575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

わが眠る棺にそそげ黒ビール   遅足

2016年06月29日 | Weblog
句友であり同級生だった愚足さんを偲んで詠みました。

イギリスには魔女のラベルを使ったビールがあるそうです。
ヨーロッパでは、中世までビール作りは女性の仕事。
各家庭には伝統のレシピがあり、嫁入り道具は、
家の伝統のレシピとビール仕込み用の鍋でした。

ビールを飲ませる居酒屋(エールハウス)が繁盛するとともに、
ビール作りの得意な女性たちは、エールハウスの主人になり、
「エールワイフ」と呼ばれていました。

エールワイフは男性のアイドルでもあったようです。
反面、エールワイフは魔女のようにも考えられていました。
エールハウスによっては、分量を偽ったり、混ぜ物をしたり、
酔った客の財布が抜き取られることがあったからです。
そういったエールワイフへの刑罰は、分量をごまかしただけでも
火あぶりの刑に処せられるなど、特に厳しいものだったとか。

エールワイフの作ったビールを愚息さんに捧げる。
そんな気持ちで詠んだ句です。


コメント
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