プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

東電の刑事責任、立件?

2011年05月30日 | 日記
 東電の刑事責任について、「東電の刑事責任を問う声も浮上している」、「仮に捜査当局が立件を目指したとしても高いハードルがある」ようです。(以下、引用は『産経ニュース』)

これに関して、元最高検検事の土本武司氏は、「刑事事件として考えると、一般論として業務上過失致死傷罪が視野に入る」、「土本名誉教授は『災害が発生した際、放射能漏れにつながることを東電側が予見していたかが重要。分かった上で対策を取っていなかったとなれば、業務上過失傷害罪の成立もあり得なくはない』とのこと。少なくとも、地震後の状況から見て、電源喪失がメルトダウンに繋がり、放射性物質の大量漏出を来たすことは、東電の関係者、政府の殆ど全ての人間が知っていたはずですし、それはこれまで国会でも取り上げられ、十分に「予見」できたものと思います。

「ネックとなるのは、事故の主因は押し寄せた津波による電源喪失とされている点」(東海大学の池田良彦教授)、「人為的な過失が放射能漏れを引き起こしたのか。立証するのは大変難しいだろう」とのことですが、事故の主因は実は津波ではなく、地震による冷却システム等における配管の損傷や破断による冷却水の喪失による可能性が高く(1号機、3号機)、地震対策の甘さ、想定の甘さが今回の事故を招来させたのではないでしょうか。東電は津波による天災として自己の責任を逃れようとしていますが、同様に津波の想定の甘さが、電源喪失をもたらした「人災」であると思います。

また、「元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は『今回は個人に刑事的な責任を負わせるのは難しい』と話す一方、1号機のメルトダウンが震災発生15時間後に起きていたことなど、新事実が次々と明らかになっていることを重視」し、「放射性物質が飛散して被害を与える可能性を認識しながらメルトダウンを隠蔽していたことが判明すれば、住民の生命を危険にさらすという意味で、極端に言えば殺人未遂罪もあり得る」としています。勿論そうなれば、テロ特措法にも抵触するのではないかと思いますが、如何せん、そこまで問うのは極めて困難なことです・・・

 捜査関係者や当局の中には、「刑事責任追及のアプローチがなければ真相解明はうやむやになる」(警察OB)、「刑事事件として立件するような事故でないのではないか」(検察幹部)との見立てが根強」いが、「『工程表の改訂が行われるなど事態収束の先行きが不明。あまりに分からないことが多すぎる』と、“復旧作業待ち”の姿勢を示している」とのことのようです。実際、刑事責任が曖昧なままでは、損害賠償にも非常に大きな影響を与えるものと思います。津波は天災であり、予見もできなかった、というのがこれまでの東電の(損害賠償)訴訟での立場であり、限定的な一時金で補償は終わり、となる可能性は高いように思います・・・

P.S. これまで、東電の刑事責任について何度か書かせて頂きましたが、警視庁や東京地検が実際に立件するのは難しいと思います。ただ、東電及び政府の刑事責任を、このまま誰も問わないとなると、これだけ甚大な被害をもたらし、さらに今後、何十年、或いは何百年と続くであろう放射能汚染とその被害を考えると、この原発人災事故が、無為、無駄になってしまうのではないかという強い危惧を抱きます。しかし、誰かが告発、或いは告訴をしてはくれないか、というような卑怯で臆病な考えの私のような人間には、事故が収束しない内はそれも難しい、というのが体の良い逃げ口上となってしまっているのです・・・

P.S.2 冷温停止中の福島第1原発5号機の冷却系ポンプが停止し、原子炉や使用済み燃料プールの温度が上昇するトラブルは、ポンプを交換して落ち着いてきているようです。ただ原子炉が停止しても、このようにいつトラブルが起きて冷温状態から不安定な状態になるか分からないのです。使用済燃料に関しても、ウラン燃料で廃棄できるようになるまでに50年、MOX燃料は冷やすだけで500年掛かると言われていますが、こうした管理を、本当に今後きちんとやっていくことができるのでしょうか?少なくとも、気が遠くなるほどの負担であることだけは間違いありません・・・(プルサーマルは即刻止めるべきです)

P.S.3 我が国首相が、またしても法螺を吹きました。なんとG8で、「設置可能な1、000万戸全てに、太陽光パネルを設置する」とか・・・いつ決まったのですか?最早、寝耳に水だらけです。管轄の海江田経済産業大臣も知らなかったとか。いい加減にして下さい!自らの保身のために、これ以上日本を、日本国民を振り回すのだけは止めて頂きたい。世界は笑って見ていますよ、菅さん。ピエロを演じられるのは勝ってですが、もう十分です・・・