575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

深川探訪記  行き交ひし燕見ゆる芭蕉像    竹葉 

2023年05月27日 | Weblog

初夏の陽気に誘われて連休中に深川の芭蕉庵等を巡って来ました。

先ずは仙台深川の海辺橋南詰めの「採荼(と)庵」で芭蕉像に初対面しました。庵らしからぬ部屋のない障子の中は覗くことも出来ない作りでした。ただ、道に面して穏やかな顔の等身大の芭蕉の坐像がありました。採荼庵は芭蕉の弟子の一人杉山杉風の庵室で、芭蕉庵を引き払ってしばらくそこにいてから奥の細道の旅へ出発した所です。  

 

次は、そこから清澄庭園の脇を通り隅田川に注ぐ小名木川に架かる万年橋を渡ったすぐの住宅地に赤い幟が沢山立つ「芭蕉稲荷神社」がありました。ここは芭蕉遺愛の蛙の石が1919年台風の津波の後に出た場所で、この辺りが芭蕉庵のあった所とされ「芭蕉庵跡」の石碑がありました。また「古池や。。」の句を詠んだ地で立派な句碑がありましたが、芭蕉とお稲荷さんの幟が合わない感じがしました。一時人々が芭蕉を神格化してそこを芭蕉稲荷神社にしたそうです。芭蕉庵にしてはあまりに狭いので、江東区は芭蕉記念館と別館を別に建てました。別館とは稲荷神社のすぐ近くの隅田川を見下ろす高台にあり「芭蕉庵史跡展望庭園」というこじんまりした場所で、芭蕉像や句碑一つ

「川上とこの川下や月の友」

やや小さい池と説明文がいくつがありました。芭蕉像は隅田川の向こうの都内の高層ビルを望む良い景色を昼間は見つめ、夕方向きを変えるそうです。

その後、近くの芭蕉記念館に行きました。なかなか趣のある門を抜けると狭いながら沢山の木が植わった庭があり、芭蕉が詠んだ句に出てくるヤマボウシやカエデなど色々な木が植えられ間に句碑もいくつかあり、鵯がよく鳴いていて癒されました。館内は丁度「芭蕉の肖像について」という特別展の最中で、2階に掛け軸やケースに様々な肖像画が展示されていました。大体は弟子が描き、帽子と和服の老人の姿で、中には頭髪のないのもありました。また芭蕉稲荷神社の場所で発見されたという石の蛙もありました。割合大きく黒ぽいものでした。

記念館から駅への帰り道、住宅のそこかしこに1m程の植物の芭蕉が家の前などに他の植物の鉢と並べてありまた。江東区がいかに力を入れ、住民も俳人芭蕉を盛り立てているかを知って芭蕉の偉大さを学ばないといけないと思わせられた良い1日でした。 竹葉

 

 

 

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 加速度を増して夕空燕飛ぶ  麗子

2023年05月26日 | Weblog

いただいた選句コメントからご紹介します。

能登さん: 燕の飛翔を加速度を増すと表現!素敵です。

須美さん: 勢いを強く感じる気持ちの良い句。

容子さん: 確かに、夕方、特に忙しくしている印象があります

郁子: 燕の飛ぶ様子をシンプルに言いえている。巣作りかエサを運んでいるのか「働き者だな」と  思わせる

泉さん:  燕が飛ぶ様子がわかる。

 

燕が空を飛ぶのはあたりまえ とどなたかがおっしゃるかもしれませんが

この句の良さは飛び方の表現であると思います。

早いに留まらず「加速度を増して」 がポイントです。

そして、一日が終わろうとしている「夕空」も効いています。

作者の話では、「鋭角」という言葉を入れたいと迷ったそうですが

 加速度(カソクド)という耳できいた音の印象(カ行+サ行)が

鋭角であることも含めたツバメの見事な滑空と動きを目の前に再現してくれます。

 

対角線切るや燕(ツバクロ)胸白し  竹葉  (2020・4月句会)

 この時の飛行表現も秀逸です。とても印象に残りました。

 

 燕やひらりひらりと町の中  正岡子規

こちらは軽やかさというか余裕も感じられます。住むのに良い物件場所を探しているのかな。

今年も我が家の向かいのお宅に燕が巣をかけました。郁子

 

 

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廃校の長き廊下や燕来る  亜子

2023年05月25日 | Weblog

燕句会いかがでしたか?

