もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

130102 四国八十八カ所お遍路激安(二千円)バスツアーに参加。一番~六番寺に参拝

2013年01月03日 01時39分25秒 | 日記


1月2日(水):

早朝に起きて旅行社のバスに飛び乗る、約60人の一行に、男の添乗員さんと、74歳の穏和で親切な権大先達のおばあさんが案内してくれた。

バスの車中で事前に、お遍路について説明を受け、
・四国遍路の作法とお経の意味についての薄い教本(これが実によくできている!)
・納札のための白いお札100枚束(市価250円)
・線香・ろうそくの詰め合わせ箱(これも250円ぐらいするだろう)
を支給された。

第1番霊山寺で、納経帳や白衣・輪袈裟など巡拝用物品の購入タイム(強制ではないので、俺は般若心経入りの桐の金剛杖2100円のみ購入)があり、太子堂で講話を受けて、いよいよお遍路開始である。

1竺和山霊山寺→2日照山極楽寺→3亀光山金泉寺→4黒巖山大日寺→5無尽山地蔵寺→6温泉山安楽寺 と巡拝したが、
 
まず門で頭を下げ、境内に入る。水で手を洗い、

本堂と大師堂それぞれで、ろうそく(できるだけ高い所)、線香(必ず3本を真ん中近くから;お大師さん、自分、行き倒れた方のため) 風が強いと点火が大変で、線香は折れやすい。

7~8分境内をうろうろすると、先達さんが、本殿の内外で場所取りをしてくれ、一行をまとめて、読経をさせてくれる。
・開経偈
・懺悔文
・三帰
・三竟
・十善戒
・発菩提心真言(三遍) おんぼうじしったぼだはだやみ
・三摩耶戒真言(三遍) おんさんまやさとばん
・般若心経
・十三仏真言(本堂のみ、本尊仏真言のみ:三遍)
 例:釈迦如来 のうまくさんまんだぼだなんばく
   阿弥陀如来 おんあみりたていせいからうん
   大日如来 おんあびらうんけんばざらだとばん
   地蔵菩薩 おんかかかびさんまえいそわか
   薬師如来 おんころころせんだぎまとうぎそわか
・光明真言(三遍) おんあぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたやうん
・大師宝号(三遍) 南無大師遍照金剛
・廻向 願わくは、この功徳を以って、あまねく一切に及ぼし、我らと衆生と皆ともに、仏道を成ぜん
・最後に各人の願い事を念じる
以上でワン・セットであるが、これを本尊のある本堂と、弘法大師のまつられてる大師堂の二カ所で必ず行なうので、各寺2回ずつで最低30分~40分は掛かるのである。

もちろん、門を出る時にも振り返って、きちんと礼(「ありがとうございました」)をする。

時間の節約のために、二番寺から三番寺に移動のバス車中でお弁当を食べた。意外と良い弁当(お茶缶付きで最低500円以上か)で驚いた。どう考えても採算は合わないだろう!

 バスの中では、お遍路の講義と次に行くお寺の説明、境内では、ツアーの案内・招集・勤行指導で小走りに駆け回っている権大先達のおばあさんに年齢を訊ねると74歳とのこと! 思わずこの先達に向かって合掌しそうになり、「お先達の姿が、もうお大師様そのものですよ」と声を掛けてしまった。お先達は一瞬「そんなことはありませんよ」という恥じらいの表情を浮かべたかと思うと、もうすぐに別のところに視線を移し、知り合いの方の方を向いて腰低く駆けだし、「ご無沙汰してます。お世話様です。云々」とやり取りを始めた。その後ろ姿を観て、齢74歳にして、最前線の現役で働ける彼女の頭の柔らかさと体の元気さに羨望の気持と畏敬の念で心の中で合掌した。このツアーで、この方(大先達)は間違いなく大きな貢献を果たしているのだ。人間にとって、仕事の生きがいが、お金を離れて如何に大きいかも教えて頂いた。

 先達さんが、よそのツアーについていくと、長崎とか福岡とかに行ってしまうので気をつけてくださいね。と念押しされたが、たしかにたくさんのツアーバスとツアーお遍路でいっぱいだった。やはり、若者は少なく、中年以上がほとんどだったが、みんな不思議なほど真面目に取り組んでいた。日本人って気真面目だよね。そもそも真言宗って俺の思い込みかもしれないが、すごくサービス精神の旺盛な宗派である。何と言っても諸仏・諸天に眷族まで大勢の仏さんがいて、お祈りの仕方もいっぱいあるんだよね。それに真言宗の寺院はどこもいろいろと趣向を凝らした伽藍が展開されている。南無阿弥陀仏や南無妙法蓮華経だけですむ本願寺さんや法華さんと違って、勤行・加持祈祷他あれこれいろんなことをやる必要がある。

