毎年、その年の新米を届けてくれる友人がいる。
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今日、わざわざ私の事務所まで
新米を持って来てくれた。
有難いことである。
私の事務所は、平日来られない
お客様の為に土日、営業している。
午後、出掛ける予定であった佐久市の
所用は、そんな訳で明日に延ばした。
この友人には、私が事務所を開業するにあたって
色々なアドバイスを頂いた。
友人の父上(故人)は、司法書士・土地家屋調査士
・測量士の3つの肩書を持つ士業でもあったので
その日常をつぶさに見てきた体験に基づく
貴重なアドバイスであった。
今、事務所の書棚に並ぶ専門書の一部は
その先生が使われた大切な本である。
使いこなされた専門書。
沢山の附箋がされ、中は
その時々の注意書きがびっしり
鉛筆で書きしたためられている。
本当は、彼自身がその本を引き継いで
使うのがふさわしかったのであろうが
残念ながら、その道を選ばなかった。
その村の云わば法律家としての顔を持つ
友人の父上のところには、様々な相談事が
来ていたようである。
土地の問題、お金の問題、相続の問題等々。
今、友人の顔は、その村の「法律家としての顔」
を継承しなかった分、何故か幸せそうな
穏やかな表情をしている。
本来、日常生活では垣間見れない
お客様の素顔に接し、真実を聞き、その問題の
解決を図るとは、並な気持ちでは務まらない。
司法書士・調査士・測量士の3士の肩書を
持った父。
それを敢えて継ごうとはしなかった友人。
今の自分には、おぼろげながら
彼の気持ちが分かる。
青木法務事務所
http://www.aoki-houmu.com/