575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

白菜の樽土間上座鎮座して  童子

2024年01月26日 | Weblog

初句会「白菜」  漬物を詠んだ句のうちのひとつです

漬物の樽が身近にある暮らし。土間といってわからない子どもたちも多いことでしょうね。

作者童子さんは

「子供の頃、毎冬母の手伝いで白菜を漬けておりました。手が切れるくらい冷たくて、大嫌いな作業でした。そして白菜のお漬物は黄色いトコが大好きでした。今も笑」

と句に添えてくださいました。。

いただいたコメントです。

須美さん:土間上座鎮座してがユーモラス。白菜漬けの樽が並ぶ様子が目に浮かびます。

能登さん:白菜の漬物は場所も取り、主役級の存在感。でもまた、あのおいしい白菜漬けを食べたい。

泉さん:土間にいかにもどっかりと座をしめている感じがする。

亜子さん:作者のふるさとは広い土間のあるお家だったでしょうか。大きな樽が目に浮かびます。

 

 御影石は七キロ白菜漬ける  千香子

千香子さんもご自分でお漬物をつけていらっしゃるのでしょうね。

   泉さんは「 漬物石は大変重いが重いほど 美味しく仕上がる」とコメントしています。

 

童子さんの句に私も一票投じましたが

樽土間上座鎮座して という重厚な言葉選びの語呂が良く、句の中で漬物石のような役割をしているように思いました。 

  郁子

コメント (2)
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白菜や外葉剥がせば白光る  須美

2024年01月25日 | Weblog

初句会の白菜句会いかがでしたか?

白菜の重さ、形、漬物と角度を変えていろんな白菜が詠まれました。そんな中見事トップ賞は、12月に引き続き須美さんのこの句でした!!

畑の外葉が汚れ枯れているようにみえる白菜が、外葉を外せばみずみずしく白く光っている様子を詠まれました。いただいたコメントです。

 

竹葉さん:外葉は泥が付いたりして固くて剥がさなくてはなりません。ビタミンいっぱいで勿体ないな、と思いながら剥がしたら、美味しそうな白い茎が光っててあー、良かったという気持ちが伝わってきました。

晴代さん:つやつやしたこれぞ白という・白光る・の語が生きてますね。

能登さん:白菜を剥いた時の白は、特別に艶やかな白。シワっぽい白とは較べられません。

亜子さん:白菜の「白」と白光るの「白」が響き合って、白菜の存在感がよく表現されています。

         ★★★

 

私も採らせていただきました。外葉を剥がすという行為。そして中から現れた美しい白の葉。新鮮で目を見張ります。「白光る」がとても効いていると思いました。          麗子

 

 

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2024年1月「白菜」句会結果発表!!

2024年01月24日 | Weblog
  1. 白菜を両手に尻の重さかな (亜子) 遅足
  2. 白菜を漬ける父の手大きな手 (麗子) 竹葉 遅足
  3. 白菜の常なるカタチ仕舞いまで (郁子) 須美 佐保子 容子 麗子
  4. 白菜の豊かに重し大家族 (佐保子) 竹葉 晴代 千香子 郁子
  5. 白菜の四分の一カット並ぶ国 (容子) 遅足 千香子 童子
  6. 御影石は七キロ白菜漬ける (千香子) 泉
  7. 菜園の青き白菜巻き弱し (竹葉) 晴代
  8. ザクと割り白菜白く日に並べ (晴代) 須美 佐保子 能登 麗子 泉
  9. 白菜の樽土間上座鎮座して (童子) 須美 能登 郁子 泉 亜子
  10. 故宮にて小さき白菜いにしえと (泉) 童子
  11. 四つ割りの白菜余る我が家かな (能登) 千香子 容子 亜子
  12. 白菜は百歳までのお友達 (遅足) 佐保子 郁子 容子
  13. 白菜や外葉剥がせば白光る (須美) 竹葉 晴代 能登 童子 麗子 亜子

自由題

  1. 父の文字小さくなりぬ年賀状 (麗子) 須美 遅足 佐保子 晴代 千香子 郁子 童子 容子
  2. 磨かれし昭和の薬缶淑気満つ (亜子) 竹葉 遅足 佐保子 千香子 容子
  3. 初夢は円空仏に母の顔 (郁子) 童子 泉
  4. コロナ明け家族集ひてかるた取り (泉) 晴代 
  5. グーグルの虚無白菜のレシピかな (佐保子) 竹葉
  6. 能登地震つぶれし軒の注連飾り (能登) 竹葉 遅足 佐保子 晴代 郁子 童子 麗子 亜子
  7. なゐの神正月祝えぬ国にした (容子) 須美 能登 麗子 泉
  8. 寒がらす湯船波立ち地震(ない)わたる (千香子) 容子 亜子
  9. 年始地震(なゐ)輪島塗り椀抱き締めん (竹葉) 能登
  10. 避難所の空にもオリオン輝けり (童子) 千香子 能登 郁子 麗子 亜子
  11. 着ぶくれて気分アヒルの歩みなす (晴代) 須美 泉
  12. 斎場の読経掻き消す咳き込みや (須美)