 でも、真言宗はそれが大変なのではなく、むしろいろいろなことを課題として与えてくれることで信者に遊ばせてくれているということかなあ…、と思ってしまうのだ。戒律や勤行は人を縛るものではなく、人を退屈させず自由にしてくれるものかもしれない。念仏や題目だけでいいですよ!というのは、かえって時間をもてあましてしまうんだよね。キリスト教だって、簡素なプロテスタントより、ゴテゴテして複雑で怪しいカトリックの方が気楽そうだもんね。「(清廉な)牧師さん、すんまへん」とは言いにくいけど、「(悪徳もしてそうな)神父さん、すんまへん」の方が言い易そうだよね。ちょっと、悪のりしました。すみません。

 六つの寺で計12回の般若心経を大声で唱え、帰りのバスの中では、「本日最後の勤行です」と60名近い車中で、あの勤行のワン・セットが大声で繰り広げられた。おれも大声で唱えながら「今のこのバスの中の世界は、ちょっと病的だな。まるで、オームのカルトの世界だ」と思ってしまった。隣席の家内も、おかしくて笑いを噛み殺しながら、一所懸命に般若心経と真言を唱えていた。なかなかに面白い体験の充実した一日だった。

 今日一日で、随分疲労してしまったが、74歳の老大先達は明日も、全く同じツアーで徳島県に行くそうだ。そのバイタリティーに驚かされるとともに、「これこそがお遍路の最大の効用と言うべきだろう」と心の底から思った。そして、老大先達の一日でも長い生きがいある現役続行とご健康を祈った。

 八十八カ所はすでに足摺岬の第三十八番蹉跎山金剛福寺や室戸岬の第二十四番室戸山最御崎寺と 御厨人窟(みくろど)には車で参拝したことがある。

 バスツアーでは、やはり歩き遍路の醍醐味はないが、今回初めてお遍路の正式な参拝の仕方を学ぶことができたことと、お遍路にとって<先達の存在>の大きさを学べたのは大きな収穫だった。しかも、2千円である。見つけてくれた家内に感謝である。家内を有難いと思う。定年後の家内との歩き遍路を楽しみにしている俺にとっては、とっても貴重な体験だった。ただ、バスツアーでも結構疲れたので、ある程度以上の体力と健康管理の必要ということも、もう一つの学びとなった。

 定年を迎えて、絶対に歩き遍路、しかもシュラフを背負って、野宿をまじえてやりたいと思う。ただ、家内に野宿させるのは、ちょっと無理か…とも思う。難しい所だ。

※もう少し文章を整えられたらまた直しておきます。

※1月3日(水):発心の阿波→修行の土佐→菩提の伊予→涅槃の讃岐
録画しておいたNHKドラマ「ウォーカーズ」(2006年)を久しぶりに観た。改めて観直すとお遍路の要所を上手に押さえたとても良くできたドラマだと思った。

※1月4日(木):ちょっと意地悪な計算。

 四国八十八ヵ所ツアーバス全十三回のHPを見て、参加費用の総計を計算してみました。

1回 2000 円 ~ 2000 円(日帰り)
2回 4980 円 ~ 6980 円(日帰り)
3回 6980 円 ~ 7980 円(日帰り)
4回 19980 円 ~ 30980 円(1泊2日)
5回 21980 円 ~ 31980 円(1泊2日)
6回 21980 円 ~ 31980 円(1泊2日)
7回 22980 円 ~ 34980 円(1泊2日)
8回 22980 円 ~ 32980 円(1泊2日)
9回 23980 円 ~ 33980 円(1泊2日)
10回 23980 円 ~ 33980 円(1泊2日)
11回 23980 円 ~ 33980 円(1泊2日)
12回 23980 円 ~ 33980 円(1泊2日)
13回 6980 円 ~ 7980 円(日帰り)

総合計 226760 円 ~ 323760 円
(13回目は高野山へのお礼参りです。)やっぱり、全部となるとそれなりに掛かりますね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 130101-2 「朝まで生テレビ... | トップ | S130104 5805昭電線HD »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事