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詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

『桜だより』 桑山則子

2025-04-12 09:59:34 | 短歌情報

『桜だより』 桑山則子

本阿弥書店 2025/4/4  ¥3.300.-

 

桜に特化した写真歌集を紹介する。

桑山さんと面識はないが、歌人としては岡野弘彦の「人」で出発し、

現在は沢口扶美さんの「滄」に所属している。

目次を見ると圧巻である。

日本三大桜から全国各地の桜を取材され丹念に詠まれている。

 

「三春の滝桜」。まもなく見頃を迎える頃だろう。

桜の画像に解説と桑山さんの短歌が3首添えられている。

 

巻末には三大和歌集、八代集、西行、岡野弘彦の

桜のうたについての解説が載る。

 

資料としても大変貴重な歌集となっている。

学びたいと思う。

 

 

 


『冬潮を航く』三好直太の歌 久我田鶴子

2025-03-29 12:37:26 | 短歌情報

『冬潮を航く』三好直太の歌 久我田鶴子

発行:六花書林 2025/4/18  ¥2.000.-

 

相変わらずの不勉強にして三好直太(みよしなおた)という歌人を

知らなかったが、彼は「地中海」の歌人である。

彼のうたを鑑賞しながら彼の51年の生涯を紹介してゆく久我田鶴子。

読み物として面白い。

歌人には、いや人間にはそれぞれの物語がある。

 

「はじめに」に三好が書いた一文が引用されている。

 

略)一首を推敲する一刻々々の累積が、やがて一生のぼくぎりぎりの一刻が、

いかに真剣であるか、或は否かが、ぼくをどのようにでも、明日へ押しあげて

いくのである(略

 

イマドキこのように真剣にうたと向き合う短歌愛好者がどれだけいるだろう。

SNSに横書きで溢れかえる・・、また説教じみるのでやめておく。

 

私はいま直喩のうたに興味があるので三好の作品から紹介する。

 

みずからに銹(さび)吹くごとく黙し佇つゆうべ凍みて澄む島嶼のうえの空

*久我は<島嶼>は単に「しま」と読むのではないかと解説する。

巌稜によぎらん魄を喚ぶごとく黒髪ながき女を想えり

 

三好直太は漢字の力を信じていたように思う。

ともすれば難しい、近づきがたい歌に思えるがそこがまた魅力。

SNSでは表現し難い世界だろう。

 

 


「風花春秋」令和7年春

2025-03-28 12:28:12 | 短歌情報

「風花春秋」令和7年春

編集発行 秋元千惠子

制 作  洪水企画:池田 康

 

 

秋元千恵子さんが30年以上に亘って発行されていた

短歌文芸誌「ぱにあ」が昨年秋、ついに終刊となった。

秋元さんは1932年生まれで今年93歳になる。

終刊号が出て間もなくお電話を頂き、

「「ぱにあ」は終刊したけど来年、次の雑誌を出すつもりよ」

と、仰っていた通り、短歌文芸誌「風花春秋」が発行された。

まさに

「これからの人生では、今が一番若い」

を地でゆく意欲に脱帽するのである。

 

私は「田島邦彦という歌人」を書かせてもらった。

ありがたいことであった。

 

 

 


「からの」第68号(遠山景一)

2025-03-18 18:10:52 | 短歌情報

「からの」第68号 2025-02 年三回刊

編集・発行/遠山景一

 

玉城徹に関する資料やエッセイが読ませる。

 

遠山景一「爾来(あれから)」より3首紹介する。

寸ばかりチューリップの芽あらはれて土のおもては雨去りにけり

ボサ藪の山河に歩み入りゆきしこころ安らにゆたかなりける

木石のごとしと人ら見るらめど後をもわれはかくありなむ

実に丁寧なうた。との印象。

 

本間サエ子「散り残る花」より2首紹介する。

ビルディングの屋上白くしぶきつつ来たる豪雨はいなづま光る

ふるさとの新米届き胸あつし米作らすはあと幾とせか

 

 

 


「鱧と水仙」第64号・藪の会

2025-03-08 11:05:21 | 短歌情報

「鱧と水仙」第64号・藪の会

 

才能&意欲溢れる同人誌。

作品も文章も充実。

 

「良いおばあさん」15首(山中もとひ)より4首紹介します。

 

はす向かいのソファの乳児に気に入られ良いおばあさんになる喫茶店

誰もみな無為ならずとは本当か朽木を食べる蜚蠊(ごきぶり)もある

冷え込めば列の前なる短コート去年の糸くずひらひらとする

迷っている戸惑っている考えない傍から見ればわたしはわたし

 

