575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

水の地球すこしはなれて春の月    正木ゆう子

2010年03月13日 | Weblog
私の好きな一句。
作者が、この句の誕生について、こんな風に書いていました。
ふるさとの九州に帰った時のことだそうです。

   

あ、月と地球がいま並んで太陽に照らされている、と気づいた。
郷里、熊本の江津湖の水神様の石段に座っていた時だった。
厳密にいえば、月と並んで夕日に照らされているのは、
地球ではなく私の顔なのだが、私はすなわち地球の一部である。

夕日は今しも金峰山の方に沈みかけて、赤光を増した太陽が
私の顔をあたたかく照らす。
気配を感じて振り向くと、東に月が上がっていた。

月も私も同じ様に太陽に顔をむけている。
もしも宇宙から眺めれば、地球と小さな月とが、
仲良く並んで太陽に照らされているのが見えるに違いない。

        (十七音の履歴書・正木ゆう子)

私は頭でつくるんですが、この句は実体験から生まれている。
そこが句の力になっているんですね。

                   遅足




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4 コメント

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はじめまして (ノア)
2013-04-28 21:01:20
宿題でこの句の鑑賞文を書くことになりました。
この記事に書いてあることは何を参考にしたものですか?
よければ教えてください
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多分 (遅足)
2013-04-30 11:27:49
(十七音の履歴書・正木ゆう子)
という本だったと思います。
あまり前のことなので・・・
記憶が定かではありません。
ごめんなさい。

返信する
俳句の意味 (フェアリー)
2013-08-05 13:24:52
この俳句の意味を教えてください
返信する
意味は (遅足)
2013-08-07 10:46:00
文字通りに理解すればよいと思います。
まず、水の地球と言っていますから。
頭のなかに写真でよく見る青い地球がみえてきます。
そして少し離れた距離に月が見える。
これは頭のなかでの想像です。
今は春。春の月と青い地球が並んでいる。
そんな景を想像してください。
句を素直に読めば、こうなります。

この句をつくった作者は地球のうえ日本の熊本にいます。
そこで春の月をみている。
その小さな一点から春の月をみている。
そこからカメラ(作者の視点)はズームバック。
九州、日本列島、地球と視野はずんずん大きくなって
ついに地球と月が並んでいるところまで・・・

意味を知りたいというのは、どう鑑賞したら?
という意味でしょうか?
それは感じたままで良いのではないでしょうか?

水の地球の色、春の月の色とか大きさ。
背景の宇宙の色などなど、句が言っていない部分を
それぞれ自由に楽しんでください。
あるいは人工衛星が飛んでいるのかも・・・









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