プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

中間貯蔵という名の「汚染土壌最終処分場」

2011年10月31日 | 日記
 政府はやっと、福島県内だけの、放射能汚染された(除染)土壌の中間貯蔵施設の稼働工程表を発表しました。「工程表では中間貯蔵施設の場所選びを12年度中に終え、14年度内に着工」、「完成した区画から15年1月以降、順次仮置き場の土壌などを運び入れる」(『朝日新聞』)とのことです。これだと、仮置き場に早くても3年以上(工事が間に合わないと、できるまでずっと)置いておくことになります。(何処の町長か忘れましたが、)3年も置くのは仮置きとは言わない、中間貯蔵施設が最終処分場となるのでは、と言っていましたが、誰もがそう考えているのではないかと思います。

 理解できないのは、福島以外の都府県での除染土壌について、「汚染土壌の量が少なく線量も比較的低いものが多いことから、既存の施設で処分する方針を示した」そうで、量の多寡や線量の高い低いではなく、放射性物質は厳重に管理すべき物であるという原則まで放棄するつもりのようなのです。まあ、下水汚泥や焼却灰の埋め立てを、事実上認めていることから見ても、政府がきちんと放射性物質を保管・管理しようとしていないことは明らかです。(問題は、受け入れる処分場がなくて、違法投棄が横行することですが、もう既に始まっているように思うのです・・・)

 本来なら、政府や自治体、東電の施設や土地に、まずは除染による汚染土壌を搬入し仮置きしておき、もって除染作業を推し進め、厳重な管理・保管施設を早急に各都道府県に設置するべきなのです。実際に、各原発では、既に使用済核燃料が、きちんとした保管施設もなく、原子炉の頭の上で、設計の2倍の容量で詰め込まれ、最早満杯状態なのです。危険という意味では、これほど危険なことはありません。(これも原発が最終処分場となることは必至です)汚染土壌や焼却灰等は、爆発の危険性や冷却する必要はありませんから、その意味では、厳重に管理する「意思」さえあれば、それこそ「安全」に保管できるはずです。基本的には、各都道府県にあるものは、「移動」させずに、それぞれが施設を持って厳重に保管すべきものです。勿論それは、自治体任せではなく、国が主導して、国の責任で決めていくべきものですが・・・

P.S. こうした国のいい加減な対応のためか、福島県内の59市町村の大半で、仮置き場の設置が場所が決まっていないそうです。仮置き場は、せいぜい1週間か、長くて1ヶ月、その後は政府が設置した保管施設に搬入するとならなければ、誰も自分の傍に放射能汚染された土の山を置きたくはないでしょう。土地はあるはずです。それを決めることができるかどうか、その為の手順を踏んで交渉していけるかどうか、だと思うのですが・・・

P.S.2 解除された緊急時避難準備区域の地域では、あまり帰還の動くきは進んでいないようです。やはり除染が進んでいない(と言いますか、まだ政府は何もやっていませんから)というのが、一番の理由のようです。除染はさておいて帰ろうかと思っている方も、役場機能も移転してしまっており、スーパーや病院もない土地で、話し相手もいない中、戻りたくても戻れないというのが現実のようです。それにしても、政府は、無責任な「解除」を行なって、さらに住民の「自主判断」に任せるという、何重にも被災者に苦しみを与えるという対応を取ってきました。最早、罪作りなどという軽い言葉では表現できないほど、政府の対応は許せないと、感情的に思うのです・・・

