575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

2023年 575の会

2023年12月30日 | Weblog

今年も暮れようとしています。

一年間の兼題を振り返りトップ賞をまとめてみました。

その月の自由題のトップ賞も合わせて掲載しています。

 

1月「御降り」

 御降りや御籤くくる指赤し (竹葉)

 寒鰤や育ちし海の碧纏ふ (能登)

2月「佐保姫」

 佐保姫やこの世に淡き紅を差し (麗子)

 ぽつぽつと枝動きだす春隣 (晴代)

3月「たんぽぽ」

 たんぽぽの絮や冥土へひとり旅 (亜子)

 再会は戦なき世に雛納め (亜子)

 夫よ見よ切り過ぎ梅の咲き誇り (竹葉)

4月「春の星」

 野良しごと泥を落とせば春の星 (童子)

 隅櫓攻め落とさんと桜かな (麗子)

5月 「燕」

 廃校の長き廊下や燕来る (亜子)

 母の日や野良着ばかりの桐箪笥 (童子)

6月「キャベツ」

 渥美路や甘藍うねり波くだく (能登)

 甘藍の畝いく重にも剱岳 (童子)

 遠山のいよいよ遠く梅雨に入る (亜子)

 小さき田や早苗は少し曲がりおり (麗子)

 夕立や逢はぬと決めて猫と居り  (童子)

7月「日傘」

 街の熱ひだに折り込む日傘かな (晴代)

 来訪のわけにはふれず百合の蕊 (晴代)

 病む人のやや重たげな夏蒲団 (麗子)

8月「鳳仙花」

 垣根越し立ち話聞く鳳仙花 (麗子)

 源流の水を掬えば秋の音 (麗子)

9月「秋の虹」

 移りゆく色を集めて秋の虹 (能登)

 制限の見舞いの帰り秋の虹 (麗子)

 亡き父の表札下ろし蝉しずか (童子)

10月「秋燈」

 ひとり家の早めに点ける秋灯(あきともし)(能登)

 大空に雲のアートや今朝の秋  (亜子)

 雨うがつ穴へ木の実の落ち着きぬ (晴代)

11月「朝寒・夜寒」

 朝寒や膨らむ鳩に日は優し (竹葉)

 母さがすガザの幼女の夜寒かな (亜子)

 小春日に怪鳥のごと演習機 (郁子)

12月「北風」

 北風や縦一列の瞽女に刺す  (須美)

 過疎の村猫とぼとぼと山眠る  (泉)

  

年間トップ賞は

1位  麗子さん 7句

2位  亜子さん 6句

3位  童子さん 5句  でした! 

今年一年ありがとうございました。

来年もたくさんの秀句に出会えますように

 

 

 

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北風や恋人つなぎの手の赤く  郁子

2023年12月29日 | Weblog

今年も押し迫ったところに私の拙句で申し訳ありません。

とってくださった晴代さんのコメントに「恋人つなぎって???」とクエスチョンが三つも並んだからにはこの状況を説明せねばと思いました。(笑)

恋人つなぎとは、仲良しカップルが互いの指をからめあってしっかりと手をつなぐこと。お祈りをしているような形状となり、普通の握手より密着度が増すことから親密度も深まるというわけですね。

この句は私の前を歩いていた制服姿のふたりを見たままの描写です。

まだほやほやのカップルのようで、すれ違う人の目を気にしながらも手の方はしっかり恋人つなぎでした。二人を抜かすに抜かせず一定の距離をおいて後ろを歩く着ぶくれのおばちゃんが私。「えー!気づかれてない?お邪魔な私?」 この姿も笑える一句になりそうです。

須美さん: ほっこりする句。寒くても手袋はせずポケットに手も入れず仲良しはいいな。

ありがとうございました。

 

その須美さんが「アルファベットを利用し面白い」と選んだのが

 北風よjk膝出しMac食う  童子

jkはJKと大文字で良かったかもしれませんね。ご存じと思いますが

女子高校生のことを(Josi Koukousei ) の発音から「J」と「K」を抜き出して言います。

この句からは寒さをものともしないJKの頼もしさを感じます。でも居場所をもとめて街角にたむろする若者が犯罪に巻き込まれるケースが増えているのも事実です。

寒空の下、何か満たされぬものを感じて家にも帰らずうろうろしている若者がいるのかと思うと胸が苦しくなります。年末ならなおさら。何か希望の灯をともしてあげられれば。。これも大人の責任なんでしょうね。  

今年一年ありがとうございました。  郁子

 

 

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赤と黄色散らして北風白く吹く  遅足

2023年12月28日 | Weblog

赤と黄と白という三色を使った遅足さんの巧みな一句。北風が白く吹くという表現が斬新でした。風に色はないけれど「北風白く」が雪を思わせ効いていると思いました。上五は「赤と黄を」としてはいかがでしょうか?