 


「短歌往来」3月号

2025-02-22 09:47:14 | 短歌情報

「短歌往来」3月号(ながらみ書房・2/20発売)

 

「子規庵に行くだけです」13首を発表しています。

5首だけ紹介します。

 

苦虫のようなる総理大臣が「楽しい日本」と言い出す始末

吉原の迎えを待っている男ではなく子規庵に行くだけです

待たせるも待つもまっぴら一画目を袈裟に斬り捨て侍となる

三艇を消して三艇残すだけデータはスマホが教えてくれる のに

へこむわれに「レンタルおじさんに向いてるよ」だしぬけに言うなんたる妹

 

 

 

 

 

 


佐藤よしみ個人誌「帆」39号 

2025-02-15 10:21:24 | 短歌情報

「帆」39号 佐藤よしみ個人誌

一首目の

 取っておいた月見うどんの満月が不意に破れぬ 不意は切なし

がとても好きです。「月見うどんの満月」という喩が良いですよね。

卵だけではなく何か不条理なものも感じられるのです。

と、歌友からLINEがあって佐藤さんにLINE転送しましたよ。

 

個人誌の良いところは結社誌や同人誌よりも

うたや文章を読んでもらえる可能性があるところ。

ボクの孤人誌「晴詠」は写真だけ見てもらってるようですけど。

 

では佐藤さんの「さくら散る」よりボクの好きなうたを紹介します。

 

ほどほどの寂しさなればうみかぜをほどほど浴びてまた歩みだす

不機嫌は伝染をする起き抜けの言葉は選びコーヒーを飲む

友の手に渡らなかったいちまいの葉書ちぎれば桜花のごとし

 

1首目は佐藤さんお住まいの横須賀の海が思われる。

2首目は孤独なボクにだってイヤなほど経験がある。

人間は一人が良い。失う哀しみを知らなくていいからね。

3首目はハガキをちぎるイメージが実感できる。

 

 


『恋の短歌コレクション1000』第二版

2025-02-09 15:26:25 | 短歌情報

『恋の短歌コレクション1000』

見事に第二版発売となりました。

よろしくお願いします。

再版の時に表紙を変えるってナシなのかしら。

違う表紙が良いなーと思ったりして。

 

2/9(日)晴 肉の日か。

 

近所の競艇場に顔を出そうかと思い立ち

向かったのですがどの駐車場も満車。

混みますと堤外駐車場も開放されるのですが

コチラも満車。こんなこと初めてだぁ。

ボートレースブームなのかしら。

 

で、諦めまして仕方なく工場にやってきますと

職人がマイカーを洗っていた。終わったらオレのも頼むわ~と

言うと「高いよ!」なんてつまらないバカを言い合いました。

 

で、ポストを覗くと『恋の短歌…』が届いていたわけです。

飯塚書店さんには工場に送って・・といってありますのでね。

第二版とはおめでたいことです。みなさまのお陰です。

 

 

おしまい。

 

 


「夏暦」59号 王 紅花

2025-01-30 12:01:29 | 短歌情報

「夏暦(かれき)」59号 王 紅花

 

「急がねば急がねば」王 紅花より、3首紹介します。

 

野や山に草木虫魚獣らひたすら生きて「時」来れば死ぬ

夕庭に涼みてをればかたはらの木に鴉来て邪魔だと騒ぐ

背後から呼ばるる気のしてはああさうだつたといつも思ひて

 

昨年6月に軽井沢で行なわれた「第三回 松平修文絵画展」には

15日間で1200人余りの来場者があったそうだ。

今後『松平修文全歌集』、王紅花の第六歌集『緑色の人』の

出版が予定されているという。

精力的な活動にエールを贈りたい。

 

私はもう15年、本格的な歌集を編んでいない。

 

 


恩田英明個人雑誌「アルファ」34号

2025-01-29 16:24:54 | 短歌情報

恩田英明個人雑誌「アルファ」34号

 

「山下待ち九十八番地」恩田英明より、2首紹介します。

 

風を背に大桟橋に唯今はジョッキ掲げて夜景の一人

引き網にひかるるごとく山を越え森抜けくれば虹ひびく滝

 

 

恩田連載の「山崎方代の風景33」のうたに注目した。

 

甲州の柿はなさけが深くして女のようにあかくて渋い  山崎方代

いま、編集中の『比喩のうた』に私が推薦した作品。

だが、なんとなく「まずいのでは?」と臆病になったのだ。

で、たしか、取り下げてしまった。

妙な世の中になったものだ。

 