P.S.3 千葉県千葉県柏市の空き地で検出された27万6千ベクレル、あれはあれで原因は雨水の濃縮ということだったのでしょうか?私はあの高濃度、未だに信じられないのですが、もし雨水であれだけ自然に高濃度に放射性物質が濃縮するなら恐ろしいことです。逆に言うと、土に吸収されなければ、それだけ大量の放射性物質が、雨によって川へ、そして海に流れ出ているということです。日本は雨が多く、急流な場所が多いですから、思っている以上に多くの放射性物質が海洋へと流れ出ているのでしょう。(下水汚泥が高濃度に汚染されているのが理解されます)良く言うと、雨水が大量の放射性物質を流し去ってくれているのですが、それは基本的に場所が移動しただけで、なくなったわけではありませんから、その代わり河川、海が汚染され、今度は生物濃縮(何万倍、何十万倍などと言われます)を経て、人間の口に戻ってくるということになります。柏市のようなスーパー・ホットスポットならずとも、雨水によってできたホットスポットはまだまだ無数に、各都道府県にあるはずですから、一刻も早く市町村レベルでの線量測定を行ない、除染すべきだと思うのですが・・・(政府は、汚染土壌が出ますから、自ら乗り出すことはないと思われます・・・)

原発事故のセシウム放出量 原子力安全委員会推計の3倍!

2011年10月30日 | 日記
 「ノルウェーなど欧米の研究チームが」(以下引用は『朝日新聞』)、「国内(ノルウェー)の測定データのほか・・・北米や欧州などの測定器のデータを使い、事故が起きた3月11日から4月20日までのセシウムやキセノンの放出量を分析」、「セシウムの放出量は約3万5800テラベクレルで、原子力安全委員会の試算値1万1千テラベクレルの約3倍」となったそうです。

 「研究チームは、・・・信頼性の高いデータが不足・・・不確かさを伴う」としていますが、日本国民だけでなく、世界の多くの人民が、どちらの推計値を信頼するか、それははっきりしているのではないでしょうか。放射性物質の拡散のシュミレーションマップを、事故直後に公表したのも海外の国々でした。事故以前は原発の偽りの「安全性」と「低コスト」を喧伝し、事故後は情報を隠蔽し、国民を無用に被曝させ、事故評価を意図的に過小評価し続けた日本政府の情報を信じる人は、最早世界中探しても、そうはいないかと思われます。

それにしても、セシウムの放出量(多分134と137の合計)が3倍ということは、他の各種を合計した総放出量も3倍ということなのでしょう。総量は当然セシウムだけでは決められませんが、これまでの原子力安全委員会試算は約63京ベクレルでしたから、単純に総量190京ベクレルと考えても良いのかもしれません。少なくとも、被曝の主体となるセシウムが3倍ということは、汚染の度合いも、体への影響も、これまで以上に大きいと考えるべきだと思います。(いずれにしても、桁が想像を絶するほど大き過ぎますが)

 さらに、「仏政府傘下の放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は、・・・事故で海洋に放出した放射性セシウム137の放出量を約2・7京(テラ)ベクレルとする調査報告書を発表」、「東電が5月に発表した・・・セシウム137の推計値の約30倍になる」、「放出量は3月21日から7月中旬までの推計値。うち82%は4月8日までに流れ出た」とのことです。ちなみに、日本原子力研究開発機構などがまとめた3月21~4月30日でのセシウム137の放出量は3600兆ベクレル(今回の約7分の1ですか)で、その時の海への総放出量が1・5京(テラ)ベクレルでしたから、同機構の試算もかなりの過小評価ですが、(期間等の違いはありますが)東電の過小評価は余りにも酷いということが分かります。

 これも単純計算で30倍すると、恐ろしい放射性物質の総量が海へ放出(或いは空からの降下)したことになります。こう見ていますと、やはり何十種類とある放射性物質(核種)をそれぞれ推計し、それを合計しないと正確な放出総量は出てこないということになりますが、その元のデータとなる情報を、東電や政府が未だに隠蔽している以上、汚染の正確な把握は難しいと言わざるを得ません・・・

