特待生と野球留学

「特待生」、「野球留学」、「アマチュアリズム」に焦点を絞って展開します。

評議員【訂正】

2007年06月10日 | 脇村語録

05/28付「高野連新役員」のページにおいて、「評議員会は審議(諮問)機関の位置づけとなります」と記述していました。財団法人についての一般的な話なら、この認識でもいいのですが、高野連様の場合には事情が異なりますので、ミスリードをお詫びし、当該文言は削除します。

アマ4団体の寄付行為では、以下6点につき、次のように定められています。

A:理事の人員
B:理事の選出
C:評議員の人員
D:評議員の選出
E:会長の選出
F:寄付行為の変更

★日本野球連盟
A:17名以上20名以内(会長1名、副会長3名以内、専務理事1名以内を含む)
B:評議員会で選任
C:50名以上67名以内
D:理事会で選出し、会長が任命
E:理事の互選
F:理事現在数及び評議員現在数の各々の4分の3以上の議決

★大学野球連盟
A:22名以上26名以内(会長1名、副会長2名を含む)
B:評議員会で選任
C:43名以上50名以内
D:理事会で選出し、会長が任命
E:理事の互選
F:理事現在数及び評議員現在数の各々の3分の2以上の議決

★学生野球協会
A:17名以上21名以内(会長1名、副会長3名を含む)
B:評議員の互選
C:80名以内
D:(1)大学野球連盟で選挙した者、(2)高野連で選挙した者、(3)理事会で選挙した者
E:評議員会で選挙
F:評議員の3分の2以上の同意

★高野連
A:30名以上35名以内(会長1名、副会長4名を含む)
B:評議員会が選任
C:70名以上90名以内
D:(1)理事会による選任、(2)加盟団体=都道府県高野連による選任、(3)会長の指名
E:評議員会が理事の中から選任
F:理事現在数および評議員現在数各の3分の2以上の同意

会長の選任に関して、日本野球連盟と大学野球連盟では理事の互選になっていますが、学生野球協会と高野連様では評議員会で選任することになっています。また、寄付行為の変更に際して、学生野球協会では理事会の同意を必要としていません。

ざっくりと調べてみましたが、スポーツ関係以外では、評議員会でトップを選ぶ財団法人は見当たりませんでした。

財団法人社会保険協会:(会長)理事の互選
財団法人日本博物館協会:(会長)理事の互選
財団法人全国市町村振興協会:(会長)理事会が選任、(理事長)理事の互選
財団法人公正取引協会:(会長)理事会が推挙
財団法人明るい選挙推進協会:(会長)理事の互選
財団法人全国消防協会:(会長)理事の互選
財団法人国学院大学院友会:(会長)理事の互選
財団法人和歌山県暴力追放県民センター:(会長)和歌山県知事の職にある者
財団法人民事法務協会:(会長)理事の互選
財団法人堺市水道サービス公社:(理事長)理事の互選
財団法人アイヌ無形文化伝承保存会:(会長)理事の互選
財団法人公益法人協会:(会長)理事の互選
財団法人日本棋院:(理事長)理事の互選
財団法人日本相撲協会:(理事長)理事の互選
財団法人日本ハンドボール協会:(会長)理事の互選
財団法人日本オリンピック委員会:(会長)評議員会の推挙、(副会長)理事の互選
財団法人日本体育協会:(会長)評議員会で推挙し理事会で選任

高野連・脇村会長11月に進退「諮る」(リンク先はGoogleのキャッシュ)
(スポニチ 2007年06月08日付 紙面記事)
▼日本高野連評議員会 日本高野連の予算、決算や事業計画などを決定する最高意思決定機関。これに対し理事会は執行機関。また会長や副会長などの役員についても選任権を持ち、毎年2回の定例評議員会が行われる。現在、理事会や加盟団体から選任された評議員79人が在籍。

この記事の中(引用していない部分)で、脇村氏は「特待生問題では生徒は無過失である」と述べたとされています。脇村氏は以前も(特待生は)故意ではないにしても、責任はある」と述べています(→「選手にも責任?」)。

「無過失責任」は自賠責保険や労災保険などで被害者救済のために取り入れられている考え方ですが、特待生によって誰かが被害者になったわけではない以上、出場停止というペナルティを求める必要もなかったはずです。


諸団体一覧

2007年06月10日 | 憲章見直し

これだけの団体が入り乱れていたら、神奈川新聞の社説子でなくても混乱するものでしょう。<>内は、当ブログで用いている略称?です。

●社団法人日本野球機構<NPB、プロ>
いわゆるプロ野球の組織
●財団法人日本高等学校野球連盟<高野連
高校の硬式と軟式を統括
●財団法人全日本大学野球連盟<大学野球連盟>
大学の硬式(のみ)を統括
●財団法人日本学生野球協会<学生野球協会>
高野連と大学野球連盟の上部組織
●財団法人日本野球連盟<日本野球連盟>
いわゆる社会人野球(硬式)を統括
●全日本アマチュア野球連盟<アマチュア野球連盟>
日本野球連盟と学生野球協会で構成、JOCに加盟
●財団法人全日本軟式野球連盟<全軟連>
高校を除く軟式野球を統括
●財団法人日本リトル野球連盟<シニア>
通称リトルシニア、学校単位ではない少年硬式野球の団体、日本野球連盟に加盟
●財団法人日本少年野球連盟<ボーイズ>
通称ボーイズリーグ、学校単位ではない少年硬式野球の団体、日本野球連盟に加盟

以上、<全日本野球会議>のWebサイトに「日本野球界団体図」のページがあります。実際にはもっと複雑なんですが…。

このうち、学生野球協会はすでに歴史的役割を果たし終えており、今では邪魔にしかなりません。アマチュア野球連盟は、(プロが参加しない時代の)五輪出場のために便宜的につくられた組織ですから、学生野球協会の解散によって高校が外れたところで、深刻な影響はありません。

学生野球憲章13条をめぐる解釈が割れてしまった以上、高校は高校で高校野球憲章をつくり、大学は大学で大学野球憲章をつくればいいだけのことです。あるいは、次のような考え方もあるでしょう。

プロ・アマ球界ウラの真相(13) (スポーツニッポン07/05/22付5面)
すべてを統括した「日本野球憲章」を作れないか。今回の連載の最後に提言として記しておきたい。

なお、ほかに関連するスポーツ団体は次のとおりです。

●財団法人日本高等学校体育連盟<高体連>
高校競技を統括、野球は含まない。インターハイを主催
●財団法人日本中学校体育連盟<中体連>
中学競技を統括、軟式野球を含む。全中(全国中学校体育大会)を主催
●財団法人日本オリンピック委員会<JOC>
IOCの国内組織。アマチュア野球連盟が加盟
●財団法人日本体育協会<体協>
国内各競技団体を統括。国体を主催し、スポーツ少年団を組織。日本野球連盟と全軟連が加盟

特待生問題を高野連様だけで解決しようとするのは、最初から無理があります。