赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

声だけ大きい少数者の実態 コラム(331)

2020-07-10 08:15:32 | 政治見解



コラム(331):声だけ大きい少数者の実態


多くのメディアは、声が大きくアクションの大げさな人の発言や行動をあたかも国民の大多数の声であるかのように報道しています。


選挙に敗れた者が自らを顧みない風潮

東京都知事選では開票日前日まで小池百合子氏に対してメディアや政党、あるいはSNS上さまざまなネガティブキャンペーンが繰り広げられました。

自民党はお抱えのライターにでっちあげ記事を書かせ、立憲民主党と共産党は根拠に乏しい小池氏のコロナ対策批判に終始し、SNS上ではどの陣営からも「小池氏の再選の目はない」という記事ばかりが目立ちました。

しかし、小池氏は開票と同時に当確となり、366万票という歴代二番目の記録で圧勝しました。それでも、この事実をなかなか認めたくない人が大勢います。

宇都宮陣営の共産党・小池晃氏は「小池都政が支持されたとは夢にも思っていただきたくない」とコメントしました。

また読売新聞の朝刊コラム『編集手帳』には「小池さんにはビリから何番目かという謙虚さで再選を受け止めていただきたい」、同夕刊コラム『よみうり寸評』には「(小池氏の)危機管理力への評価が定まるのはこれからだろう。危機がコロナにとどまる保証もない」と、小池批判はもとより、小池氏に投票した都民を侮蔑する記事を掲載しました。

事実を事実として見ることができず、民意と大きく乖離したメディアの見識は、その思想と精神が根本的に異常をきたしているように見えてなりません。


騒がしい少数者は悪質クレーマーと同質

他人を引きずり下ろして自分を際立たせようとする手法は選挙に限らず様々な局面で数多く見かけるようになりました。とくにSNS上では、大きな声で自己主張し不快な印象だけを残す少数派の人たちが際立っています。

今回の都知事選でも、自陣営の当選は確実ともてはやし、他陣営に対しては批判レベルを超えて罵詈雑言で埋め尽くしました。

なかでも、山本太郎氏や宇都宮健児氏と、その対極に位置する桜井誠氏たちの言動は、極論で煽ることが選挙の主目的であるかのように見えました。

彼らは壊れたCDのように同じ言葉を繰り返していました。彼らは何をしたかったのでしょうか。その言葉は本心だったのでしょうか。どこでどんな影響を受けてそのような言動になったのでしょうか。

ブログ記事のコメント欄にも記事内容とは無関係に唐突な形で誰かの悪口を書き込む人がおります。極端な意見を述べる人に共通することは、他者を誹謗中傷することで自らの優位性を示そうとしたり、大勢の人から認めてもらいたい承認欲求があります。


極論を煽る人びとの論理

極端な意見で他者を激しく攻撃する行為は、自らが抱えている不足感、あるいは存在を脅かされる不安に基づくものです。

山本氏や宇都宮氏の主張を見ると、国家や政府は自分たちの財産や身体生命を収奪し思うままにしようとする存在で打倒すべきであるとし、都知事選を「政府打倒」の道具に使っています。

一方、桜井氏は、自分たちの財産や身体生命、アイデンティティを脅かす中国や朝鮮半島を徹底的に排除排斥することを掲げていました。

両者に共通するのは、「自分の財産や身体生命を守るための正義の戦いである」として、奪われる前に先制攻撃をかけようとする考え方なのです。


都民は賢明な選択をした

山本太郎氏は「愛と金が圧倒的に足りていないのが今の政治」と訴え、当選した暁には都民に10万円を配ることを公約に掲げていました。

これは起訴された河合夫妻が政党助成金で有権者を買収し票を集めたことと同質です。山本太郎氏は投票のお礼として「事後に」金(税金)を配るのかという違いだけで行為の趣旨は全く同じです。山本氏は河合夫妻と同類なのです。

山本氏の票数は2013年の参議院選の66万票よりも1万票減らし、宇都宮氏も2014年の都知事選98万票から14万票減らしています。桜井氏は18万票弱を獲得しましたが、2014年の都知事選での右派の田母神氏61万票にははるかに及びませんでした。都民は左右両派による扇動をはっきりと拒否したことを意味しています。

極めて正当な都民の選択眼を高く評価したいと思います。


混乱の元凶となっている価値観を変えよう

極端な言動で煽る人たちは、己の自己実現=利益獲得のために、あらゆる機会を使って、厳しい現実に直面している人たちの悲しみや恐怖の感情を、怒りの言葉や暴力に転化させてきたのです。

しかし、人類の歴史を振り返れば世の中を本当に変えようとする思いは、政治的な手段や経済的な手段ではないことを理解しなければなりません。

安全で公平で公正な社会を望むなら、まずは心静かにして、これまでの社会システムを構築してきた価値観を見直し、不要なもの、役に立たなくなったものを手離し、その上で新しい価値観を創造することが大切だと思います。

つまり、一人ひとりの心の中にどのような社会を描くかにかかっているのです。

人びとの恐怖心や不安感が今日の息苦しい世界を形成しているのであるなら、それとは逆の、明るい未来社会を思い描き、それを多数の人が共有することで世界は一夜にして変わるはずです。

当ブログではこれからもそのお手伝いのために頑張っていく所存です。



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