P.S. 上記のノルウェー等の研究チームの見解では、「キセノンの放出は地震で原子炉が緊急停止した直後に始まったとみられ、原発が地震で損傷した可能性がある」ということです。それが1号機だけなのか、1~3号機全てなのかは分かりませんが、少なくとも、地震が原発を壊したことは否定できない事実のようです。大飯原発3号機がストレステストの報告書を出しましたが、現在のストレステストは、これまでの(それも電力会社側の用意した、それも間違いだらけで再調査を求められているような)データを元にして行なわれた(ている)ものです。事故による検証も、それに基づいた新たな指針も示されない中での、全くの「自己評価」、ヤラセテストです。これで安全性を確保できたなどと、口が裂けても言えないのが道理というものだと思うのですが・・・

P.S.2 さらに同チームは、「4号機の使用済核燃料プールへ注水を開始した直後から放出量が激減した、プール内の核燃料が損傷して放出された可能性を挙げ」ています。つまり、運転を停止した状態でも、燃料プールに使用済み核燃料や使用中の核燃料がある限り、危険はあるということです。地震等でプールそのものが損傷することもありますし、電源喪失で冷却できない場合もあります。そもそも、使用済核燃料が、原子炉容器の頭の上にあるということが構造上の致命的な欠陥となっているのです。この(事故前から指摘されてはいましたが)事故で判明した、構造上の致命的欠陥を取り除かない限り、ストレステストなど全くの茶番です。原発再開など、考えられないのです・・・

市民原子力委員会 提言⑥

「原子炉の耐震基準となる基準値振動を、これまで地震により計測された最高値である約1700ガル(柏崎刈葉原発)とし、原子炉建屋のみならず、タービン建屋の耐震基準もそれに準ずるものとすること」
 *本来なら、原子炉建屋とタービン建屋が分離していること自体が、(地震の揺れに対して)非常に危険(脆弱)であり、一つの建屋内に造らなければならないものです。

市民原子力委員会 提言⑦

「使用済核燃料は、使用済核燃料専用の保管施設を新たに造り、全てそこで厳重に保管すること。施設は(免震用のバネ等を使って、密閉したプールをさらに水で取り囲む)二重のプール構造とすること」
* 現在の燃料プールは、定期検査時に、使用中の取り出した燃料だけを入れる施設とする

市民原子力委員会 提言⑧

「ストレステストは、以上⑦、⑧の条件を最低条件としてクリアーした場合のみ、受けることができるものとすること」
 *テストを受ける以前の資格の問題です。「原告適格」ならぬ、「受験適格」に達していません・・・

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2011年10月28日 | 日記
食品の生涯累積被曝基準 危険値は100mSv?
 
 政府の食品安全委員会は、「健康影響が見い出されるのは、生涯の累積でおおよそ100mSv以上」(引用は『朝日新聞』)との答申を行ないました。「これまで同委員会は、食品だけでなく環境からの外部被曝も含めて100mSv」だとしていましたが、「外部被曝は所管外」として、「食品による内部被曝だけで100mSvという意味だと強調した」そうです。つまり、これまでの基準よりさらに緩和された(甘くなった)ということです。

 この食品による内部被曝の算定の基準は、「外部被曝がほとんどなく、汚染された食品からだけ被曝する状態」を前提として、「福島第1原発による放射性物質を含んだ食品を1年間摂取した場合の被曝線量を全年齢で約0.1mSvとして推計して」おり、「0歳児が100歳まで生きたとしても、生涯10mSv程度という計算になる」そうです。それでは、健康に影響を与える100mSVに達するには、1000年生きなければならないということで、原発事故で汚染された食品を食べて内部被曝しても、誰も健康被害を受けないという結論のようです。

 しかもこの内部被曝の推計線量は、「原発事故後の3月17日に、厚労省が決めた」もので、「食品からの被曝を放射性物質全体で年間17mSvを超えないようにする大枠から、各食品の平均摂取量などをふまえ、1キロ当たりの基準を算定」したものです。年間1mSvではなく、年間17mSvです。しかも、「食品による内部被曝の研究は乏しく、同委員会の審議は外部被曝のデータを中心に行なわれた」そうで、彼等の推定そのものの根拠となるデータがそもそも存在しないのです。

