4月28日の春季山梨県大会3回戦で甲府城西を破ってベスト8に進出したばかりですが、翌29日になって出場を辞退しました。実は、高野連様は25日に次のような内容の通知を各都道府県高野連に出しています。
特待制度問題:学生野球 高野連が「補足説明」 初日申告2校、試合処遇でも指針
(毎日新聞 2007年4月26日 東京朝刊)
日本高野連は同日、出場辞退があった場合の取り扱い方針についても各都道府県高野連に通知した。24日の日本学生野球協会緊急常務理事会で(1)抽選会後は相手チームが不戦勝(2)試合後は辞退校の勝利を取り消し、相手校に勝利を与える--との方針が決まっていた。新たに、24日以前に終了した試合については敗退校を復活させず、以後の時点で出場辞退の申し出があれば、棄権扱いとし、前の試合にさかのぼることなく、当該試合の相手校を不戦勝とする。
この結果、28日に山梨学院大付に敗れた甲府城西が“敗者復活”を果たしたわけですが、山梨ではすでに8強に残っていた東海大甲府と日本航空も出場を辞退しています。この2校が8強を決めたのは24日以前なので、こちらの2校に負けた相手チームは“復活”できません。
そして、東海大甲府と日本航空は準々決勝で「特待生」対決をするはずだったのですが、両校とも出場を辞退した(させられた)ために、30日におこなわれた準々決勝第1試合で日大明誠に勝った市川は準決勝不戦勝で自動的に決勝に進み、2校枠の関東大会出場を決めました。
さて、山梨学院大付の場合、他校とはちょっと様相が異なります。
高校野球特待生、山梨学院も憲章違反 県高野連に申告、春季大会を辞退
(山梨日日新聞 2007年04月30日)
山梨学院高によると、野球部を除く全運動部員を対象に同校の定める基準に応じて入学金などを免除する体育特待生制度があり、野球部員には同制度を準用して入学金、授業料、寮費などを減免していた。野球部員五十人のうち三十七人が減免を受けていて、中には経済的理由を抱える生徒を援助する目的も含まれるという。
「制度を準用して」が曲者です。野球部員を含めると憲章違反になることがわかっていたものと思われます。このように闇に潜るケースはほかにもあるかもしれません(あると考えるのが自然です)。特待生はダメというのが無理な話であって、その横車を通そうとすれば、どこかでこういうことがおこなわれてしまうのです。それならいっそ、「ここまでは許す」と認めてしまうことのほうが建設的であり現実的です。