ドナーと面会1度きり 腎移植の病院、チェック体制なし 産経新聞(10/02 18:49)
愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院が実施した生体腎移植をめぐる臓器売買事件で、手術を担当した医師が臓器提供者(ドナー)の女性(59)と手術前に会ったのは、検査時の1回だけだったことが2日、分かった。同病院には臓器提供の是非を検討する倫理委員会がなかったことも判明。県警は、手術前のチェック体制に不備がなかったか、慎重に捜査を進めている。
手術を担当したのは院長代行の万波誠・泌尿器科部長(65)。
県警によると、女性は手術の約1カ月前の昨年8月、山下鈴夫容疑者(59)=臓器移植法違反容疑で逮捕=と、仲介をした松下知子容疑者(59)=同=の2人とともに同病院の万波部長を訪問。「わたしの腎臓をお兄さん(山下容疑者)にあげてください」などと話し、検査で血液型が一致するなどドナーとして適することを確認した。
その後は万波部長と会うことがないまま、手術の数日前に入院。昨年9月28日に摘出、移植手術が行われた。「インフォームドコンセント」(医者の十分な説明と患者の同意)も文書で行われなかったという。
生体腎移植手術は、患者が自らドナーを探し、手術を申し込むのが一般的で、今回もこのケース。病院側も「自己申告を信じるしかない」として、女性の身元を確認していなかった。
手術を担当した医師は、この病院が開院するまでは同市内の市立病院に勤務していたが、同様に手術を担当していたということで、疑惑は前病院にまでというコトですが、当然のことながら否定の会見を開いています。
しかし、臓器提供者の本人確認はやっていなかったということで、きっちりとした制度の構築が必要ではないかと思います。
それにしても、臓器提供者への報酬を約束どおりに支払わなかったために、そのことを警察に相談したために、法律違反が発覚したとは、何ともいえない事件でもあります。