特待生と野球留学

「特待生」、「野球留学」、「アマチュアリズム」に焦点を絞って展開します。

2007年06月13日 | 脇村語録

まんざら、皮肉というわけでもないのですが…。

脇村高野連会長吊し上げ、辞任要求も…「自民特待制度小委員会」出席
(2007年6月8日06時02分  スポーツ報知 リンク先はGoogleのキャッシュ)
出席議員からは「野球だけ高野連として独立していなければならない理由は何なのか」「会長はもっと頭を柔らかくすべきだ」といった厳しい声が続出。さらに特待制度導入校の野球部長を解任した越権行為を指摘され、「高野連は大会の運営だけに専念すればいい」といった意見も出るなど、まさに「針のむしろ」状態だった。

せっかく政権与党の国会議員と面談するチャンスを得たのですから、脇村氏は次のように言うべきでした。

これこれの問題がある。この問題を放置してきたのは行政や立法の怠慢(不作為の責任)であって、もはや高野連ごとき一競技団体では手の施しようがない。ぜひ議員の皆さんの知恵を貸してほしい、と。

まあ、次のような共同電もありますから、それに近いことは言ったのでしょう。

評議員会に進退諮る 日本高野連の脇村会長
(東京新聞 2007年6月7日 12時40分 リンク先はGoogleのキャッシュ)
脇村会長は「会長は頭を柔らかくした方がいいと言われた。(特待制度問題の)背景などを説明したが、なかなかご理解いただけなかった」と話した。

「なかなかご理解いただけな」いのは、何をNGとしているのか伝わって来ないからです。「これこれ」の部分に何が入るのか、もう2カ月になろうとする今でもまだわかりません。もともと高野連様は朝日新聞がつくった組織であって、そこに毎日も噛んで来て、試合はNHKが全国中継するので、広報の必要がなかったわけです。

野球特待生の問題なのか、野球留学の問題なのか、勧誘の問題なのか、脇村氏の発言は一向に腰が定まりません。

さて、自民党の「高校野球特待制度問題小委員会」というのも、少しピントが外れているような気がします。政党が議論する場合、「高校野球」というくくりは必要ありません。むしろ、高校における特待生制度全体を広い視野で吟味すべきでしょう。

野球部だけでこんなにいるなら、ほかの部や学業特待生を加えると、全校生徒に占める特待生の割合が相当な比率になるはずだと思える高校もあります。「広く薄く」の考え方は否定できないでしょうが、どうもそういうわけでもなさそうです。

このブログでは、そこまで踏み込むつもりはありませんが、ここまで問題が広がってしまうと、まずは社会的な合意形成が必要になってきているはずです。その意味では、様子見を決め込む高体連の対応は「正しい」のです。

そろそろ、朝日や毎日は「行き過ぎ」の具体的な中身を語るべきです。学生野球憲章があろうがなかろうがダメなものはダメなのであって、「行き過ぎ」とはそうした性質のものでしょう。

知っていても書けないのは、高野連様の「一罰百戒」主義が背景にあるからです。「頭を柔らかく」という自民党議員の発言は的を射たものです。