つぶやき、或は三文小説のやうな。

自由律俳句になりそうな、ならなそうな何かを綴ってみる。物置のような実験室。

深夜の助走

2016-08-31 21:19:03 | 文もどき
努力する人が好きだ。
ちょっと違うか。
努力を重ねた経験を持っている人が好きだ。
苦しいけど、頑張ってよかった。そう言って笑う人の顔が好きだ。
ひとりの時には泣いているかもしれない。
不安に打ち震えて、真夜中に膝を抱えているかもしれない。
ずっと笑っているかも、歯を食いしばり続けているかもしれない。
でも、会う時には明るい顔をしている。
たとえカラ元気だとしても。
そういう人は大抵、うつくしい顔をしている。
瞳は輝き、頰はふっくらと丸い。
なんとなく上澄みをうまくすくっていける要領の良さなら、持たない方がいい。
なんとなく目を合わせにくい人というのは、たいていはこの逆位置にいる。
そんな気がするだけなのだけど、だいたい主観なんてそんなものだ。