千香子さん:敷き詰めた落ち葉を色で表現しているところが成るほどと思いました。 

       ★★★

北風は木の葉を散らし巻き上げます。そんな様子を詠まれたのは晴代さんの句。

      北風や木の葉吹き上げ吹き散らし

「吹き散らし」がなかなか言えそうで言えないと思いました。

そして北風は大きな葉をも吹き散らします。佐保子さんが詠まれました。

      北風や木蓮の大きな葉散らす音 

確かに我が家の庭にも大きな木蓮の葉が落ちてガサガサと音を立てていました。

北風と木の葉。切っても切れない関係ですね。そこにどんなひねりや発見があるか

簡単そうで難しいお題でした。来年もどんな句が生まれるのか楽しみです。

年末年始は穏やかで北風も吹かないようです。皆さま今年もお世話になりました。どうぞ、よいお年をお迎えください。 麗子

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北風の魔法がかかる吹き溜まり  麗子

2023年12月22日 | Weblog

北風といいながら、肌を刺すような冷たい風が吹きつけるのとは少し違っています。北風がちちんぷいと魔法をかけたら、吹き溜まりの木の葉が生き物のようにくるくるくると舞い上がる楽しい景を想像させます。

能登さん:吹き溜まりはどうしてできるのか。なぜこの場所なのか。魔法のように感じますね。

泉さん:落ち葉はなぜか風によってある場所に集められる。

童子さん:魔法がかかるが効いています。

竹葉さん:落ち葉をひと所に寄せ集めた吹き溜まりが、誰かが掃き寄せた様な不思議さがあることから「魔法の掛かる」という表現をされたことは、北風の強さを感じ惹き付けられました。

遅足さん、容子さんもとられました。私も大好きな句です。

作者は、ディズニーアニメの「アナと雪の女王」にでてくる魔法でできた雪だるまの「オラフ」を思ったそうです。

シンデレラがドレス姿に変わる時もくるくるとつむじ風のような中から現れたような。。

忘れ去られた隅っこの吹き溜まりの見方が変わるような優しい視点の秀句だと思いました。

 

「北風と太陽」どちらで生きていく 容子

 

勝手にファンタジーつながりにしています。懐かしいイソップ童話の教訓を思い出しました。

須美さん:北風になるか太陽になるかは時々考える問題です。

泉さん:今の世界の国々を感じさせる。

確かに紛争の解決として力づくで押し切る北風的手法はいただけません。

私もいただきました。句意はお聞きしていませんが何か自戒の思いもあるのでしょうか。

人生のいろんな局面において、どのように対処して進むべき道を選択していくのかの問いかけもあるのでしょうか。

読み手にによって広がる一句です。  郁子

 

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北風や縦一列の瞽女に刺す  須美

2023年12月21日 | Weblog

今年最後の句会のお題は「北風」でした。句の締め切りの頃はまだ暖かく体感的に北風の句を作るのが難しかったことと思います。

そんな中10票を獲得した圧巻の須美さんのこの句。

瞽女さんのことはあまりよく知らなったのですが、盲目の女性が一列になって演奏しているのでしょうか?北風に吹かれる様子は何とも辛く悲哀に満ちている気がしました。「刺す」という表現もこの世に生きる厳しさを物語っています。北風という兼題でこのような情景を描写された須美さんはすごいと思いました。

作者の須美さんは、秋田の美術館で斎藤真一の瞽女さんを描いた絵を見たそうです。「厳しい環境の中縦一列に並んで歩く瞽女さんの姿が心に残りました。」とのコメントがありました。恥ずかしながら私は斎藤真一さんのことを知りませんでした。

ネットで調べたら近藤さんは瞽女さんの旅姿と雪国の風景を多く描いています。昭和37年くらいから瞽女に惹かれて盲目の女性を描いています。その後越後に通い越後瞽女をテーマにした個展やエッセイを多く発表されています。確かに雪の中縦一列になって進む瞽女さんの絵画がありました。

 

