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「奇 々 怪 会」 とは、どういう会なのか

昭和30年前後にイギリスのネス湖で恐竜ネッシーの存在が話題となり(湖面を泳ぐ姿が目撃され、写真に撮られたりした)、ヒマラヤで雪男の足跡が発見された等などが新聞やテレビで話題になりました。
こうした話題は昔から私達の興味を引く出来事だったようです。

いや、もっともっと旧くには・・・
秋田出身の国学者・平田篤胤は異界・幽冥の世界の有様をまとめて、1822年(文政5年)に『仙境異聞』を出版しています。
実は文政3年秋の末、篤胤45歳の頃、江戸で天狗小僧寅吉の出現が話題となっていたそうです。
寅吉は神仙界を訪れ、そこの住人たちから呪術の修行を受けて、帰ってきたというのです。
篤胤は、天狗小僧から聞き出した異界・幽冥の世界の有様をまとめて、出版したのが『仙境異聞』であります。これが当時大きな話題となったと伝えられています。
ことほど左様に”不思議な話”は、いつの時代でも人の興味を引き付けるのだと思われます。

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO、UMA、ツチノコ・・・・・
身近では霊的な場所、遺跡、神社、お寺、巨木等なども私達の興味を引き付ける様です。

奇々怪会は、こうした事に興味を持つ人の集まりです。
新規の入会を希望する方は下記までご連絡ください。
メール arashigeru@yahoo.co.jp

日本伝承大鑑23 弁慶の墓

2024年02月27日 | 伝承大鑑
以下に弁慶の事が語られるのだが、昨年11月に「続石」を題材に挙げた時やはり弁慶が出てきている。この続石が弁慶が積み上げたという下記の逸話でありました。義経に伴う弁慶の話題がこう多いのは、やっぱり愛されキャラなのかな~・・・・
この不思議な石の造型は自然のものではなく、弁慶がこさえたものであるという。初め弁慶は近くにある別の石の上に、笠となる石を乗せた。ところが、乗せられた石は「自分は位の高い石なのに、その上に石を乗せられたままとなるのは残念である」と言って一晩中泣き続けた。

平泉は奥州藤原氏の本拠地であり、源義経主従終焉の地でもある。国道4号線沿いの、中尊寺へ行くための駐車場入り口付近に、弁慶の墓と呼ばれるものがある。

義経を庇護していた藤原氏の当主・泰衡が、源頼朝の圧力に屈して義経を自害に追い込んだのは、文治5年(1189年)のことである。数百騎で衣川館へ攻め込んだ泰衡の手勢に対して、義経は抵抗することなく持仏堂に籠もり、妻子を手に掛けると自害して果てた。わずかにいた義経の家来も全て討ち取られたという。

伝承によると、武蔵坊弁慶は攻め入る敵を前にして、持仏堂の前に立ちはだかって侵入を防いだとされる。敵は容赦なく矢を浴びせ掛けたが、弁慶は決して倒れることなく、堂を守るように立ったまま死んだとされる。これが有名な“弁慶の立ち往生”である。




ブログの表紙画像を変更いたしました

2024年02月19日 | お知らせ
この度ブログ開設以来採用しておりました画像を変更いたしましたので、ご報告いたします。
旧デザイン

新デザイン

お分かりの様に旧デザインの「真山万体仏」「三内丸山遺跡」の画像を「伊勢堂岱板状土偶」「遠野続石」に変更し、また奇々怪会の表題文字のデザイン、色調も修正いたしました。

訃報をお知らせいたします

2024年02月16日 | 会員動向
当会の長老でありました 永田新作さんがお亡くなりになりました(9日ご逝去 享年94歳)。
私は永田さんとは同じ土崎であり何かと親しくさせていただいておりました。ご夫婦そろっての会員であり例会等もお二人で参加されておりました。
ともかく趣味の第一は「相撲」であったようで秋田出身の豪風関(押尾川親方)とも親しかったようですし、番付表を収集し、私は真偽は不明ですがご自宅に土俵もあったと伝え聞いておりました。
切手や古銭の収集も趣味と聞いておりまして、地元の土崎図書館や銀行支店などで展示会をされていたようです。
ご冥福をお祈り申し上げます。合掌。


秋田怪談 ここが面白い(4)

2024年02月12日 | 本・雑誌から
さて、拙い分析も今回が最後といたしましょうか・・・・・・

1・キーになるのはやはり女性かな~
この本のスタートが舞台は学校、そして赤いランドセルの女の子が出てくる。
更に進んで行けば海の中で出てくるおかっぱの少女、キャンプに遊びに来る手まりを持ったおかっぱの少女、かと思えば農道でクネクネ踊っている女性をよく見たら、ゆでたまごの様に目も鼻も口もない。
土崎が舞台の酔った女性、これが酔った男性では一挙に興ざめする。
やはり女性がいて物語は成り立つようだ。

2・と言っても男の出番もあるな~
トンネル内に出てくる警察官、通町に出てくる白装束の男といくつかの場面に男が出てくる。
だけど何となく面白みに欠ける、華やかさがない・・・・・ま~物語上、華やかさは必要ないか!!

