昨年のことですが「ミツバチ盗難事件」が何度か報道されました。ミツバチなどに関心のない人々にしてみれば「何が目的なんだろう?」と不思議がるような事件です。しかし、このミツバチ盗難事件の背景には深刻なミツバチ不足があります。日本のミツバチ不足の原因は、オーストラリアからの種蜂輸入が止まっているからです。輸入停止の原因は届出伝染病に指定されている「ノゼマ病」がオーストラリアで発症しているからだそうです。ミツバチの天敵にはスズメバチがよく知られていますが、これ以外にもミツバチの生存を脅かす天敵や病気或は環境の変化などなど沢山の危険要素があります。これらの多くの外的に対しても養蜂家はそれに応じた対策を採り、また養蜂技術を磨いて艱難を乗り越えています。養蜂家の最大の脅威は「ミツバチヘギイタダニ」の侵入です。
ところが、2006年からミツバチの世界に不可解な事件が発生しました。昨日まで何の異状もなかったミツバチの巣箱からハチがいなくなってしまったのです。勤勉な働き蜂(外勤蜂)が巣を離れるのに何の不思議はないのですが、飛び立ったまま巣に帰ってこないのです。更に幼蜂の世話をする内勤蜂の大部分が消えてしまったのです。通常、内勤蜂が巣の外に出ることはありません。そして、不思議なことにこれらの蜂はどこかに飛び去ってしまい巣に戻ってくることはありません。という事は「ミツバチの死骸」がないのです。まさに「死体なき殺人」事件です。死体がないので原因の追究が困難なため様々な原因説があります。
このミツバチ大量失踪のことを「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder)」通常「CCD」と言われています。そして、2007年の春までに北半球のミツバチの4分の1が失踪してしまいました。このことは単に養蜂業者だけの問題ではなく、農業、食料に大きな問題となりました。世界各国の政府機関・研究機関、国際的な専門機関等が緊急の警告を発しています。
ミツバチヘギイタダニ 背部 腹部
ミツバチヘギイタダニのついた雄蜂のサナギ
アメリカのレポートによると「このダニは数百万群に及ぶミツバチのコロニーを死に至らしめた。」1987年(ミツバチヘギイタダニの初被害報告)から僅か10年間でアメリカ国内の商業養蜂家の4分の1が廃業に追い込まれ打撃を与えました。ミツバチヘギイタダニの被害にしてもウイルス性の感染病にしても原因がはっきりと分かっており、またそれを裏付ける「蜂の死骸」が残されています。ところが、2006年からミツバチの世界に不可解な事件が発生しました。昨日まで何の異状もなかったミツバチの巣箱からハチがいなくなってしまったのです。勤勉な働き蜂(外勤蜂)が巣を離れるのに何の不思議はないのですが、飛び立ったまま巣に帰ってこないのです。更に幼蜂の世話をする内勤蜂の大部分が消えてしまったのです。通常、内勤蜂が巣の外に出ることはありません。そして、不思議なことにこれらの蜂はどこかに飛び去ってしまい巣に戻ってくることはありません。という事は「ミツバチの死骸」がないのです。まさに「死体なき殺人」事件です。死体がないので原因の追究が困難なため様々な原因説があります。
このミツバチ大量失踪のことを「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder)」通常「CCD」と言われています。そして、2007年の春までに北半球のミツバチの4分の1が失踪してしまいました。このことは単に養蜂業者だけの問題ではなく、農業、食料に大きな問題となりました。世界各国の政府機関・研究機関、国際的な専門機関等が緊急の警告を発しています。