駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

三重苦で二八蕎麦は四六の蝦蟇に

2017年09月20日 | 世の中

          

 

 七月から九月にかけて医療機関へのアンケートと調査が送られてくる。医療施設状態とか在宅医療調査とか表題は違っていても内容は五割から八割重複している。そして調査元は市県国に医師会と異なっている。医師会よお前もかと言いたくなるのだが、職員と共同で調べて記入している。私は小一時間で済むのだが、職員は二時間以上掛けることになる。二か月間に往診した患者数、半年間に往診した患者数、一年間に往診した患者数など、まるで意地悪のように微妙に設問が異なっている。

 よく二重行政の不合理というがこれでは三重行政の不合理で、しかも同じ項目目的と思われるのに、設問の内容が微妙に違い、市の調査内容をそのまま県の調査票に書き写せないようになっている。こうした調査には人手と時間が掛かっており、実務を圧迫していると思われる。医師会を含めて良いかは議論があるだろうが市県国はお互い調整すれば一度の調査で済むはずで、そうすれば調査書類業務に使われる人手と時間は大幅に削減できるだろう。

 組織を動かすには繋ぎの連絡調査業務が必要なのはわかる。蕎麦だって繋ぎが必要で二八の割合が一番おいしく効率が良いとしたものだ。それが連絡調査業務が肥大化し実務を圧迫するのは税金の無駄遣いと思う。四六になれば蝦蟇ではないが、絞られた国民の汗の結晶の税金が無駄になってしまう。

 こうした行政の効率簡素化は一つには鉈を振るう人物の出現二つにはITの活用で実現可能なのだが、鉈で払われる側の抵抗とIT情報の悪用?で簡単には実現できないようだ。都合の悪い記録は燃やして隠滅を図り?、杜撰なIT情報管理で情報を漏らすお役所ではあるが、IT情報を真っ当に利用すればこうした調査は不要になるはずだ。尤も、いろいろ反対する人も多く法律の壁もあり、十年は無理だろう。

 付け足せば、介護サービス在宅医療と喧しく二重三重でグループ形成や連絡網ができているが、そうしたきめ細かい複数の組織づくりが効率的かというと、決してそんなことはない。わかりにくくなるばかりだ。複雑になると全体がわかっている人が減り、全体の説明係を作ろうなどということになってしまう。

 戯画化したけれども、これは大筋本当の話で、反対しにくい教育の無償化などという取って付けた争点ではなく、身内の反対も予想される行政の簡素化一割の人員削減と役人個人の一定責任を争点にしたらどうか。税金を人の金だと思って無駄遣いされては敵わん、何しろ血税を支払わさせていただいているのだから。 

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