もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

6 039 佐藤勝彦「眠れなくなる宇宙のはなし(増補改訂版)」(宝島社:2016)感想4+

2017年03月18日 13時22分06秒 | 一日一冊読書開始
3月18日(土):  

著者71歳(1945生まれ)。宇宙物理学者。

285ページ     所要時間2:55    図書館→アマゾンで古本1円(+送料257円)で注文。

本当に分かりやすくて読者に親切な本である。難しい数式はほとんど出てこない。「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」(井上ひさし)を実践した内容である。内容は、天文学(宇宙観・神学的世界観)の歴史現在の最先端の宇宙論までを過不足なく熱く語ってくれている。

思うに著者には、普通の人々の日常の生活に直接関わることのない宇宙物理学で、重要な学説・理論を証明するために必要な観測施設・設備を整えるためには途方もなく莫大な研究予算を必要とする。日本における研究を世界トップクラスで維持するためには、その莫大な研究予算に対する国民的同意・支持がどうしても必要だ。そのためには一人でも多くの国民に研究の内容と意義を理解してもらいたい。著者はこの分野の長老として自らその宣伝広報役を務めようという自覚があって本書を著したのかなと思う。

だからこそ俺は、本書を十分に楽しめた。読みやすかった。天文学・宇宙論の「テキストとして、また世界史の科学史分野の「タネ本として大いに推薦します。

【目次】第1夜 ひとはなぜ宇宙を想うのか/第2夜 神の手による宇宙の創造/第3夜 合理的な宇宙観の誕生/第4夜 天動説から地動説への大転換/第5夜 広大な銀河宇宙の世界へ/第6夜 ビッグバン宇宙論の登場/第7夜 新たな謎と革命的宇宙モデル/特別夜 宇宙が生まれた音を聴く~重力波のはなし~

【内容紹介】分かっているのはたった5%。古代インドの宇宙観から、最新・重力波の初観測まで
宇宙論の決定版ロングセラーが装いも新たに増補改訂版として刊行されます。古代インドの奇妙な宇宙観から、コペルニクスによる宇宙像の大転換、そして最新のブレーン宇宙論まで、人間が宇宙の真の姿をひもといてきた様子を物語のように描きます。長崎訓子さんの味わい深いイラストも必見です。さらに2016年に発表された「重力波初検出」の衝撃をどこよりもわかりやすく解説します。 宇宙論の権威、佐藤勝彦氏が再び贈る最高傑作!
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