8月27日付『朝日新聞』によると、
「住民訴訟で自治体首長が賠償を命じられても、議会が首長への請求を放棄して『帳消し』にする議決が相次いでいる問題で、大阪高裁の三浦潤裁判長は27日、神戸市の補助金支出について市議会が返還請求権を放棄した議決を『有効』とする判断を示し、一審で敗訴した住民側の控訴を棄却する判決を言い渡した。」
「首長への返還請求権放棄の議決をめぐっては、昨年11月に大阪高裁、同12月に東京高裁が『議決権の乱用だ』などとして議決を『無効』としたが、高裁レベルで判断が分かれる結果となった」
「27日に判決があったのは、神戸市が2007~08年度に外郭団体に派遣した市職員の人件費に市が補助金を支出したのは違法として、市民団体が08年12月に提訴した訴訟。市が補助金支出を決めた市長に約206億円を返還させるように求めていた。一方、神戸市議会は昨年2月、市が返還請求権を放棄するとした条例を議決。昨年11月の神戸地裁判決は同議決を有効として住民側の請求を退けていた」、とのことです。
以上のようにこれまでの住民訴訟の判決は、地裁、高裁レベルで判断が分かれています。今回の判決は、住民側の主張を一方的に棄却した、日本の「三権不分立」(癒着)の典型的なものです。そもそも、行政の裁量を露払いする議会に、その判断にお墨付きを与え、住民の訴訟という追っ手を切り捨てる裁判所、このように3者(三権)がスクラムを組んで、行政の違法行為を「裁量」という名で覆ってしまうのです。
ただ裁判官の中にも、この「三権不分立」(癒着)の構造を理解できないお方(裁判官としての出世を捨ててでも、法に則った判断を下そうとする裁判官)がおられたり、今回のように違法性が明確な場合のケースは、住民にとって画期的な勝訴判決が出るのですが、それも、地裁判決は高裁で、高裁判決は最高裁で棄却されることが殆どですし、様々な禁じ手が行政から繰り出されることになります。
つまり今回のケースのように、外郭団体への派遣職員の給与を補助金で肩代わりすることが、公益法人等派遣法違となる流れができると、今度はその市長の違法支出を、議会を使って請求権を放棄させる、或は判決が出る前に条例を改正して違法判決を無効化させる等、国民からは余りにも無茶だと思えるようなことも平気でやってのけます。それを受けて今度は司法が、それは『有効』ですと判決を下せば、通らぬ理も通るという「理」なのでしょう。
裏金等の住民訴訟を見てみても、たとえ不正支出との違法判決が出ても、行政に対して強制的に「違法」判決に従わせることはできません。本質的に三権は不分立(癒着)でありながら、行政にとって都合の悪い違法判決が出た時だけは、三権は分立しており司法の判断によって行政の裁量権が侵されることはないという、「三権分立」が持ち出されるのです。
こうした違法判決に対して、行政はまず請求権を行使しませんから、もし住民がそれに不服ならば、請求権を行使しないことが違法であるとの裁判を再度提起するしかありません。もし仮にこれが再び勝訴しても、またまた行政は請求権を行使しないでしょう。住民訴訟の無限ループが、行政の違法行為の無期限棚上げシステムが、敢然として住民の前に立ちはだかるようになっているのです。これが「権力」というものであり、これができないようなら「権力」の名にも値しないものだとも言えるでしょうが・・・。
それにしても、地方自治法改正によって、住民から違法支出として裁判を提起された首長(元首長も含めて)は、その裁判費用を税金で、しかも職員をフル動員しての訴訟に臨むことができるようになりました。住民の税金を違法に支出した首長に対する裁判を、住民の税金でやり、一方住民側は手弁当で時間や労力をつぎ込み、裁判費用まで自腹でしなければならないのです。それも無限ループの終わりなき裁判をです。さすが議会です。行政を守るために法改正を行います。まあ、それが本来の職責なのでしょうが・・・(いつも愚痴ばかりで申し訳ありません)