句会のお蔭で空に燕の姿を探す日々でした。しゅっと飛ぶ燕。二股に分かれた長い尾で巧みな飛行を見せます。背は藍黒色でお腹は白く、喉と額が赤いのが特徴です。泥や枯草を唾液で固めて軒先などに巣を作り、巣の中には黄色い口を力いっぱいひし形に開けるかわいい4,5羽の雛たち。子育てのために親燕が一日に何百回も餌を運びます。燕は前年と同じ場所に巣を作ることが多いようです。今回の句会では、そんな燕の様子をさまざまな角度から切り取ったように思いました。

そんな中で見事トップを射止めたのは亜子さんのこの句でした。

木造の長い廊下に燕が飛び交い、巣を作る様子がはっきりと目に浮かびました。廃校ということで燕にとっては邪魔されることなく巣作りができますが、子供が減って廃校というのはちょっと悲しいですね。子供がいなくなって燕も淋しく思っていることでしょう。

コメントです。

能登さん:映画の1シーンのようです。映像のくっきりした佳句。

晴代さん:子供が去り今燕の雛が賑やかな廃校です。

容子さん:「廃校」と「長き廊下」の組み合わせがビジュアルとして浮かびました。

泉さん: 最近、燕も巣作りしやすい場所が減った。古びた校舎は落ち着いて巣作りができる。

童子さん:長い廊下を走り飛ぶ燕の姿が鮮やかに見えます。もはや誰も訪れることのない廃校にもやってくる燕。子供たちで賑やかだった頃の風景までも呼び起こしてくれる素敵な句です♡

               ★★★

作者の亜子さん、以前、旅先の長野県でたまたま木造の廃校に遭遇したそうです。校内に入ることが出来たそうで、実際には燕はいなかったそうですが、子供がいないと廊下はさらに長く感じられたそうです。そんな景を詠まれました。

ちなみに燕は「人が住む環境に営巣する」という習性から人の出入りが多い家に巣を作ると言われ、商家では商売繁盛の印、縁起のいい鳥になっているようです。もしかしたら廃校の燕たちも子供がいなくなったので新しいにぎわいの場所に巣を移しているかも知れませんね。麗子

 

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5月 燕句会 結果発表!

2023年05月24日 | Weblog

「燕」

  1. 賑わいの 戻りし伊勢の つばくろめ (容子)麗子 佐保子
  2. 燕飛び平凡な日々戻るらむ (能登)遅足
  3. 廃校の長き廊下や燕来る (亜子)麗子 能登 晴代 遅足 容子 泉 童子
  4. はしる影つばめの雛の声の降る (遅足)竹葉 麗子 能登 晴代 佐保子 千香子
  5. 燕の子口はひし形命咲く(郁子) 佐保子 千香子 須美 亜子 童子
  6. 風を切る燕巣作り今年また (泉)
  7. 行き交ひし燕見ゆる芭蕉像 (竹葉)千香子 童子
  8. 燕飛ぶ我燕尾服着ること無し (須美)亜子 泉
  9. 雨もよい尾羽を二本みせ燕 (晴代)郁子
  10. 都会の路傍動かぬつばめ天仰ぐ (千香子)須美
  11. 街川に燕二羽翔ぶ鳴き交わし (佐保子)竹葉
  12. 加速度を増して夕空燕飛ぶ (麗子)郁子 竹葉 能登 須美 容子 泉
  13. 泥粒を咥えつばめの喉赤し(童子)郁子 晴代 遅足 容子 亜子

 

自由題

  1. 喉元に 哀しみのいる 五月かな(容子)郁子 麗子 能登 遅足 童子
  2. 燕の子顔をはみ出す口あけて (亜子)佐保子 容子
  3. 山若葉赤橙黄緑青藍紫 (能登)麗子 千香子 亜子
  4. 皮脱ぎし粉ふき若竹ぐいと伸ぶ (竹葉)能登 佐保子 須美 泉
  5. ここのみは人影のなし竹の秋  (佐保子)晴代
  6. 白小花きわだて園の夕長し (晴代)
  7. こしあぶらこごみたらの芽天つゆと (千香子)郁子 泉
  8. 牡丹散る母の面影よみがえり (麗子)遅足 千香子 亜子 泉
  9. 高熱のお医者さんごっこ春の風邪 (須美)晴代 容子
  10. プロ野球歓声戻る夏の夕 (郁子)童子
  11. 山藤に覆いつくされ小山どこ (泉)竹葉 須美
  12. あじさいの水をあつめてまず一花 (遅足)郁子 竹葉 佐保子 童子
  13. 母の日や野良着ばかりの桐箪笥 (童子)竹葉 麗子 能登 晴代 遅足 千香子 須美 容子 亜

     

   

「燕」トップ賞は 👑亜子さん

自由題は、先月に続いて大好調 童子さんでした。

 

 

 

 

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燕句会の投句が揃いました。

2023年05月23日 | Weblog

燕句会の投句が揃いました。この時期懸命に巣作りをする燕の姿には励まされるものがあります。いろんな燕の姿が登場しました。明日の結果をお楽しみに!