3・人形とかおもちゃ
音の出るおもちゃが壊れたのか訳の分からない音を出す物語があった(市営住宅 秋田市)。
実は私も持っていて、結構可愛いので大事にしている。この物語の様になったら怖いなと感じさせられた。私の持つおもちゃは私が発する言葉を可愛く復唱するだけなのだが、これが復唱以外を止めどなく発声したら怖いよな~。下記が私のしゃべる人形カッちゃんとサクラちゃんです。

日本人の感性は「森羅万象、すべてのものに神が宿る」のです。だから例えば要らなくなった人形を単純にゴミ袋に入れて処分するのに抵抗を感じるようなのだ(*特に人型のものには、その傾向が強いと思われる)。したがって「人形供養」が行われているし、準じて「針供養」「○○供養」が行われている。

4・この世は不思議に満ちている・・・・・
私は会報や、このブログにも公表しているのだが、自らに霊的な能力は全くにない。不思議体験をしたことは皆無だし、UFOやその類に遭遇したことすら全くに縁がない。
しかし、世の不思議や超常現象、心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明などは大好きで故に秋田奇々怪会の会員でもある訳だ。
しかし自分にそうした能力がないからと言って、その能力を持つ人を疑ったり否定する事は全くにないのです。
だからこの「秋田怪談」は面白かった・・・・・是非多くの人に読んで欲しいと思っています。

秋田怪談 ここが面白い(3)

2024年02月12日 | 本・雑誌から

今回の事例の中で数例出てくる共通の言語があった。それは「龍」「狐」「神社(みよしさん)」等の呼称でありました。
例えば「龍」前回に”記したイチコ、カミサマの対応の中で、この存在がキーになっている数例がありました。私たちの感覚で言えば 龍 は架空の生き物であり、実在はしない。しかしイチコやカミサマはそれらを鎮め処置もしたと言うのだ・・・・・しかも、それで懸案が解決している。
架空の生き物という観点で言えば、この本の中には河童も数例出てきます。

また「狐」今まで例示では採り上げてはおりませんが、ある空き家に見たことのない人が着物姿で出入りするのを多くの人が認めている(不審人物-美郷町)。
結局空き家を管理している人に物件に行ってもらった所、物件の家から数匹の獣が勢いよく飛び出して、それが狐だったというのだ。しかも、その居間には畳まれた着物が数枚あったというのです。
よく狐と狸は人を化かすとか、イタズラや悪さをすると言われます。
この本の中では「狸」は出てきません。しかし、このブログでも以前に採り上げたし売上も凄いようなソフトカバー「山怪」には狸の事例も沢山出てきます。

ついこの間”ぼんでん”が行われた太平山三吉神社。秋田では「みよしさん」と親しまれている神様で、例えば由利本荘でも祀られていると初めて知った次第だ。
私の住む地元でも「こんな所に・・・・」と初めて気が付く神社があることにビックリする事がある。それらは、どんな小さなもので目立たない所にあっても、しっかりと護られているようだ。

秋田怪談 ここが面白い(2)

2024年02月11日 | 本・雑誌から

この本の中で どうしても困り果てて 原因や対策を”霊能力者”(本ではそういう表現をしておりません)に相談する事例が数例出てまいります。
県央エリアの記事の中で出てくる人はイチコ(秋田県南のイタコ)と呼ばれ、その他の地区ではカミサマ(東北の民間巫者)あるいは同じカミサマ(民間信仰の巫者)と呼んでいるようだ。
青森県の恐山にいるイタコは全国的に名前が通っていますが、秋田県では統一した名称では存在していない、こういう事なのかと思ってはおります。
しかし、この方たちが本の中ではすごいのです・・・・・・
1・外にある汲み取り便所で水音がする(水源はない)のを相談したら「便所にいたのは龍で雄物川に流しておきました」と言い、それ以降水音は止んだ。

2・火事を繰り返したり、身内が事故で亡くなる等の不幸が続く家の顛末をイチコに相談した。
敷地内にあった社を小さくしたりを龍が怒っているとの宣託で、相談者には思い当たる事があった。

3・夜中に大きな音がしたり、金縛りにあう高校生がいた。母親がカミサマに相談したところ「あなたの息子が川で遊んだのだが、そこで悪いものが憑いてきた」と言う。その川は花岡鉱山で中国人が過酷な労働をした場所のすぐ近くであった。