皆さんのコメントです。

能登さん:瞽女の列に突き刺さる北風、その背景に荒れる日本海。映画の1シーンのようですね。

郁子さん:縦一列の瞽女なんてなかなか出ません(漢字変換も) 向かい風の中行く姿がくっきりと・・日本海の景色でしょうね

童子さん:大好きな斎藤真一の越後瞽女の作品にある、力強さや悲しさを思い出されてくれる句です。縦一列が良いですね。

千香子さん:1枚の絵を見ているような印象です。昔

瞽女を主人公にした演劇を見たことを思い出しました。

亜子さん:瞽女さんは今はもう存在していないと思います。作者は映像か写真か何かで瞽女さんをご覧になったのでしょう。北風の中、列になって進むという瞽女さんたちの強くたくましく生きていく姿。苦労がしのばれるが、歴史を物語る一句。「瞽女を刺す」ではなく「瞽女に刺す」という助詞一つの使い方も高度な感じがする。

竹葉さん:何人位でしょうか。見たことは無いのですが、頭に頭巾を被り白杖持ち白装束で必死に北風に向かう瞽女たちの姿が浮かび「瞽女。。刺す」の言葉で辛さをで表した、北風にぴったりの句だと思います。

          ★★★

童子さんはきちんと須美さんの句を解釈されていましたね。選句するにも知識が必要です。

それにしても一枚の絵画からこのような俳句が生まれることに感動しました。それだけの力ある作品だったのでしょう。

須美さんのトップ賞。今年の575の会の一年を締めくくるのにふさわしい秀句となったと思います。来年もこうご期待!                麗子

 

 

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12月「北風」結果発表!

2023年12月20日 | Weblog

2023年12月兼題「北風」

  1. 北風や縦一列の瞽女に刺す (須美)能登 竹葉 遅足 佐保子 麗子 郁子 千香子 容子 亜子 童子
  2. 赤と黄色散らして北風白く吹く (遅足)佐保子 麗子 千香子
  3. 北風や社の楠の保存木 (千香子)佐保子 亜子 晴代
  4. 「北風と太陽」どちらで生きていく (容子)郁子 須美 泉
  5. 北風の魔法がかかる吹き溜まり (麗子)能登 竹葉 遅足 郁子 容子 泉 童子
  6. 北風や木の葉吹き上げ吹き散らし (晴代)麗子
  7. 北風や木蓮の大き葉散らす音  (佐保子)
  8. 北風よ自転車軽く帰路につく (泉)晴代
  9. 北風や足らざる情け詫びる墓 (竹葉) 千香子 亜子
  10. 北風や恋人つなぎの手の赤く (郁子)晴代 須美 
  11. 北風や月を横切る雲速し  (亜子)能登 容子 泉 
  12. 犬鷲の親子ようやく北風(きた)に乗り (能登)竹葉 遅足 童子
  13. 北風よjk脚出しMac食う (童子)須美

 

自由題

  1. 祈るほかなきこと祈り注連飾る (亜子)能登 竹葉 佐保子 麗子 千香子 容子
  2. 年末に重ねて綴じる事件事故 (容子)
  3. 決断を認めてくれる冬の虹 (麗子)能登 遅足 晴代 亜子 童子
  4. 冬日向スマホあれこれ白髪寄せ (晴代)竹葉 佐保子 郁子  千香子 須美
  5. 葬儀・墓いかにすべきか暮易し (佐保子)晴代 郁子 千香子
  6. 落ち葉にはいはい若き保育士の眼 (千香子)泉
  7. 年の暮れ我が背超えたる庭木かな (竹葉)容子
  8. 焼肉はしばらくやめよう煤はらい (郁子)麗子 晴代 泉 童子
  9. 時雨るるや白足袋汚れの気に掛かり (須美)泉
  10. 冬麗の白山高志の野に浮かぶ (能登)遅足 亜子
  11. 過疎の村猫とぼとぼと山眠る (泉)能登 竹葉 佐保子 麗子 郁子 須美 亜子 童子
  12. 臥す妹が水飲みたいという12月 (童子)遅足 容子 須美 

     

     

今年を締めくくる師走の「北風」句会

トップ賞は

兼題  須美さん(ダントツです)

自由題  泉さん   でした。

おめでとうございます 

 

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「北風」句会の投句が揃いました。

2023年12月19日 | Weblog

今年最後の句会です。いろんな北風が吹きました。明日の結果をお楽しみに!