 

トップ賞は

 兼題  須美さん

 自由題 麗子さん 能登さん 

  おめでとうございます 

 

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2024初句会・「白菜」が揃いました

2024年01月23日 | Weblog

お正月から思いもかけない大変な災害にみまわれ自由題は能登地震の句も寄せられました。

ブログをご覧になった方はお好きな句や気になる句を選んでコメントしてください。

 

兼題「白菜」

  1.  白菜を両手に尻の重さかな
  2.  白菜を漬ける父の手大きな手
  3.  白菜の常なるカタチ仕舞いまで
  4.  白菜の豊かに重し大家族
  5.  白菜の四分の一カット並ぶ国
  6.  御影石は七キロ白菜漬ける
  7.  菜園の青き白菜巻き弱し
  8.  ザクと割り白菜白く日に並べ
  9.  白菜の樽土間上座鎮座して
  10.  故宮にて小さき白菜いにしえと
  11.  四つ割りの白菜余る我が家かな
  12.  白菜は百歳までのお友達 
  13.  白菜や外葉剥がせば白光る

 

自由題

  1.  父の文字小さくなりぬ年賀状
  2.  磨かれし昭和の薬缶淑気満つ
  3.  初夢は円空仏に母の顔
  4.  コロナ明け家族集ひてかるた取り
  5.  グーグルの虚無白菜のレシピかな
  6.  能登地震つぶれし軒の注連飾り
  7.  なゐの神正月祝えぬ国にした 
  8.  寒がらす湯船波立ち地震(ない)わたる
  9.  年始地震(なゐ)輪島塗り椀抱き締めん
  10.  避難所の空にもオリオン輝けり
  11.  着ぶくれて気分アヒルの歩みなす
  12.  斎場の読経掻き消す咳き込みや

 

   575の会の結果は明日発表します。お楽しみに♡

 

 

 

 

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祈るほかなきこと祈り注連飾る  亜子

2024年01月19日 | Weblog

先日、近所の神社でどんど焼きが行われ、各家庭のしめ飾りやお札などを火にくべる仕事を手伝ってきました。

燃えるもの、プラスチックや金属など燃えないものを仕分けしながら、いろんな思いや祈りが青い空に吸い込まれていくのを見送りました。

憂いは年が明けても続きます。能登半島地震の災害支援金の募金箱には大勢の方が寄付しておられました。

寄せられたコメントです。

能登さん:今年一年祈ることしかないことが多過ぎたようですね 

竹葉さん:注連という漢字は知らなかったのですが平仮名ではない所が締まりがあっていいと思いました。

千香子さん:あまりに大きなことが多すぎた年でした 来年こそは

麗子さん:何もできなくて祈ることしかできないことが世の中にはたくさんあります。遠き戦地のことも災害地のことも、個人的なことも。来年は少しでもいい年になるように祈りをこめて注連飾りをする丁寧な暮らしぶりが伺えます。

 

丁寧に暮らしているといえば麗子さんもそのおひとりでしょう。新年のお写真を拝見しましたが年神さまを迎える用意は素敵です。

その麗子さんの句

  決断を認めてくれる冬の虹 

 

能登さん:冬の虹が「その決断でいいのよ」と言ってくれた、と思う乙女心?でしょうか。

亜子さん:冬の虹は空気が冷たいので鮮烈な印象を受ける。重い決断とくっきりした冬の虹が響き合っている。

他に遅足さん、晴代さん、童子さんもとられています。

「虹」だけならば夏の季語ですが、季節によって印象が変わりますね。

575の会の兼題にもなった「秋の虹」は色が淡くてすぐに消えてしまう。

「冬の虹」は時雨の空に出たり、荒海の暗い海から立ち上ったりします。作者は重くて辛い決断をしたのでしょうか。

大阪におられるお父さまのお見舞いの帰りに見た虹を詠まれたとききました。

  

ちなみに春の虹は、春初めに立つ虹で「初虹」というのがあります。綺麗な響きですね。

晩春の季語になり、夏も近いよという明るさがあります。七色だけに虹にはいろいろな顔があります。 郁子

 

 

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冬日向スマホあれこれ白髪寄せ  晴代

2024年01月12日 | Weblog

通信に関する技術はとてつもない速さで進んでいます。

戦後のどん底、マイナスから立ちあがり、インフラや家電設備などの飛躍的な進歩により、ボタンひとつであれこれできる豊かな暮らしを手にいれることができました。私の世代はまさにその恩恵とともに育った世代といえます。が、気づけば・・ちょっと無理をしないとついていけない時代の到来を感じることもあります。とくにスマートホン (笑)