4・孫が夜に寝付かず、家の中に四つ足の獣がいる気配も感じられる。
カミサマに相談したところ「家の裏にお稲荷さんがある。雪ごと片付けてけろ、と言っている」
家の裏を掘り起こしたら白い雪の中から、小さな石の祠が姿を現した。
それらを祀りお詫びをしてから、孫はよく眠り獣の気配もなくなった。

どうだろうか、これだけ相談して答えを得、その後に解決しているのだからイチコ、カミサマあぁ有難やではないですか。

秋田怪談 ここが面白い(1)

2024年02月08日 | 本・雑誌から
秋田怪談を通読してみて面白さに嵌っているのだが、いくつか私が感じたポイントをこれから数回にわたって述べてみたい。

いわゆるミステリースポットを訪ねてそこで怪奇現象に遭う話が今回もないではない。廃病院、廃ホテル、或いは座敷童子などで、それなりの迫力はあるのだが今回の題材の中心は日常に私たちが暮らす中で遭遇する民話的な話が中心である。

例えば除雪機の修理を頼まれ雪深い集落に行った人の話(恍惚 仙北市)、着いた先で依頼人の老人に会ったのだが、大きな声で挨拶してもいつもと感じが違う、その内に老人が裏手の山に登りだした。慌ててあとを追いかけたのだが追いつけない内に変な事に気づく。老人が登った雪山の道筋に普通は残るはずの足跡がないのだ。
おかしいと思い自分の車に戻った時、この老人が軽トラで帰ってきたのだ。
事の顛末を話した時この老人から「山に登りだした老人にもし付いていったら、命落としたぞ。山には人を騙す悪いのがいるからな・・・・」と言われた、と記されている。

私は前にこのブログに書いた事があるのだが心霊スポットと言われる所に進んで出掛けていって非日常体験を得ようとするのは、私自身の主義から言えば好みではない。日常生活の延長上に起こる出来事が貴重なのだと思っている。そういう意味では今回の本は私の主義にピッタリとあうのだ。

秋田怪談 ホンマかいな?が満載で面白い

2024年02月03日 | 本・雑誌から
たびたびお知らせしている「秋田怪談」1月29日発売 竹書房
既に私は二読いたしまして、その面白さに嵌ってしまっております。

全体的な印象で言えば各地に伝わる民話的な作品も多く河童や狐が数多く出てきたり、学校や廃ホテル、病院が舞台の話題もある。それから秋田には少ないといわれる座敷わらしも出てくるし、個人のお宅に関わる話も多く「オイオイ、本当かい・・・・」と頭が混乱する話も少なくない。よくこれだけの話題を集めたものだと執筆陣に頭が下がる。
発売直後なので個々の作品の披露は問題もあるでしょうが、Amazonに紹介された一遍がありますので雰囲気を知ってもらう意味で下記に転載いたします。

収録話「通町橋の男(秋田市)」より抜粋

秋田市に出張で訪れていた会社員の土屋さんは、取引先との契約を終え、秋田支店の社員と秋田の歓楽街「川反」で契約成立の祝杯を挙げていた。
タクシーで送るという支店社員の誘いを断り、酔い覚ましにホテルまで旭川沿いを歩く。
竿灯まつりを終えた秋田の街は、夜風に秋の気配を感じる。
次の橋を渡れば、ホテルという辺りまで来た時だった。
柳並木の歩道に、周囲の風景とは異質な装いの人物が佇んでいるのが見えた。
髷を結った白装束の男――。
(あ! 見ちまった)
土屋さんは時折、この世の者でない人たちを見る。
面倒は御免と気づかれぬ様、その場を足早に立ち去り、ホテルへ繋がる橋を渡る。

(やべえ、タバコ買い忘れてた)
ホテルへ戻る前に近くのコンビニで買い物を済ます。
タバコとペットボトル飲料の入った袋を手に提げ店を出ると、目の前に数名の酔客の後ろを歩く白装束の男と出会した。
――思わず驚いちまったんですよ。
すると、白装束の男と土屋さんは、目が合ってしまった。
――すぐに目を逸らしたんですけどね……。
ホテルに戻った土屋さんは、一日の最後に怪しい者を見た後味の悪さのままベッドに潜り込んだ。
どれぐらい眠っただろうか、寝苦しさを感じて目を覚ます。
(喉が渇いた……)
飲酒のせいか水分が欲しい。
冷蔵庫にあるペットボトルを取り出そうと起き上がった――。
(何かいる……)
薄暗い客室の中、いつも怪しき体験をするとき特有の気配を感じた。
(いるとすればベッド脇のテーブルの辺りか?)
ゆっくりと横を見てみると、白装束の男がいた――。
なにか物言いたげそうに土屋さんを見つめる男。
「オレ、何もできないよ」
土屋さんが小声でそう告げると、白装束の男は透けるように消え去ったという。
――続きは書籍にて。

こんな感じです、皆様にも是非ご一読をお薦めいたします。