題詠「燕」

①      賑わいの 戻りし伊勢の つばくろめ 

②      燕飛び平凡な日々戻るらむ 

③      廃校の長き廊下や燕来る 

④      はしる影つばめの雛の声の降る 

⑤      燕の子口はひし形命咲く 

⑥      風を切る燕巣作り今年また 

⑦      行き交ひし燕見ゆる芭蕉像 

⑧      燕飛ぶ我燕尾服着ること無し 

⑨      雨もよい尾羽を二本みせ燕 

⑩      都会の路傍動かぬつばめ天仰ぐ 

⑪      街川に燕二羽翔ぶ鳴き交わし 

⑫      加速度を増して夕空燕飛ぶ 

⑬      泥粒を咥えつばめの喉赤し 

 

 自由題

①      喉元に 哀しみのいる 五月かな 

②      燕の子顔をはみ出す口あけて 

③      山若葉赤橙黄緑青藍紫 

④      皮脱ぎし粉ふき若竹ぐいと伸ぶ 

⑤      ここのみは人影のなし竹の秋  

⑥      白小花きわだて園の夕長し 

⑦      こしあぶらこごみたらの芽天つゆと 

⑧      牡丹散る母の面影よみがえり 

⑨      高熱のお医者さんごっこ春の風邪 

⑩      プロ野球歓声戻る夏の夕 

⑪      山藤に覆いつくされ小山どこ 

⑫      あじさいの水をあつめてまず一花 

⑬  母の日や野良着ばかりの桐箪笥

  

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博学の君の欠席春惜しむ  亜子

2023年05月19日 | Weblog

寄せられたコメントです。

竹葉さん: 去年まで元気で博学ぶりを見せてくれてた憧れの君が来ていない同窓会(?)の寂しさが「春惜しむ」の季語によく出ていい句だと思います。

能登さん: 同窓会でしょうか。あるあるですね。

麗子さん: 春は別れの季節。句友の欠席を惜しむ優しい気持ちにあふれた秀句だと思います。こういう挨拶句が俳句のすばらしいところですね。

千香子さんもとられました。

 

今年3月で退会された結宇さんへの挨拶句と伺いました。

結宇さんは実に博識で、この会への投句によって私は名所旧跡のゆかりや、句の背景などたくさん教えていただきました。読めない字など辞書をひいて調べたこともあり、瞬間は少々物知り気分を味わうのですが悲しいかな、私の脳内に定着しているかどうか・・

「大漢和辞典」など縁遠い私が今も印象に残っている句があります。

  図書館に諸橋漢和底冷えす  結宇

「諸橋漢和」なんてなかなか出ない言葉と思いませんか。

2012年2月句会の自由題でトップ賞でした。その時、同票でトップをとられたのが亜子さんです。

  閂(かんぬき)の音軋ませて冴返る  亜子

両雄並び立つ感じ。「君の欠席春惜しむ」は互いに認め合う句友である亜子さんの寂しさがさらりと詠まれているようです。

 

      

結宇さんとのメールやりとりの中からの話です。

3月題詠「たんぽぽ」が決まった頃に退会のお申し出を受けたので、たんぽぽ句会までということになりますか?とお伺いをしたところ

  蒲公英の咲くまで待てず別れかな   と返信がきました。

麗子・郁子の独断で投句として加えました。

コロナも5類に移行しました。体力、気力戻られましたらまた投句をお寄せください。 郁子

 

 

 

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菜の花は小さく揺れて無言館  童子

2023年05月18日 | Weblog

先月からまたこの575の会に復帰してくださった童子さん。兼題自由題ともトップ賞でお休みしていてもちっとも感性が衰えず、新鮮な刺激をまた送って下さることになりました。

長野県上田市の無言館へは三月に行かれたそうです。戦没画家慰霊美術館。童子さんからお写真が数枚送られて来ました。コンクリートの打ちっ放しの飾り気のない外観。ひっそりとした静かな木立の中にたたずんでいるように見えました。戦争で亡くなった若き画学生の声なき声が聞こえてくるようでした。実際には菜の花は咲いていなかったそうですが、黄色の菜の花が小さく揺れるという表現が若くしてはかなく散った命のようにも見えます。