竹葉さん:冬の日向の季語の暖かい語感を老夫婦が不慣れなスマホを頭を付き合わせてああでもないこうでもないと言ってる風景として詠むのは素敵だと思いました。

千香子さん:日向と白髪がよく合っていると思いました

須美さん:微笑ましい。白髪寄せは老夫婦でしょうか。

佐保子さん、私もいただきました。まさに時代を写し取っているように思いました。子や孫に聞きたいと思っても、聞くためにもある程度のレベルが必要です。負けず嫌いの姑は、こっそりスマホ教室に通っているようですし、我が家もここに関しては親子関係逆転です。

白髪世代はコミュニケーションツールをめぐってコミュニケーションをとるのです。

これはこれで素敵♡

 

  

今年最初の登板となりました。本年もよろしくお願いします。 郁子

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過疎の村猫とぼとぼと山眠る  泉

2024年01月11日 | Weblog

泉さんに「トップ賞本当におめでとうございました!!」とメールを差し上げたら

泉さん「今年、最後になんとか・・・・・うれしいです。最近、落ち込んでいたので少しやる気がでてきました。来年も調子にのって、それなりに頑張ります。よろしくお願いします。」とのお返事が来ました。

泉さんの故郷、綾部も過疎化が進んでいるようです。

「冬になると野良仕事もほとんどなくなる。家の中にいて外に出る人もなく、猫も元気なく歩き、村がひつそリしている」とのことでした。

この句はポイントはやはり中七の「猫とぼとぼと」だと思います。擬態語の「とぼとぼ」は元気なく弱々しく歩く様子。猫がとぼとぼと歩く。何ともわびしく過疎の村に合っていると思いました。また「山眠る」という季語ともぴったり合い、共感できる一句でした。

では皆さんのコメントをご紹介します。

竹葉さん:「猫とぼとぼ」が「山眠る」の季語からくる過疎の寂しさと人気のなさを際立たせてとても感銘しました。

能登さん:過疎の村の寂しさつのる風景。山眠るの季語が効いていると思います。

郁子さん:猫ちゃんいいですね。とぼとぼと歩いているつもりはないのでしょうが、ひなびた景色にぴったり。

童子さん:寒いからなのか老猫なのか、とぼとぼが過疎の村を強調し切ない。

須美さん:猫とぼとぼとが好き。季語も良い。

亜子さん:よくわかる一句。過疎の村は高齢化が進み、この先の不安が漂よう。猫までもとぼとぼと歩いて不安な様子。でもいつか山笑う時が来て欲しいという思いで〇をつけました。

       ★★★

2023年の詠み納めは、泉さんの快挙でますます今年が楽しみですが、なんと泉さん、年末に趣味のテニスで転倒してお怪我をされたとのこと。その後いかがでしょうか?どうぞお大事になさってくださいね。また、故郷綾部の句、テニスの句も期待しています。     麗子

 

 

 

 

 

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明けましておめでとうございます。  麗子

2024年01月04日 | Weblog

新年も4日目ですが、皆様明けましておめでとうございます。このブログをご覧の皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

穏やかな初日の出から一転、夕方に起きたお正月気分を吹き飛ばす能登地方の大地震。そして、その被災地へ救援に行くための海上保安庁の航空機に日航機が衝突するという大事故。満席の旅客機に死亡者が出なかったことが不幸中の幸いでした。地震でまだ救助を必要とする人が大勢おられることに心が痛みます。なんとか一秒でも早く救出されること、そして被災された方の日常が取り戻せるように祈るばかりです。

さて、今年の新年の初句会の兼題は「白菜」と決まりました。年末年始お鍋に大活躍した白菜。どんな俳句が集まるかまた楽しみにしています。

今日は今から12年前の2012年の初句会を振り返りたいと思います。

兼題は「福寿草」でした。

今の575のメンバーの初句会の句をご紹介します。

   福寿草米寿の人の話好き  晴代

   身の丈に合った日溜まる福寿草  郁子

   人の世のまさかの坂や福寿草 亜子

   どちらからともなく寄りて福寿草  遅足

   めでたさに毒を秘めたる福寿草 須美

いかがですか?こうやって振り返るとどの句もいいですね~。

そして私は

   福寿草心の融点見つけたり  

という句を作っていました。12年前の私は心の何かが溶けたのでしょうか?こんな句を作ったことも覚えていないのですが。。

今年は駆け込み投句ではなくもう少し推敲に時間をかけて作りたいと思います。

本年もどうぞよろしくお付き合いください。    麗子(年女です)                                

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