プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

原爆作業員と被災者の現状

2011年05月19日 | 日記
 某TV番組で、福島第1原発の作業員の特集をしていました。インタビューを受けた方は、原発建屋のすぐ傍の屋外で作業しており、15人、3グループで、一日3時間の作業をしているとのことでした。しかし、線量計はつけていますが、アラームが鳴っても移動(避難)することなく、監督の「大丈夫」との声を信用して、作業を続行するとのことで、依然として杜撰な被爆管理しかなされていないようです。

 また、原子炉の実態も知らされておらず、メルトダウンについても、東電が隠していたことは納得でいないと言われていました。また新工程表についても、汚染水の処理だけでも、今年中には無理で、工程表どおりに進むことは絶対に無理だと本音を漏らしていました。

 福島第1、第2原発に医師として入った愛媛大学の谷川医師は、2段式ベッドは入ったが、まだ雑魚寝状態は続いており、お風呂は4日に1度で、今後熱中症が心配されるとのこと、また精神的なストレスや恐怖感からPTSDも懸念されるとのことです。職員や作業員の8~9割が地元の被災者で、(家や家族を失った中で原発労働者として働いているわけで、)敬意と労(ねぎら)いの言葉が必要だと訴えられておられました。

 一方、原発事故や津波による被災で避難している人々の中で、「ヘドロ粉塵(性)肺炎」が急増しているとのことです。宮城県の石巻病院では、例年の5倍(213人)の肺炎患者さんがいて、その3割が「ヘドロ粉塵(性)肺炎」だそうです。これは粉塵粒子を吸い込むことで、小さな炎症が肺全体に広がっていくもので、年齢に関係なく発症し、咳、発熱、吐き気が主症状で、最悪死に至るとのことです。

 原因は、ガレキ撤去によって飛散した粉塵で、仙台市の13ヶ所でのヘドロのサンプリングと分析結果によると、油分やポリ塩化ビフェニール、重金属類、チフス菌や赤痢菌等を含んだ埃を吸い込むことによって発症するそうで、やはり抵抗力の落ちている方が罹り易いようです。通常の花粉症のマスクではなく、できる限り防塵マスクを着用して外出したり、生活することが肺炎防止には大切だと思います。ちなみに、阪神淡路大震災では、223人の方が肺炎で亡くなられているとのことで、その時は誤嚥性肺炎が多かったそうです。

P.S. 原発内での作業、アラームが鳴る度に避難していは、作業にならないのが現実でしょう。それをどうするのか、これは作業員の方々の問題ではなく、国がきちんと方針を決め、それに則ってやっていく、と決めるしかないのだと思います。そのような危険な作業をさせないと決めたのなら、作業が進むまいが、放射能が漏れ続けようが、そうすべきですし、危険でも、被曝しても必要な作業を続行させるというのであれば、それをきちんと説明した上で、希望者だけを、東電の役員から、そして政府官邸から、或いは議員から、そして専門家からまず選定して(訓練の実施の上)作業をおこなうべきだと思います。それとも、徴兵制ならぬ、徴原発作業員制を敷いて、(日本を担う若者世代に代わって)40歳以上の男性は、1ヶ月間、原発作業に従事しなければならない法律でも作りますか?・・・勿論、老い先短い私などは、喜んで従事させて頂きたいと思います・・・

P.S. 肺炎に関して心配なのは、やはりアスベストです。分析結果でアスベストが出ないというのは信じられないので、項目に無いのだと思いますが、出演していた谷川医師も、「アスベストが抜けている」と発言していましたが、すぐには発症しないとはいえ、やはり恐ろしいのは石綿による癌や中皮腫です。是非政府には、アスベスト問題の周知と、実行性のある対策を講じて頂きたいと思います・・・

ジャパン・クレディットの失墜

2011年05月19日 | 日記
 19日付の『朝日新聞』には、「福島第1原子力発電所の事故を受け、輸出製品が放射能に汚染されていないという証明書を求める企業が増えている」、「日本商工会議所が発行した証明書は2,220件にのぼり、1ヶ月前から倍増した」、「製品の内訳は、工業製品が65%、食品が35%、・・・輸出先はアジアが55%、欧州が25%」とのことです。

 事故直後から某友人Oさんは、今回の事故で、日本の技術そのものへの信頼が失われてしまったと嘆かれていました。Oさん自身も香港へ某商品を輸出されておられ、香港や中国の事情には詳しいのですが、私などが想像する以上に多くの商品が日本からアジアへ輸出されています。日本の製品の優秀さを超えて、日本製品、そして日本そのものへの憧れと信頼が強いのだと、Oさんは言われます。その「ジャパン・クレディット」が、今回の事故で失われてしまったと。

 アジアを含む世界各国からの輸入規制、そして証明書の要請、これは輸入の検査や証明書発行の手間暇によるタイムラグの発生と、検査量(コスト)が発生し、明らかに日本製品輸入の流れを停滞させ、阻害します。そして何より、放射能汚染というレッテルが単に風評被害に留まらず、極めて深刻な日本製品の、日本への信頼を失墜させてしまったのです。今後発生するであろう経済的な損失もさることながら、この「ジャパン・クレディット」の喪失は、最早取り戻すことのできないほどのダメージを受けているのではないかと、私のような一農民でも感じるのです。

 日本は只でさえ、米国の「経済特区」としての役割を終え、構造的な衰退期を迎えていた矢先に、今回の事故(まさに戦争)が勃発したのです。その損害は計り知れず(100兆円は軽く超えるでしょう)、放出され続ける放射性物質とその放射能汚染が、その没落と二重写しとなり、「ジャパン・クレディット」は「ジャパン・ディスパイズ」(日本蔑視)へと繋がり、やがて日本の「差別化」がアジアの側から生じないかと、強い危惧を感じるのです。

 この際にと、まだ余力の残る企業は、我先にと日本を捨てて脱出するのではないか、日本は抜け殻のようになって、「棄民」、「棄国」の憂き目に遭わされるのではないかと、心配性の私などは思うのですが、そうした流れがこれまでの政治的な流れにあっただけに(まさに眼前に中国・ロシア、背後に米国の列強に挟まれて立ち位置を失いかけていた)、今回の事故は余りにも大きすぎるダメージとなったのではないかと思うのです・・・

P.S.  (内閣参謀参与にいつの間にかなっていた)劇作家の平田オリザ氏が、ソウル市内の講演で、低レベル放射能汚染水の廃棄に関して、「米政府からの強い要請で(海に)流れた」と述べた(『朝日新聞』)そうで、枝野官房長官は否定していますが、これはどうも本当のように思います。今回の敗戦とその敗戦処理も、既に「ネオ・GHQ」によって執り行われていることは、否定のしようがないように思われます。水素爆発防止の為の窒素注入(NRCの主張)辺りから、実質的に米国の指示に従って動いていると。

「水棺」実験はその最たるもので、この際、フクシマを実験台にデータを取ろうとしているのではないかと・・・いずれにしても、廃炉や除染、汚染水処理の長期にわたる公共工事は、米国やフランス(及び日本の多国籍企業という名の「無国籍企業」)に発注されるわけで、戦争は負けても(日本国民は貧しくなっても)、確実に利益を得る輩は、「夷敵」だけでなく日本国内にもいるということは確かなようです・・・