サムライ左近法務事務所の事件帳

本業の法律事件の他、考古学、歴史学、戦国山城等を、その実証から紹介します。

嘆きの岸辺:老人の犯罪

2008-11-14 20:42:19 | Weblog
地元、長野県のナガブロでマードレ先生が書いた記事。
「振り込め詐欺にひっかからない方法」
を大変、興味深く拝読した。
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対象は善良なるお年寄りであろう。
要点が分かり易くまとめられているので
ご覧になられることをお薦めします。

http://madre.naganoblog.jp/

さて、この場合のお年寄りは
言わば「被害者」である。

一方、お年寄りによる「加害者」としての
犯罪も増えているのも事実である。

最近の記事を引用しよう。
今、高齢者による犯罪が急増している。
刑法犯罪で検挙された65歳以上の数は
10年前の3倍以上。

広島県の尾道刑務支所には、高齢の受刑者を
専門に受け入れる設備があり、
平均年齢は73歳を超える。
ほとんどは再犯で、80%が出所して
一年以内に刑務所に戻ってくる。

背景にあるのは、刑務所を出ても頼る
家族がいなかったり、同居を断られること
が少なくないなど、犯罪歴を持つ高齢者を
受け入れない社会の現実。

高い失業率の今、仕事を見つけることも難しい。
更生を手助けする唯一の機関が
更生保護施設だが、入所できるのはごくわずかで、
入所期間も半年に限られている。




私の事務所は
丁度、○○拘置所とハス向かいにある。
時折、テラスに出て気分転換を図る。

そうすると、否応なしに目に入る。
手錠を掛けられた白髪の老人が
○○検察局の階段をのぼる姿。

歳を重ねる(敢えて年を取るとは言わない)
とは、丸くなり、賢くなる事だと思っていた。

私自身も、そんなに遠くない将来
お仲間入りする。
穏やかな、人様に迷惑を掛けない
老後を願っている。

だが
老人の犯罪は、現実として増えている。
犯罪自体、当然悪いことであるから
罪に服さなければ法治国家は保たれない。

詐欺に遭う「被害者」としてのお年寄り。
他方
犯罪をおかした「加害者」としてのお年寄り。

両極端ではあるが
現在の混沌とした社会を
如実に物語る素顔でもある。

○○太郎君!
ホテルで深酒したり
漢字を読み違えたりしている
状況では御座らんよ。

青木法務事務所
http://www.aoki-houmu.com/