竹葉さん:無言館に「小さく揺れて」がいい取り合わせだと思います。声に出されてなくても何か言いたげな感じがします。

須美さん:小さくが効いていると思う。

亜子さん:若くして戦争で亡くなった方々の絵はすばらしく、いろんなことを語ってくれる。菜の花がよく似合い、それが小さく揺れるということはそよ風が吹いている。亡くなった方を悼み偲ぶやさしいそよ風。

 

無言館のホームページを見たら館主の窪島誠一郎さんの言葉に

「あなたを知らない

遠い見知らぬ異国で死んだ画学生よ

私はあなたを知らない

知っているのはあなたが遺したたった一枚の絵だ」とありました。

無言の絵が多くを語っているのですね。私はまだ行ったことがないのでいつか必ず行こうと思いました。麗子

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隅櫓攻め落とさんと桜かな  麗子

2023年05月16日 | Weblog

夫の故郷、愛知県西尾市には小さなお城があります。歴史公園となっており隅櫓が復元されています。六万石の城下町ですが大河ドラマの影響でにわかに活気づき、家康と西尾の繋がりがわかる企画展なども催されています。そもそも今川氏発祥の地ということで今川町という地名も現存しています。桶狭間の戦いの後、今川氏から離れた家康が最初に落としたのが西尾城だと言われています。家康は三河一向一揆に苦しみながらもこの地を統治していきます。信長も秀吉も西尾(吉良荘)で鷹狩を行い、家康も鷹狩の時に西尾城に宿泊していたそうです。そんなお城の歴史を見つめ続けたのがお堀の桜でしょう。

満開の桜がお城を攻めるがごとく勢いよく咲いていました。そんな景色を詠みました。思いもかけず高得点をいただきました。ありがとうございました。

亜子さん:◎の句。名古屋城でもこのような満開の桜を見たことがある。石垣を登るような満開の桜は力がありエネルギーを感じる。

能登さん:桜の勢いを隅櫓を攻め落とすと表現。すばらしい。ただ、「攻め落とさんとす」とした方がいいのでは、とも思いました。

晴代さん:満開の桜の勢いがみえます。

須美さん:攻め落とさんとが面白い。桜の勢いを感じる。

泉さん:男性的な俳句で勢いを感じる。

郁子さん:満開の桜はすこし怖いくらいの圧を感じます。お城に桜はつきものですが、覆いかぶさるように咲くのであれば城ぜめといえそう。

            ★★★

もう一句桜の句をご紹介します。

      ふぶきおる去年の桜眼前を  竹葉

竹葉さんのこの句は何度も推敲されてなかなか納得の行くものにならなかったそうです。

投句が終わったあと、ふぶきおる去年(こぞ)の桜や眼前を

という句に落ち着かれたようです。上五の「ふぶきおる」にやや違和感があるものの忘れられない去年の桜を強調された面白い句です。

亜子さん:回想句として去年の桜を何とかして詠みたいという強い印象を受けました。未だに去年の桜を忘れられない強い思いが感じられました。

 

桜を詠むというのは難しいです。毎年同じ桜であってもその時々の心境で違ったものになりそうです。

来年はどんな桜の句が生まれるでしょうか?麗子

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春の星坂本九を知らぬ人  佐保子

2023年05月12日 | Weblog

坂本九を知らない人は、この句の面白さはわからないかもしれません。

それ誰っスか? 偉い人なんすか? なんて‥(笑)

逆に最近のアーティスト?というのですか。どう読むのかわからないこともあるのでおあいこです。

 

能登さん: 春の星見て・・上を向いて・・坂本九・・何、知らないの!の図、と受け取りました。

郁子: 坂本九なら「見上げてごらん夜の星を♪」ですね。知らない世代も増えましたが、通じる人と話すことにしましょう。

 

上を向いて歩こうにも星が登場していました。

 ♪上を向いて歩こう
  にじんだ星をかぞえて
  思い出す 夏の日
  一人ぽっちの夜

こらえた涙で星がにじんで見えたのですね。この気持ちは若い人とも共有できるかもしれません。

四月題詠「春の星」でトップ賞だった童子さんがお茶句会で

「春の星というと、うすぼんやりとしていてなつかしいイメージがあります。」とおっしゃった言葉・・なるほどと思いメモしていました。

あの日からかなり季節が進みました。

今夜は夏の星を見上げてみようと思います。  郁子

 

 

 

 

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同窓の君息災か春の星  晴代

2023年05月11日 | Weblog

能登半島に続き今朝は千葉でも大きな地震がありました。千葉にお住まいの竹葉さん、怖い思いをされたのではないでしょうか?被害のないことをお祈りしています。

 

