ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「二十二歳まで」(ダークダックス)

2020-05-16 22:02:21 | うた


ゴールデンウイークの新聞休刊日前日、ダークダックスのCD集の全面広告が載っていた。
ダークダックスは、私が生まれる前年の1956年7月、ロシア歌謡の「ともしび」でデビューした4人組のコーラスグループであった。
メンバー全員が慶應義塾大学経済学部出身であった。
その翌年1958年(昭和33年)から、1971年(昭和46年)まで、紅白歌合戦に14年連続で出場して歌っている。

懐かしいなあ、と思いながらも、私は、CD集を買うほどのファンではない。
しかし、第1集の曲目を見ていたら、あ、もう一度聴いてみたいなあと思う曲を見つけた。



それは、「二十二歳まで」という曲である。



ダークダックスが紅白歌合戦にもう一度出場したのは、1976年(昭和51年)であった。
そのとき歌った曲が、「二十二歳まで」だった。
もう44年も前の歌である。
この歌を、もう一度落ち着いて聴いてみたいと思ったのだ。
ところが、ベスト物などのCDにはなかなか収録されていない。
デジタル化されたものは、見つけられなかった。

それでも、新聞広告のCD集を購入しなくても、聴きたいと思った。
CDでダメなら、レコードにしよう、と思った。
幸い今の時代は、「ヤフオク」などを調べてみると、必ず見つかる。
「二十二歳まで」は、シングルレコードだけでなく、「父と娘」というLPにも収録されていることが分かった。
適度によさそうな条件のものを見つけ、購入し、やがて送られてきた。



早速聴いてみた。
そうそう、こんな詩、こんな曲だった、と思い出した。

娘の結婚式にあたり、式のことは覚えていないが、娘が生まれてから結婚するまでのことを思い出す父の歌だった。


0歳 女の子だというので 少々がっかりした
2歳 病気がちで 苦労をさせられた
4歳 幼稚園で一番美人だと 鼻を高くし
6歳 桜の下の 入学式の写真
8歳 ママとどうして結婚したのだと聞き
10歳 そろそろ風呂に入れるのがはばかられ
12歳 男の子の手紙が みょうに増えてきて
14歳 男女共学が 危険に思われる
16歳 ミス高校に選ばれて 苦労が増え
18歳 優しさあふれた女学生
20歳 結婚はしませんと 口ぐせのように言い
22歳 コロリと裏切って結婚してしまう


…こんなふうに、2年ごとに父としての娘の思い出が歌われている。

そして、始まりと終わりには、次の思いが繰り返されてる。

結婚式はいつ始まって いつ終わったのか
私は何も おぼえていないよ
思い出だけが 走馬灯のように駆けめぐり
私は ずっと 目を閉じていた


レコードを手に入れて歌詞を見て、詩を書いたのは阿久悠、曲を作ったのが森田公一だったと、初めて分かった。
なんと、あの「青春時代」を作ったコンビではないか!!
やはりいい歌を作るなあと思った。

詩を書いた阿久悠には娘はいなかったらしい。
それでも、父の思いで詩を書けるのだから、さすがだ。
彼にとっては、「あまり売れなかったが、なぜか愛しい歌」の一つだったらしい。
本人が、そのことを書いているものが、見つかった。

この歌を初めて聴いたときは、まだ私も19歳。
そのころには、将来、自分も娘の父になるとは思わなかった。
残念ながら(?)、自分の娘はこの歌のように結婚してしまうことはないまま、今に至っているのだが…。

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