 


令和六年度「彩短歌会作品集」

2024-12-18 14:59:03 | 短歌情報

令和六年度「彩短歌会作品集」 代表 平林静代

 

平林静代さんが出詠者数22名の会員を率いる彩短歌会の作品集。

毎月歌会が開催されているという。そして年間作品集発行にも

多くの会員が協力されているという。

 

平林静代「一筋の橋」より紹介する。

 

ケイタイを見る誰彼に「ほら」と教へたし車窓にすつくと立つ雪の富士山(ふじ)

粉雪(こゆき)降る思へるごとく粉雪降る 苦しきむかしの恋呼び寄せて

 

 

 

 

 

 

 


『短歌渉猟 和文脈を追いかけて』今井恵子

2024-10-24 12:03:16 | 短歌情報

『短歌渉猟 和文脈を追いかけて』今井恵子

2024/10/10 短歌研究社

 

現代短歌の論客今井恵子さんの評論集。

「短歌研究」に連載された評論をまとめたものであるそうだ。

2008年の第26回短歌現代評論賞受賞者である。

私はこの時に「まひる野の今井恵子」という人を認識したのだった。

 

まだ、第一章 宮中歌会始 を読み終ったところ。

歌会始には興味津々の私なのである。

 

ここで、巻末の「事項素引」を眺めると「あゝ上野駅」から始まる。

ルール違反かも知れないが素引から該当する文章を読むのも面白いかも。

ついでに知人が取り上げられていないか?と「人名素引」も眺める。

と、わが名があるではないか!小文の引用であったが、

読まれることがあるんだな・・と嬉しく有難いことであった。

 

秋の夜長に最適の読み物である。

 

 


「帆」37号(佐藤よしみ)

2024-10-22 11:21:35 | 短歌情報

「帆」37号 2024.10

2024/10/27 不定期刊 300円

発行人 佐藤よしみ 

 

「かわたれ」より紹介します。

 進みゆく時計と遅れゆく時計正刻なき家(や)は正論もなし

君が待つ改札口へ真っ直ぐにただ真っ直ぐにゆきし日のこと

穏やかな風に木犀漂えり告げられなかった恋はやさしく

ひとりぼっちよりも二人はさびしくて陽の匂いする布団に眠る

もてあまし時に行く手を阻まれてなおも激しき風雨を好む

 

エッセイは連載「琉歌(うた)の見える場所(26)」。

喜納昌吉&チャンプルーズのヒット曲「ハイサイおじさん」の背景の

重い物語が綴られている。

喜納昌吉といえば「花~すべての人の心に花を」も思い出される。

最晩年の田端義夫が歌っていたのを知っている。

 

 

佐藤よしみの魂の籠る個人誌「帆」である。

 

 

 


『形容詞・形容動詞の短歌コレクション1000』!

2024-08-21 11:19:18 | 短歌情報

『形容詞・形容動詞の短歌コレクション1000』税別1300円。

(日本短歌総研/飯塚書店)が完成しました。

短歌アンソロジーとしてどうぞお楽しみください。

 

 

 

8/21(水) 快晴  

 

酷暑絶賛続行中。

 

今日は午後から納品と現場修理で群馬方面へ出かけます。

積み荷をチェックしたところシートは掛けてありますが

本体を養生ビニールで覆っていない!

最近の天気は変わりやすいのにバカでしょうか?

余計な手間がかかりますが持っていくのは私です。

すぐに「全体をビニールで巻けよ」と言いました。

天気予報見たんだけどな・・と積み込んだ責任者が

ぼやいている・・。雷雨や暴風雨にならなきゃ、

それでいいけれど、万が一そうなったらどうすんの?

想像力の欠如。最初から養生ビニールを巻いておけば

数百円もしない。ところがやり直すとなれば人件費だけで

数千円になるよ。ほんとバカなの?

 

はい!また愚痴ってしまいました!

12:00には出発しないと間に合わねーのに。

何にも考えていないんだな。

 

 

もう、おしまい。

 

 

 


『形容詞・形容動詞の短歌コレクション1000』発売決定

2024-07-26 12:06:10 | 短歌情報

 

『形容詞・形容動詞の短歌コレクション1000』

2024/9/5発売予定 ¥1430(税込)日本短歌総研著 発行:飯塚書店

 

懸案だった新刊の発売が決まりました。

アマゾンなどで予約受付中です。

古典から現在までの短歌アンソロジーです。

 

どうぞよろしくお願いします。