 ご存知のように、これまで高名な専門家と言われる先生方が「100mSv以下は被曝しても安全なのだ」とのたまわれてきたのは、外部被曝のことであってはっきり言って内部被曝のことは全く考慮にはありません。その基準の基準となってきたのが、内部被曝を否定するために作られた組織、IAEAであることに鑑みれば、一目瞭然です。何百キロも離れたスタジオから、原発事故を遠望しながら、まず届くことのない(放射性物質ではなく)放射線の影響はないと、断言していただけに過ぎないのです。

 今回の内部被曝だけで100mSvを許容した基準は、実質100mSvを認めている外部被曝の100mSvと合わせれば、計200mSvまでは被曝しても良いんだと、言っているようなものです。原発作業員の外部被曝による(殆ど認められることのない)労災認定でさえ、(正確な数字は忘れましたが)50mSvで認められているケースもあるにも拘わらず、今回の基準では、(年間17mSvを基準にした)汚染された食品を食べ続けても、0歳児が100歳まで健康で生きられると言うのです・・・これでは、汚染食品にお墨付きを与えているばかりか、放射能汚染を引き起こした原発事故そのものを肯定するようなものではないでしょうか?今回の答申を受けて厚労省は、食品の基準を「影響を受けやすい子どもを前提に進める」そうですが、危険を「安全」だとして押し付ける彼等に、何も期待するものはありません・・・

P.S.  文科省はSPEEDIの情報公開をしなかった理由を、不正確なデータを下に算出したものだからとしていましたが、連載「プロメテウスの罠」によれば、「原子力安全委員会が定めた指針では・・・単位放出または事前に設定した値で計算する」というマニュアルがあり、ホットスポットをピンポイントで指定した正確なシュミレーション結果も、この単位放出を元に算出されたそうです。しかしこの「正確」な情報が避難に活かされることはありませんでした。しかし問題はそれだけではありません。事故時の原子力災害対策本部長である「首相の菅直人も、経済産業省の海江田万里も、官房長官の枝野幸男もSPEEDIを知らなかったと主張」、(海江田、枝野は20日過ぎまで知らなかったと)国会答弁までしています。連載の続きはまた後日・・・

やはり放射能汚染水(地下水)の漏出は止まらない?

2011年10月27日 | 日記
 朝刊(『朝日新聞』)によると、「東京電力は・・・敷地内にたまっている放射能で汚染された地下水が海に漏れないようにするための遮水工事を28日に始める」、ただし「陸側の遮水壁効果が薄いとして建設を当面見送る」、「工事は発電所の東側で敷地から4メートル海側に、高さ22メートルの鋼板700個を敷地周辺800メートルにわたって打ち込む」、「さらに敷地と鋼板の間に土を埋める」予定だそうです。

 私の拙い理解では、敷地内にいくら矢板を打っても汚染した地下水を止められない(遮水できない)ので、海に矢板を打ち込んでできるだけ汚染水を囲い込み、土を埋め込んで吸収させるという案のようです。実際、原子炉に注水し続ける限り、その汚染水が漏れ続けるわけで、また地下水と混じって海へ流れる出続けているわけですから、今可能な最善手なのかもしれません。それでも、永久に吸収し続けることもできませんから、結局は溢れ出てしまうか、矢板の隙間から少しづつ漏れるのではないかとは思うのですが・・・

 話は変わりますが、南相馬市のホールボディーカウンターで検査した小中学生(527人)の半数から、放射性セシウムが検出されたそうです。体重1キロ当たり10ベクレル未満が199人、10~20ベクレルが65人、20~30ベクレルが3人、30~35ベクレルが1人とのことです。「新陳代謝が高い小学校低学年で30日程度で半分が出ていく」(大人で100日程度)とのことですから、当初の被曝量はそれなりに大きかったと思われます。ちなみに、「ベラルーシのベルラド放射能安全研究所は、子供の場合、放射性セシウム体重1キロあたり70ベクレル以上を危険レベル、20ベクレル以上を要注意レベルと決めて対策を取っている」とのことです。

