『塚本邦雄の百首』 林 和清
ふらんす堂の「歌人入門⑬」(百首シリーズ)。既刊を何冊か紹介してきた。
塚本に「ダイジェストを愛す」なるうたがあったと記憶する。
塚本BESTではないが、あらすじを知ることができる読み物として
興味深いし愉しい。
「十月」165号
年三回刊の「十月会」機関誌が届く。
ボクは会の運営についてはなんら発言しない幽霊会員みたいなもの。
「勧酒」十首と<らんだむ(300字)>「疑心暗鬼になりてならるる」を書いている。
「勧酒」冒頭から四首紹介する。
なにもかも無器用にして小器用に凌ぎ切りしが心のこりさ
見返してやると思いつつ人生の四分の三過ぐ覚悟してろよ
信金の若者が言う「これからは報われますよ」的外れだな
命令に背かなければ平穏と言い聞かしては生きてきたから
十首を26文字で揃え、最後の文字を右から読むと
「さよならだけが人生だ」となるように作った。
「勧酒」たる所以である。こういう枷をはめなきゃ
やってられないのである。
みなさんの<らんだむ>を読んで思ったこと。
ボクがもっともバカらしいことを書いている。
バカらしいという推測ではなく形容でもなく
バカなんよ。