馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

刀に関わる諺・・・・切羽詰る。

2018年02月04日 | 雑学
「切羽詰る」とは「物事がさしせまって,どうにも切り抜けられなくなる。追いつめられて全く窮する。」(三省堂・大辞林)
概ね上記のような解説がされています。所が、辞書によっては「切羽とは日本刀の鍔の両面に添える薄い楕円形の金属のことで、これが詰まると刀が抜けなくなる。窮地に追い詰められた時に切羽が詰まると、逃げることも刀を抜くことも出来なくなるため為す術がなくなる意味となった。」(語源由来辞典)このように「切羽が詰まる」と刀が抜けなくなる、と云った説明をしたものが結構あります。
「刀が抜けなくなる」と云うのは切羽とは関係がなく、鎺(ハバキ)と鞘との関係だと思うのですが・・。
  

要は「切羽詰まる」と刀が抜けなくなる、と云うのは明らかに間違っているということです。

それでは切羽が詰まるとどの様な不都合が起きるのか?
切羽は鍔を両側から押さえる座金のような働きをしています。このことにより鍔は僅かにがたつきます。これは打ち込んできた相手の刃を鍔で受けた時、このがたつきのため力が削がれ、敵の刃が滑るように外側に逃がす働きがあり鍔本来の役割を果たすことができます。
もし切羽が詰まると、鍔は両側の切羽にガッチリと固定されてしまいます。そうすると敵の刃の力はもろに鍔に加わり、鍔は叩き割られ親指まで斬られてしまいます。即ち切羽が詰まると鍔が鍔本来の役割を果たせなくなってしまいます。

刀を構えるとき、柄を絞るようにして握るそうです。そうすると刀の柄が親指と人差し指でつくるV字のところ(ここを辰ノ口・虎ノ口という)に収まります。これを「辰ノ口に入る」と言うそうです。そして親指は鍔から二分(6mm)ほど離すそうです。こうしなければ相手の打ち込みを鍔で受けた時、親指の骨が砕かれてしまうことがあるそうです。
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