(photo: Suishou.M) オオワシ 茨城県
猛禽類とは、鉤形に曲がった鋼鉄のような強靭で鋭い爪と嘴を有して、魚類や両性・爬虫類はおろか更には同じ鳥類より進化した哺乳類をも鋭い爪で鷲摑みにして捕らえ、鉤形の嘴と強い背筋力によって肉を引きちぎって食べてしまう猛々しい鳥のことで、具体的には鳥類の分類ではタカ目やハヤブサ目、それにフクロウ目の鳥のことです。
・・・羽色はどちらかというと地味で、ときに発する鳴き声は短くて鋭く、風貌も精悍で近寄り難い雰囲気を醸しています。それなのに何故か惹かれるのです。それはどうやら小鳥の色彩豊かな美しさや可愛らしさなどとは異質の、厳しい自然界で孤高に生きていくなかで鍛えられ、一切の無駄を削ぎ落して研ぎ澄まされた切れ味鋭い日本刀にも似た究極の美にあるようです。
(『猛禽探訪記』 大田眞也)
写真・文セレクト 森 水晶