兼題「北風」

①      北風や縦一列の瞽女に刺す 

②      赤と黄色散らして北風白く吹く 

③      北風や社の楠の保存木 

④      「北風と太陽」どちらで生きていく 

⑤      北風の魔法がかかる吹き溜まり 

⑥      北風や木の葉吹き上げ吹き散らし 

⑦      北風や木蓮の大き葉散らす音  

⑧      北風よ自転車軽く帰路につく 

⑨      北風や足らざる情け詫びる墓 

⑩      北風や恋人つなぎの手の赤く 

⑪      北風や月を横切る雲速し  

⑫      犬鷲の親子ようやく北風(きた)に乗り 

⑬      北風よjk脚出しMac食う 

 

自由題

①      祈るほかなきこと祈り注連飾る 

②      年末に重ねて綴じる事件事故 

③      決断を認めてくれる冬の虹 

④      冬日向スマホあれこれ白髪寄せ 

⑤      葬儀・墓いかにすべきか暮易し 

⑥      落ち葉にはいはい若き保育士の眼 

⑦      年の暮れ我が背超えたる庭木かな 

⑧      焼肉はしばらくやめよう煤はらい 

⑨      時雨るるや白足袋汚れの気に掛かり 

⑩      冬麗の白山高志の野に浮かぶ 

⑪      過疎の村猫とぼとぼと山眠る 

⑫      臥す妹が水飲みたいという12月 

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枯紫蘇を抜けばピチパチ実の爆ぜる  佐保子

2023年12月15日 | Weblog

11月句会よりトリを飾るのは佐保子さんの秀句です。年用意のお庭仕事だったでしょうか。

 私事になりますが、数々ある片付けの中でも庭は最難関。11月から始めておけばこんなに慌てなくてもいいのだろうなと毎年思います。「どうせ枯れて土に戻るんだからほっとけばいいんじゃないの?」という夫の言葉がさらにやる気をなくします。

 竹葉さん: うちも紫蘇をのこしてますが、引き抜くと土が爆ぜるのと一緒に実も爆ぜてるのですね。引き抜く勢いが「ピチパチ」で表されて、小気味よいリズムを感じました。

須美さん:ピチパチが面白い。

晴代さん:ピチパチが快い響きです。

泉さん:のどかな秋の感じがする。

亜子さん:紫蘇を抜くという経験はしたことがないが珍しい一句。実が爆ぜるという表現に驚きと興味をそそられました。

能登さん:知りませんでした。紫蘇の実の爆ぜる様。面白い。

私もいただきました。ピチパチのオノマトペで 音だけでなく感触が伝わりました。

 

そこで思い出した郁子の拙句。

 枯れ葛(かずら)抜けば末期の高笑い (2012・11月)

 

もさもさの庭。やっかいに巻き付いた葛を引き抜くと葛は末期の悲鳴。そして私はしてやったりの高笑いということだったと思います。

10年以上も前から苦戦をしていたことがわかります。でも思えばカワイイ高笑い?

争いごとや人々の不幸をよそに笑っているのではないのですから。  郁子

 

 

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分け入って紅葉の山の蒸留所  容子

2023年12月14日 | Weblog

この句を最初に見た時、京都の山崎の蒸留所を思い浮かべましたが、山梨あたりかも知れませんね。「分け入って」が山の奥深いところにある感じでとても雰囲気があります。こんな句を作ってみたいと思いました。赤く色づいた紅葉とウイスキーの色が重なって見える気もしました。

晴代さんも「蒸留所って静かな所にあるのでしょうね。分け入ってが静かさを表しています。」というコメントを下さいました。佐保子さん、遅足さんも採られています。

確かお酒が強かった容子さん。きっとおいしいウイスキーを試飲されたことでしょう。またどこの蒸留所に行かれたのかわかったらお知らせしますね。              麗子

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小春日に怪鳥のごと演習機  郁子

2023年12月08日 | Weblog

自由題に寄せられた飛行機二句のコメントを紹介します。

まず穏やかな晴天の空に自衛隊機が低空で旋回し不穏な気持ちにさせられた私の句です。

 

竹葉さん:うちの近くには自衛隊の演習場があり、時々オスプレイなど飛んでいます。うららかな小春日和には全く似合わず恨めしい気持ちが「怪鳥のごと」で上手く表されてると思いました。

千香子さん:最近戦闘機みたいな飛行機の爆音が多くなった気がしています。

晴代さん:ほんとに怪鳥のようです。

麗子さん:演習機を怪鳥と見立てたところがすばらしいです。ブルーインパルスの句を作った私はこの句を見た瞬間、思わず「負けました。。。」

亜子さん:自衛隊の演習機でしょうか。同じ飛行機でもこのような演習機は戦争を思い出してしまい胸騒ぎがする。

童子さん:戦闘機という怪鳥を想像しました。パレスチナ問題の報道が絶えない中、勝手に小春日との取り合わせが凄いなと思いました。かの地に小春日和のような幸せが早く戻りますように。

