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「奇 々 怪 会」 とは、どういう会なのか

昭和30年前後にイギリスのネス湖で恐竜ネッシーの存在が話題となり(湖面を泳ぐ姿が目撃され、写真に撮られたりした)、ヒマラヤで雪男の足跡が発見された等などが新聞やテレビで話題になりました。
こうした話題は昔から私達の興味を引く出来事だったようです。

いや、もっともっと旧くには・・・
秋田出身の国学者・平田篤胤は異界・幽冥の世界の有様をまとめて、1822年(文政5年)に『仙境異聞』を出版しています。
実は文政3年秋の末、篤胤45歳の頃、江戸で天狗小僧寅吉の出現が話題となっていたそうです。
寅吉は神仙界を訪れ、そこの住人たちから呪術の修行を受けて、帰ってきたというのです。
篤胤は、天狗小僧から聞き出した異界・幽冥の世界の有様をまとめて、出版したのが『仙境異聞』であります。これが当時大きな話題となったと伝えられています。
ことほど左様に”不思議な話”は、いつの時代でも人の興味を引き付けるのだと思われます。

心霊現象、死後の世界、臨死体験、輪廻転生、古代文明、オーパーツ、超常現象、UFO、UMA、ツチノコ・・・・・
身近では霊的な場所、遺跡、神社、お寺、巨木等なども私達の興味を引き付ける様です。

奇々怪会は、こうした事に興味を持つ人の集まりです。
新規の入会を希望する方は下記までご連絡ください。
メール arashigeru@yahoo.co.jp

日本伝承大鑑12 ケサランパサラン

2021年10月18日 | 伝承大鑑
鶴岡市にある加茂水族館はクラゲの展示で有名であるが、その展示品の一角に置かれているのがケサランパサランである。
*この水族館は例会で行きましたよね!!

このケサランパサランという存在であるが、おそらく江戸時代にはある程度認知されていたとみられる。東北地方、特に山形県庄内地方では“福をもたらす”ものとして珍重されていた。これを見つけた者は家宝として管理し、家の繁栄を願って代々継承するとされる。全国的にその名が知られるようになったのは、1970年代半ば過ぎ。朝日新聞の地方版にトピックとして掲載され、そこからテレビなどに取り上げられるようになったと言われる。

ケサランパサランの管理方法には一定の決まりがある。少量の白粉と共に桐の小箱に入れて、神棚に祀っておく(あるいは箪笥にしまうなど)という。そして年に一度だけしか見てはならない、二度見ると福をもたらす効力を失う、家族以外の人が見ると効力を失うと言い伝えられている。

福をもたらす不思議な力もさることながら、このケサランパサランそのものが謎に満ちている。まず生きているものなのかどうかで意見が分かれる。桐箱に少量の白粉を入れるのは、それが“食料”であるため。そして実際につがいで箱に入れて数年後に見たところ、小さなケサランパサランがいくつか増えていたという話がテレビで報じられている。

さらにケサランパサランには2つの系統があり、動物系と植物系に分類できる。動物系のものは“ウサギの尻尾”のような白くて丸い毛玉のような形、植物系のものは“タンポポの綿毛”のような白い毛が放射状になった形をそれぞれしている。そのため前者は猛禽類が吐き出したペレット、後者は毛足の長いアザミなどの種子がとれた綿毛であると推測されることが多い。ただ個々の個体について調査されたわけではないので、全てがこれらのものであるとは断定できないだろう。

加茂水族館にあるケサランパサランはいわゆる“動物系”のものである。寄贈者は、この水族館の館長であった村上龍男。渓流釣りをしていた時に、ブナの木の根元に2つ並んでいるところを発見して持ち帰ったものである。当時の加茂水族館は入館者数が過去最低を記録するなど、最大の危機に瀕していた。ところがこのケサランパサラン発見後、偶然珊瑚に付着していたサカサクラゲの展示を始めたのをきっかけに、クラゲの飼育と展示に特化した運営をおこない、世界でも類を見ない水族館として人気を博している。