「住民訴訟で自治体首長が賠償を命じられても、議会が首長への請求を放棄して『帳消し』にする議決が相次いでいる問題で、大阪高裁の三浦潤裁判長は27日、神戸市の補助金支出について市議会が返還請求権を放棄した議決を『有効』とする判断を示し、一審で敗訴した住民側の控訴を棄却する判決を言い渡した。」
「首長への返還請求権放棄の議決をめぐっては、昨年11月に大阪高裁、同12月に東京高裁が『議決権の乱用だ』などとして議決を『無効』としたが、高裁レベルで判断が分かれる結果となった」
「27日に判決があったのは、神戸市が2007~08年度に外郭団体に派遣した市職員の人件費に市が補助金を支出したのは違法として、市民団体が08年12月に提訴した訴訟。市が補助金支出を決めた市長に約206億円を返還させるように求めていた。一方、神戸市議会は昨年2月、市が返還請求権を放棄するとした条例を議決。昨年11月の神戸地裁判決は同議決を有効として住民側の請求を退けていた」、とのことです。
以上のようにこれまでの住民訴訟の判決は、地裁、高裁レベルで判断が分かれています。今回の判決は、住民側の主張を一方的に棄却した、日本の「三権不分立」(癒着)の典型的なものです。そもそも、行政の裁量を露払いする議会に、その判断にお墨付きを与え、住民の訴訟という追っ手を切り捨てる裁判所、このように3者(三権)がスクラムを組んで、行政の違法行為を「裁量」という名で覆ってしまうのです。
ただ裁判官の中にも、この「三権不分立」(癒着)の構造を理解できないお方(裁判官としての出世を捨ててでも、法に則った判断を下そうとする裁判官)がおられたり、今回のように違法性が明確な場合のケースは、住民にとって画期的な勝訴判決が出るのですが、それも、地裁判決は高裁で、高裁判決は最高裁で棄却されることが殆どですし、様々な禁じ手が行政から繰り出されることになります。
つまり今回のケースのように、外郭団体への派遣職員の給与を補助金で肩代わりすることが、公益法人等派遣法違となる流れができると、今度はその市長の違法支出を、議会を使って請求権を放棄させる、或は判決が出る前に条例を改正して違法判決を無効化させる等、国民からは余りにも無茶だと思えるようなことも平気でやってのけます。それを受けて今度は司法が、それは『有効』ですと判決を下せば、通らぬ理も通るという「理」なのでしょう。
裏金等の住民訴訟を見てみても、たとえ不正支出との違法判決が出ても、行政に対して強制的に「違法」判決に従わせることはできません。本質的に三権は不分立(癒着)でありながら、行政にとって都合の悪い違法判決が出た時だけは、三権は分立しており司法の判断によって行政の裁量権が侵されることはないという、「三権分立」が持ち出されるのです。
こうした違法判決に対して、行政はまず請求権を行使しませんから、もし住民がそれに不服ならば、請求権を行使しないことが違法であるとの裁判を再度提起するしかありません。もし仮にこれが再び勝訴しても、またまた行政は請求権を行使しないでしょう。住民訴訟の無限ループが、行政の違法行為の無期限棚上げシステムが、敢然として住民の前に立ちはだかるようになっているのです。これが「権力」というものであり、これができないようなら「権力」の名にも値しないものだとも言えるでしょうが・・・。
それにしても、地方自治法改正によって、住民から違法支出として裁判を提起された首長(元首長も含めて)は、その裁判費用を税金で、しかも職員をフル動員しての訴訟に臨むことができるようになりました。住民の税金を違法に支出した首長に対する裁判を、住民の税金でやり、一方住民側は手弁当で時間や労力をつぎ込み、裁判費用まで自腹でしなければならないのです。それも無限ループの終わりなき裁判をです。さすが議会です。行政を守るために法改正を行います。まあ、それが本来の職責なのでしょうが・・・(いつも愚痴ばかりで申し訳ありません)