ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

貴章愛、新潟愛

2009-07-01 22:32:46 | アルビレックス新潟
この1週間というもの、アルビレックス新潟のファン、サポーターは、気が気ではなかった。というのも、新潟の中心的な存在、FW矢野貴章(やの・きしょう)選手が、契約満了に伴い欧州移籍を模索していたからだ。

矢野貴章選手は、2006年から新潟に移籍。今は、押しも押されもしない新潟の顔である。
長身。端正な顔立ち。ポーカーフェイスでありながら、地震後の試合でのゴールを決めた時には、袖に縫い付けられた「がんばろう新潟!」を誇示するなど、熱い姿も見せている。
プレーの魅力は、FWとしてゴールを狙いに行く動きだけでなく、献身的な守備にもある。
さっきシュートしたかと思うと、直後の味方のピンチにはいつの間にか味方ゴール前に立ちはだかり、体を張って敵のシュートを防ぐ。
移籍してきた年には、なかなか決まらなかったシュートも、今シーズンは、すでに5得点を数えている。
先月、日本代表に呼ばれて彼がチームを離れた時、チームはナビスコ杯4連敗だった。
まさにアルビレックスに欠かせない中心選手である。

その彼が、代理人を通じて欧州移籍を検討していると聞き、新潟のファン、サポーターは、心の動揺を抑えきれなかった。
「現在2位の新潟の中心選手である貴章がいなくなったら困る、だから行かないでほしい」そんな単純なものではないのである。

新潟のファン、サポーターは、貴章にはもっと活躍してほしいと願っている。
日本代表、欧州移籍、結構じゃないか。とは思う。
…でも、何も今、急いでいなくならなくてもいいじゃないか。
まだ日本代表としての地位が確立したわけじゃないのだし、欧州に行っても活躍できるかどうかまだ力は未知数だし。
せっかく自分たちが応援してきた貴章が、花開こうとしている今シーズン。完全に花開かせてから、実力を完全なものにしてから行くことでも遅くないのではないか。
本音を言えば、新潟に残ってほしい。
でも、決めるのは、本人。決めるのは矢野貴章本人。
貴章が欧州行きを決断したら、オレたちは止めはしない。活躍を祈るだけだ。
そんな思いでいたはずだ。

下手をすれば最後の試合となる6月28日の名古屋戦。矢野貴章に自分たちの気持ちを伝えたくて、ホームNスタンドのアルビレックスのサポーターが作ったのは、写真のコレオグラフィ。
貴章の背番号11をハートでかたどったもの。
これを見て、思わず泣けた。
貴章は、これを見てどう思っただろう。
そのあと繰り返し歌われた「オメ キメレ 貴章」の歌。
貴章は、これを聞いてどう思っただろう。

あったかいなあ。あったかいよ、新潟のサポーター。

貴章は、今回のことについて、自ら次のようなコメントをアップしている。

「いろいろご心配をおかけしましたが、今回アルビレックス新潟との契約を更新することにしました。
まず、ここまでなかなか結論が出せずに、多くの皆さんにご心配をおかけしてしまったこと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
今回の一件で、僕自身とても悩み、考えました。
今日のご報告に至るまでの経緯と思いを説明します。
ひとりのサッカー選手として、海外でプレーするというのは、子供の頃からはもちろん今でも抱いている夢です。そして、W杯日本代表として選ばれるようになるためには、また、W杯でベスト4という目標を果たしていくには、自分自身がもっと成長して世界と戦える存在にならなくてはならないという想いもありました。
海外のクラブから具体的なお話もいただきました。
しかし、Jリーグがシーズン中である状況で、チームも今、リーグ戦2位という順位にあることを思うと、どうしても、今、この時期にチームを去るという決断をすることはできませんでした。
今は、アルビレックス新潟の一員として優勝目指して頑張りたいという思いでいっぱいです。
これからも、皆さんの心に響くようなプレーができるように精いっぱい頑張ります。」

これを読むと、新潟のサポーターの貴章愛の思いが伝わったように思える。
また、貴章も、それに応えて新潟愛を表したように思える。
うれしい結論だ。

今季の新潟残留を決定した貴章の、さらなるパワーアップ、さらなる活躍を願うばかりだ。
がんばれ、貴章! オメ キメレ 貴章!!

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