時事通信より転載
ガス発生、一時退避も=岩の間に人、削岩機で救出―御嶽山捜索活動
時事通信 10月1日(水)20時41分配
御嶽山の噴火で、警察や消防、自衛隊による2日ぶりの救助・捜索活動が行われた1日。山頂付近の視界は良好で捜索に大きな支障はなかったが、有毒ガスの発生により一時退避するなど、二次災害に最大限の警戒をしながらの活動が続けられた。
同日の活動を終え下山した長野県警機動隊の山崎守隊長(53)らによると、火山灰が降り、若干の降雨もあったが、捜索の妨げとはならなかった。視界は良かったが、時折、噴煙で暗くなることも。有毒ガスの硫化水素が発生し、風向きを考慮して一時退避することもあった。
山頂付近では、直径2~3メートル大の二つの岩に挟まれた状態で数人の登山者が見つかり、消防隊が用意した削岩機を使って救出した。火口に向かってうずくまり、手で頭を隠した状態で、噴石と火山灰に埋もれていた人もいた。
この日の活動では35人を搬送し、発見されながら取り残されている登山者はいなくなった。山崎隊長は「本当ならきのう、同じことができればよかった」と、前日の活動中止を悔やんだ。関東管区機動隊松本小隊の林盛広小隊長(35)も「何としても、1秒でも早く救出したいという気持ちだった」と振り返った。
山崎隊長は「まだ行方不明者がいるかもしれず、100%任務が完了したとは思っていない」と話し、引き続き捜索に全力を挙げる考えを示した。