昼間は暖かく、というか熱くなってきましたね。
シン・ウルトラマンに続き「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」を見てきました。
確か、前に実写やってましたよね。
私は見ていません。
今回は、時間があったので見てきました。
まあ、原作は知っているつもり(と言いつつ、かなり忘れてますが・・・)なので、大丈夫でしょう。
この手の映画では、一番危険なことがあります。
原作と違う所があるというのは、作るうえで難しいところもあるので良いのですが、この作品は2種類のアニメーション作品があるという事です。
私は、原作が終わっていなかったので最後をオリジナルにした「鋼の錬金術師」、原作後に作られた「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のどちらも好きな作品です。
また、どちらもレベルの高い作品です。
製作はボンズという実力がある製作会社、朴璐美さん、釘宮理恵さんはじめとする役者の面々。
それと、比べられるという宿命を持っている点、それが絶対逃れられないという難しさがあると思います。
このアニメーション作品に並ぶ、超えるというのは、並大抵の作りでは難しいです。
そして、見た感想ですが・・・2部作で続きがあるとはいえ、この映画で何を描こうとしていたのかが全く見えてきませんでした。
映画のフォーマットとしては120分ぐらい。
この中に、起承転結があり、最後に向けて盛り上がりを持ってくるべきなのですが、どこにも盛り上がる点が無い。
起承転結もない。
少し盛り上がったなぁと思ったら、その後も話がズルズル続いていく。
ずっと一本調子のシナリオ進行。
ただ単に「長い!」という印象。
「そろそろまとめかな?」と思ったら60分しかたっていませんでした。
本当に面白く、引き込まれる作品なら、何分作品でも短い時間に感じられるのですが、この作品は長くて長くてたまらなく感じました。
という事は、引き込まれていなかったという事です。
とにかく、役者たちはみな”眉間にしわ”を寄せて、ずっと暗い表情をしている感じ。
怒鳴りあう「学園祭ドラマ」の応酬。
キャラクターの特徴点が生かされていない感じです。
もっと、原作やアニメを見るべきだったと思います。
そうすると、朴璐美さん、釘宮理恵さんの演技は、とてつもなく素晴らしく、実力派だという事が痛いほど思い知らされますね。
押したり引いたり、上げたり落としたり、おちゃらけたところで真剣な演技に戻す。
声優さんは、舞台や養成所で演技の勉強をやってきた人が多いと聞きますので、どうしても差がついちゃいます。
それもね、「エドは身長が低い」というネタが、完全に風化していた点。
小さくないのです・・・言葉だけが空しく流れたって感じです。
もっと、小柄な人をキャスティングすべきだったでしょう。
そのためなのか、なるべくエドとアルを並ばせる表現がない(数か所あるのですが、身長差がほぼない)。
苦しい。本当に苦しい。
アルが鎧で大きい事は、エドが小さいことを強調するうえでのアイテムだと思いますが、それを完全に捨てている。
こういったキャラクター付けが「あいまい」なので、全体的にぼんやりしているように感じました。
後は、この頃の邦画にありがちな「スロー」の多様。
ほんと、スローなしで作ってみてほしいです。スローをつけることで「嘘っぽさ」や「安っぽさ」が強調されます。
アニメみたいに3段落とし(私が勝手に言っている、3回繰り返す表現)の方が、まだいい。
といったように、やっぱり何かと比べられる危険性を持った作品なんですね。
このタイトルでなければ、「面白かった」という事になるのかもしれませんが、このタイトルをつけてしまったが故の感想では無いでしょうか。
やっぱり、朴さん、釘宮さんの演技はすごいんですね。と、再認識しました。
でも、アルの声をやっていた水石亜飛夢さん、一生懸命、釘宮さんに寄せていたように聞こえました。
ほんと、頑張ってるなぁ~と思いましたね。うんうん。
あと、キング・ブラッドレイ役の舘さん。はまり役じゃないですか?一番表情豊かに演じられていたと思います。
えっここで正体ばらしちゃいます?早くないですか?