東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

ジュニア数学オリンピックの簡単な問題(46)

2016-08-18 11:07:20 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

蒸し暑い日が続き、昨夜も寝苦しかったのですが、今朝、女子レスリングで3個も金メダルを獲ったので、蒸し暑さも吹き飛んでしまいました。日本人選手が大活躍して楽しいオリンピックです。間もなく閉幕ですが、寝不足に気をつけて一生懸命応援します。

さて、今回は2004年ジュニア数学オリンピックに出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「BC=3、CA=2、AB=4であるような三角形ABCがある。辺AB上に2点D、Eをとり、AD=1、∠ACD=∠BCEとなるようにする。線分BEの長さを求めよ。」
です。

初めに、図1のように、問題の図を描きましょう。


▲図1.問題の図を描きました

△BCDが二等辺三角形になるのが目につきますが、ここは∠ACD=∠BCEに着目して、三角形の面積比を利用するのが簡単そうです。

例えば、図2のように、∠P=∠Sである△PQRと△STUを考えます。


▲図2.1つの角の角度が等しい三角形の面積比は、その角を成す2辺の積の比になります

△PQRの∠Pを成す2辺の長さをPQ=a、PR=bとし、△STUの∠Sを成す2辺の長さをST=c、SU=dとします。

さらに、Rから辺PQに垂線を下ろし、その足をM、Uから辺STに垂線を下ろし、その足をNとすると、△PRM∞△SUNになり、PR:RM=SU:UNが成り立ちます。

ここで、RM=hとすると、UN=dh/bで、(△PQRの面積)=ah/2、(△STUの面積)=cdh/2bから、
(△PQRの面積):(△STUの面積)=ah/2:cdh/2b=ab:cd
が成り立ち、2つの三角形の面積比は、等しい角を成す2辺の積の比になります。

そこで改めて図1を調べてみると、図3と図4に示すように、1つの角の角度が等しい三角形の組が、△CADと△CBE、△CAEと△CBDの2組あることが判ります。


▲図3.△CADと△CBEで、∠ACD=∠BCEです



▲図4.△CAEと△CBDで、∠ACE=∠BCDです

そこで図5のように、CD=p、CE=q、BE=xとおいて、立式しましょう。


▲図5.CD=p、CE=q、BE=xとおきました

まず、△CADと△CBEの2辺の積の比と面積比から
CA・CD:CB・CE=AD:BE
で、
2p:3q=1:x
2px=3q
q/p=2x/3             (1)
です。

次に、△CAEと△CBDの2辺の積の比と面積比から
CA・CE:CB・CD=AE:BD
で、
2q:3p=4-x:3
3p(4-x)=6q         
q/p=(4-x)/2          (2)
です。

(1)と(2)から
2x/3=(4-x)/2
で、これを解いて、
x=12/7
です。

したがって、線分BEの長さは12/7で、これが答えです。


高校で三角関数を勉強すれば明解なことですが、1つの角の角度が等しい三角形の面積比が、その角を成す2辺の積の比に等しくなることを頭に入れておくとよいでしょう。

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