佐保子さん、遅足さんもとってくださいました。ありがとうございます。

 

 冬晴れやブルーインパルス空を裂く 麗子

 

須美さん:空を裂くがよい。まっ青な空をブルーインパルスが高速で飛ぶ様が伝わる。

童子さん:気持ちがスッキリ晴れやかになります。

私もいただきました。表現の冴える爽快な一句と思いました。

 

表題の句に戻りますが

穏やかな陽の光にきらめくビル群。触れんがごとく飛ぶ演習機にいろいろ考えさせられました。

ちょうど太平洋戦争開戦から82年。いまだ世界中で理不尽な紛争が絶えることがありません。穏やかで平穏な暮らしが、ある日一転して阿鼻叫喚の地獄になる脆さを感じます。武力に勝るものがモノを言う。こんなに時がたっても人間は次のステージには進めないのですね。  郁子

 

  戦争は誰が正しいかを決めるのではない。

 誰が生き残るかを決めるのだ。  By バートランド・ラッセル

 

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母さがすガザの幼女の夜寒かな  亜子

2023年12月07日 | Weblog

イスラエル軍とハマスの戦闘は開始から2か月が経ちました。ハマスによるとガザではこれまでに1万6000人を超える人が亡くなっているとのこと。うち4割が子供で3割が女性という報道がありました。病院は負傷者であふれ新生児も保育器から出されている映像など目を覆いたくなる惨状です。物資も少なく、感染症も広がっているようです。どうして数日間停戦が出来て、戦闘そのものをやめることはできないのでしょうか?先の見えない戦闘。どうしたら何もわからない子供たちを救ってあげられるのでしょう。寒い夜空の下、母を探す幼女の姿。俳句としてこんな悲しい句はありません。亜子さんは自由句でこの句を作られました。やるせない気持ちが伝わって来ます。ガザもそうですが、ウクライナもどうなって行くのでしょう。人間はなんと愚かな生き物か。。。でもこの戦争を終わらせるのもまた人間なのです。

竹葉さん:ガザのニュースは他の戦争と同様に寒々とした映像に心が凍ります。なかなか俳句には出来ませんが「夜寒」の季語にピッタリの句ですね。

千香子さん:このひどさを何とか詠めないかと思っていたのでとてもよいと思いました。

須美さん:あまりにも残酷あまりにも悲しい。

能登さん:どうにかならないものか。人間の愚かさの極み。やり切れぬ思いの共感を込めて、選びます。

郁子さん:ガザのニュースはこころが痛い。

         ★★★

皆さんガザの惨状に心を痛め、なんとかしたいと思いながらも何もできないやるせなさ。そんな気持ちでこの句を選句されたのだと思います。以前、遅足さんがハッピーな時より苦しい時の方が俳句が詠めるとおっしゃっていました。心のもやもやを鎮め心を写してくれるのですね。

とにかく母親を亡くす子供をもうこれ以上増やしてはいけません。暖かい安全な部屋で夜を過ごさせて欲しいです。麗子

 

 

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枕もと汽車の音(ね)微か夜寒かな 能登

2023年12月01日 | Weblog

12月です。今年も残すところあと一か月。

「いやだわー。またお正月がくるじゃないの!」と母はお決まりのようにぼやいていました。 その気持ちが今よくわかります。(笑)

今年やり残したこと、やらなきゃいけない年用意のことなどがふと浮かび、夜中に目が覚めてしまうこともあるのでは。

能登さんのこの句はもっとふわっと夢うつつの状態でしょうか。

 

千香子さん: 澄んだ秋の空気をぬってどこへ向う汽車か、、

泉さん: 空気が澄んで雑音も少ない夜、汽車の音も聞こえる。

佐保子さんもとられました。

 

    

もう一枚、毛布を足せばよかったかなどと目が冴えてくる寒い夜。妙に感覚が研ぎ澄まされ、普段気づかぬ音がたちます。

闇の中、二階で寝ている娘の布団から抜け出してトントントンと階段を下りてくる足音、、しばらくの沈黙のあとピチャピチャと水を飲む。

我が家の黒猫がどんな動きをしているか、まるで見ているように感じるのもこんな夜。このあと私の布団に潜り込んでくるはずです。  郁子

 

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