少なくとも、今後内部被曝しないように、最善の注意を払ってあげたいところなのですが、暫定基準値以下を「安全」として、放射能汚染した食物を流通させている現在の状況では、それも叶わない現実があるのですが・・・

P.S. 連載している「プロメテウスの罠」によると、原発から5キロに設置された対策本部は、14日夜には撤退を決め、15日午後には原発から60キロ離れた福島県庁にまで退却しています。(さすがに素早い逃げ足です)しかし、浪江町や川俣町には、まだ多くの住民が残っていました。15日夜に放射線の測定を指示された研究者の木村さんは、指示された3ヶ所の放射線を測定、赤宇木では330μSv/時もあったそうです。しかしながら、その数値は住民に伝えられることもなく、避難に使われることもなかったといいます。その指示された3ヶ所は、ピンポイントで高い放射線を示していました。政府は既に、SPEEDIを基にしたシュミレ-ションで、危険な汚染地域を把握していたわけです。にも拘らず、住民や町に伝えることもなく、避難もさせなかった・・・これは明かな犯罪ではないのでしょうか?・・・

P.S.2 1号機で爆発が起こった3月13日未明に、原子力安全委員会の助言組織の鈴木氏は、政府の緊急災害対策本部にヨウ素剤の服用に関する助言をファックスで数回行なっています。しかし当日の自治体へ出す支持案には、ヨウ素剤の服用には触れておらず、氏は再度、「除染及び安定ヨウ素剤服用」を助言したそうですが、政府は結局、原発周辺の自治体に服用の指示を出すことはありませんでした。これに対し対策本部は、その「紙(ファックス)自体が確認されていない」と答えているそうです。まさに緊急災害に対応する資質なしの体たらくです。

助言などなくても、服用の指示を出すのが当たり前の状況ではないのでしょうか?それをそうした助言の事実さえ否定し、隠蔽しようというのですから。これもまた犯罪と断じることのできる行為だと思うのです・・・ちなみに、服用すべきだった(体表面汚染が1万cpmを超える)住民の方々は約900人いるそうです。(1万cpm以下でも、子供には全員飲ませるべきだったのです)「服用していれば、14日、15日に起きた爆発での被曝を軽減できた可能性があ」ったとのことですが・・・

税金を入れるなら東電の「破綻処理」を!

2011年10月25日 | 日記
 東電が原子力損害賠償法に基づいた保険金(1200億円)を国に請求しました。保険金なのでまあ当然といれば当然なのですが、東電がこれまでに支払った保険金は約150億(以下、参照及び引用は『朝日新聞』)だそうで、1150億円は税金です。正直、この原発は人災事故であり、きちんと安全対策をし対処していれば、ここまでの事故(被害)にはならなかったと思えますから、非常に納得がいかないものがあります。東電の瑕疵が余りにも大きい為、支払う必要はないものと思えるのです。

 さらに東電は、「東電救済法」(原子力損害賠償支援機構法)に基づいて、「当面の賠償費用として7000億円程度の支援受ける」ため、「緊急特別事業計画(書)」を経産大臣に提出します。「今回は電気料金の値上げは盛り込ま」ない予定だそうですが、事故の責任を全く果たしていない現在の東電が、電気料金を値上げするなどもってのほかです。少なくとも、今後東電が税金を賠償金として頂きたいというのであれば、東電の破綻処理を行い、きちんと責任を取ってからのことだと思うのです。

