詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

「猛禽歌集」より

2019-07-14 13:45:49 | 鳥紀行



オオワシは悲劇の王の貌をして淡き春日と寒風のなか
海鷲の纏う気品は山でなく大海原を愛するがゆえ

(「猛禽歌集」石川幸雄より)


昔、と言っても去年の7月15日「猛禽歌集」を作った。
「蓮」休刊後、歌人としての開店休業状態を
脱するために、という気分だったように思う。
その冊子を読み返すほど恥知らずではないが
ずいぶん思い切ったことをしたものだと思う。

現在も「晴詠」にその続きを「猛禽類撮影紀行」として
書いているが自分でもいったい何処へゆこうと
しているのかわからぬまま好きなようにやっている。



画像の大鷲は関東地方で撮影したもので
大鷲につきものの雪や氷が景色にないところは
珍しいかもしれない。
冬の北海道を訪ねればそう珍しい鳥ではないが
日本の天然記念物である。
日本で繁殖する鳥ではないから、ぼくの勝手な
イメージとして冬にお迎えするお客様なのである。

大鷲は海鷲の仲間だからもっぱら魚を食べている。
本州でも湖畔で見られることがあるのはそのせいだ。
この日は樹の上で長いこと鴨を食べていた。
当時は機動力を重視して手持ち撮影に拘っていたから
飛び立つ瞬間を狙って二時間も待っただろうか。
樹に止まっているのを発見した時は十人程度だった
カメラマンがその十倍ともいえる人数に膨れ上がって
いたのに気づいたのは大鷲が飛び去った後だった。