなく活気を見せる界隈もある。有能果敢なプランナーが居るようで、贔屓にして繁盛していたイタリアンも店をちょっと大きくしてそこへ移転するという。街には相乗効果というものがあって、良い店が集まると1+1+1が3ではなく5の賑わいが出てくるものだ。

 移転先は小と言えども一軒家で、今の店の倍くらいの広さがある。あと二週間くらいで移転オープンなので、どんな店なのかなあと先日帰り道午後八時頃、ちょっと遠回りして前を通ったら、シェフがポツネンと一人客席に座って考え事をしていた。新しいメニューでも考えていたのだろうか。覗いている私に気付き、近づいてくるとドアを開け見ていって下さいと言う。新築なので靴を脱いで新しい木の香りがする店内を一回り見せて貰った。個室が二つあるがやや小さく、シェフもちょっと小さいんですがとこれで良かったのかなという迷いを見せていた。確かにもう少し大きい部屋が一つあっても良いように感じがしたが余計なことと黙っていた。

 「ちょっとは休まないと、働き過ぎだよ」と声を掛けると「若いですから」と破顔一笑、開店一週間後の夕食の予約をして別れた。女性客にはちょっと不便な場所だが、必ず繁盛すると思う。何がどうしてというのは説明が難しいが、彼には何かがあるのだ。

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