 政府の第三者委員会「経営・財務調査委員会」(同委員会は法に基づいていないので、権限がないのです。委員会の提言も甘いのですが、東電ははっきり言って舐めてます)が、たった2年間の損害賠償額を約4・5兆円と見積もっていますが、除染費用、汚染土壌やガレキ等の処理費用、廃炉費用等これから掛かる費用、それも5年や10年ではない長期に渡る支出は何十兆円いえ、何百兆円掛かるか分からないのです。(実際、東電どころか、国家として払える額ではないのです)これだけの支出を国に、国民に押し付けたまま、東電が企業として維持されるなどということは、許されてはいけません。被災者(被害者)救済のために、国が、国民が賠償を肩代わりするということは致し方ないかもしれませんが、国(民)の税金を入れる以上、これだけの(人災事故による)被害を及ぼした東電を、企業として残すことなどありえません。破綻処理し、法に基づいて粛々と処理すべきなのです。

 責任の取り方としては、
①現在の東電幹部(社長、会長、顧問、常務等)は、まず今回の責任を取って職を辞することです。勿論、退職金は無しにです。
②株主や社債権者、金融機関(銀行)は、応分の負担を担わせることです。どこまで負担を負うかは議論が必要ですが、株や社債、債権の(一部)放棄は、投資を行なった側として当然追うべきリスク(責任)です。
③社員、OBは、給料やボーナス、年金等の大幅カットを受け入れなければなりません。社員だから関係ないなどとは言えない、重大な事故を起こしてしまった以上、これもまた応分の負担を負わなければなりません。

 まずはこうした責任を取って初めて、東電は「支援機構」に賠償の肩代わりを「お願い」することができる道理なのです。現在の東電は、こうしたことを殆ど何も行なおうとせず、加害者としての自覚もないまま、それこそ殿様か何かのようにふんぞり返って、自ら犯した人災事故(犯罪)の尻拭いを実質国民に押し付けているのです。これが東電をはじめとする企業の体質であり、「利」のシステムではあるのですが、このまま狂犬カダフィならぬ「東電」を野放しにするのか、デモや内戦を起こしてでも、東電だけはやっつけるのか(それも大変ですが)、まずはこの「利」の構造を(敵は東電ばかりではないので)じっくり眺めながら思案しなければならないようです・・・

P.S. 東電が事故時の「手順書」をやっと公開しました。非公開の理由であった知的財産権の保護の必要も、テロ対策に関わる重要な情報もないようです。(保安院でさえ、「制限すべきものはない」と認めています)全くもって茶番です。と言うより、ふざけています。自らが重大な被害をもたらした人災事故の当人であり、放射能を撒き散らし、被害を与えるという犯罪の被疑者であるという自覚が全く感じられません。(未だに「重要な情報が載っているので、非公開にすべきだという立場に変わりはない」と豪語する始末です)武田先生も書かれていましたが、何故司法当局が動かないのか、不思議で仕方がありません。(そう言えば、裏金問題では、警察も真っ黒の資料を提出していましたが・・・)上記に記したのは民法上の責任の取り方ですが、刑法上の責任も当然求められてしかるべきだと思うのですが・・・

P.S.2 「福島県大熊町の住民有志が・・・除染の作業で出る汚染土を管理する中間貯蔵施設の町内設置を要望」、「そのかわり定住の環境、土地、家や農業の土地を政府で示して」、集団移転できるよう提案したそうです。現実を直視しての賢明な決断だと思いますが、悩み抜かれての判断だと思います。帰れないという状況を受け止め、受け入れられたのだと思います。それよりもむしろ、これから先を考えて現実的に歩んでいくことを選ばれたのだと。私のような人間が言うと、差別的な話になってしまいますが、最早何十年どころか、何百年も帰って生活することは叶わないぐらい、同町は汚染されてしまっているのです。ですから、中間貯蔵施設(これは実質的に最終処分場となります)の受け入れを(一部にしろ)住民の側から申し出てくれたことを、政府はきちんと受け止めるべきだと思います・・・