さて晴代さんのこの句は春の夜空に懐かしい友のことを思い出されたのでしょう。「君息災か」でシンプルに相手のことを思い、どこか甘酸っぱい青春の思い出さえも感じさせてくれます。俳句で相手を思うという秀句だと思いました。

亜子さん:共感の句。同窓生がどんどん亡くなって寂しい。コロナ禍で同窓会も中止になったが春の星を見上げると亡くなった方を思い出しもするし、会えない人のことも思っている。

泉さん:しばらく会っていないがお元気でしょうか?という感じがします。

遅足さん。童子さんも採られています。春の星を眺めていると、ぼんやりとした過去の記憶がよみがえり、どこか温かい気持ちにさせてくれますね。

先日のお茶会のあと亜子さんからお手紙が来ました。やはり生で対面でのおしゃべりは楽しかったという嬉しい内容でした。そしてあらためて俳句の魅力について書かれていました。俳句の魅力はやはりその句座でのおしゃべり。たくさんの季語の存在。そして挨拶句というジャンルがあるということ。この三つだと書かれていました。これらが亜子さんにとって俳句とのつきあいで見出した宝物だと。

この晴代さんの句も会えない人への挨拶句といえますね。季語もぴったりはまった感じを受けました。

来月の句会は懐かしい人も参加してくれることになりまた新しい風が吹き込んできそうです。麗子

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春の星天上天下我独(ひとり)  遅足

2023年05月05日 | Weblog

お釈迦さまは生まれてすぐ7歩歩んで天と地を差し「天上天下唯我独尊」とおっしゃったという。

春の星が見ていたかもしれません。いや星が現れたのはキリスト誕生だったか。

 

  竹葉さん: 「天上天下我独」と勇ましい言葉の割に「春の星」とは謙虚そうな人柄の方かしら。。

  麗子さん: またたく星は孤独な夜を癒してくれます。星は遥かかなたに無限に存在。宇宙の大きさを思えば悩みも孤独も消えるような気がします。 漢字の多い句ですが、仏教の教えのような達観した境地が伺えます。

 

お茶句会で、佐保子さんから裏話をうかがいました。

遅足さんは最初、天上天下唯我独尊としていたのだそうですが、字あまりになると感じた奥さまの佐保子さんが、「我ひとり」の方がよいのでは?と提案されたそうです。遅足さんは迷い迷い、独尊か?ひとりか? やっぱり独尊か・・とつぶやきながらデイにお出掛けになったとか。(笑)

ちょっとのことでニュアンスが変わりますね。

我独りですと、毅然とした自我。もしくは寂しさを感じますし

唯我独尊とあればまさにお釈迦様になるので、花まつりの頃の春の星の淡くてぼんやりした星がクローズアップされるような気もします。

これはやはり唯我独尊がいいのかななどと話が弾み、さすが宗匠!その存在感で句座を活気づけてくださいました。

  

     

 

  月影を恋ふる浜辺の春の星   郁子の句です。

「実はよくわからなかった」と言いつつとってくださった童子さんに痛いところをつかれました。

目の前に三河湾の広がる宿に泊まった時の句ですが、実は感動したのは星より月明り。波頭を生き物のように浮かび上がらせる幻想的な景を

春の星にからめようと逆に実景に遠ざかる推敲になったことを反省します。素直なこころにポエムは降りてくるのでしょうね。

気づけば、いろいろなしがらみと形にしばられています。

今日はこどもの日です。    郁子               

 

 

 

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春の星サザンクロスよ宮古島  泉

2023年05月04日 | Weblog

星が大好きな泉さん。サザンクロス(南十字星)を旅先の夜空で探すそうです。オーストラリア、ニュージーランド、ペルーなど南半球でも夜空を見上げたそうです。ペルーのマチュピチュでは星が近くてすぐに見つけることができたとのこと。

北半球では見ることが難しいサザンクロスですが、日本では宮古島で見ることができたそうです。

俳句から実際に宮古島でサザンクロスをご覧になった喜びが伝わって来ました。私は見たことはありませんが南国の春の夜空が見えるようでいただきました。具体的にサザンクロスという言葉が入ったこともいいと思いました。

今回「春の星」という兼題で

「春の星しし座おとめ座うしかい座」

という春の大三角形の句がすぐにできたのですが、

単なる羅列でしかないかな?と思い

    街中のプラネタリウム春の星

という苦し紛れの句を作ったら得票なしでした(笑)

お茶会でこの句を披露したら佐保子さんから「それなら採ったわ」と言われていましました。やっぱりこねくりまわすとよくないですね。精進します。麗子

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