(余りにも失礼なので、オフレコとして読まれて下さい)たとえ、この住民の動きが、政府や自治体と連動したヤラセ(悪く言うと、住民を金で釣って言わせている)であったとしても、私はこのヤラセを認めざるを得ない、という立場です。このヤラセの「構造」こそ、現在の社会そのものであって、私自身も首まで浸かっている現状だからです・・・やはり、「狂犬企業」東電だけ消し去っても、駄目なのでしょうねえ。私たちが煩悩に満ち、この世の「利」のシステムそのものが温存されている以上は・・・)

千葉県柏市 27万ベクレルの怪

2011年10月24日 | 日記
 千葉県柏市の空き地から検出された27万ベクレルという高放射線、同空き地の土壌は、セシウム134とセシウム137の比率から見て、原発事故由来のものだということですが、降り注いだ放射性セシウムを含んだ雨水が、破損した側溝から土中に滲み込んで濃縮し、あれだけの高濃度になった、報道は一様にそういう結論になっています。しかし、TV画面で問題の側溝を観ましたが、非常に細い50cmほどの溝でそれほど水量があるとは思えませんでした。

確かに、「柏市にはセシウム134と137の合計で1平方当たり6万から10万ベクレルの高い蓄積量の地域があることが分かっているが、今回検出された土壌は単純計算で、これより100倍以上高い」(『朝日新聞』)とのことで、有り得るけれど、それにしても俄かには信じ難い数字です。昨日のブログでも、焼却灰の不法投棄では?と書きましたが、焼却灰でなければ下水汚泥を事故直後にそのまま捨てた可能性もあるのではないかとの思いは残ります。いずれにしても、あってはならないスーパー・ホットスポットがあったわけですから、他にもあると考えるのが理の当然です。

文科省の汚染マップが更新されましたが、問題の柏市には3月21日夜から22日未明にかけて流れてきた放射性プルームが茨城県南部、柏市のある千葉県北部の一部、それから北上して群馬県のかなり広範な地域を汚染しています。(「汚染地域」として指定し、除染すべきです)こうした地域でも、柏市のようなホットスポットは点在している可能性は高く、各自治体は早急に実態の把握に努めて頂きたいと思います。

P.S. これまで下水汚泥、その焼却灰でも27万ベクレルを超えるものはありませんでしたが(10万を超えるものは出ていましたが)。これはコンクリートで遮蔽して厳重に管理しなければならないものです。国は多分、基準を作った時に、これを超えるものはまず出ないと思って線引きをしたと思うのですが、まだその処分先は決まっていませんから、どうするのか、早く回答を出して頂きたいと思います・・・

P.S.2 やはり、下水汚泥や焼却灰等の処理基準(8千ベクレル以下は埋め立て可能、10万ベクレルまでも遮水等設備が整っていれば埋め立て可能)は、必ずや不法投棄を誘発するものと思います。このような甘い基準では、放射性物質が我々の生活の場の至る所に存在していまう危険性があります。やはりまともな基準を作り直すべきだと思うのです・・・

市民原子力委員会 提言⑤

「放射性能汚染した下水汚泥や焼却灰、或いはガレキ、除染した土壌は全て、その放射線濃度のレベルに関わらず、放射性物質専用の施設に厳重に保管すること」

 武田先生がブログで、福島第1原発の5キロに焼却施設を造ることを提言されています。私自身は焼却そのものに反対ですが、5キロ圏内であれば住民の方もいませんし、飛散しても周辺30キロ近くは立ち入り禁止ですから、その影響は小さいかと思います。(ただ、他地域から持ってくるというのは問題がありますが・・・)

事故で汚染した土地に保管施設を造る、避難されている住民の方々にとっては耐え難いものでしょうが、最も現実的な案だと思います。しかしながら、原発を推進してきた政府、意図的に住民の方々の被曝を防がなかった政府、避難支援すらまともに行ってこなかった政府が、いくら被災自治体や住民を説得しようとしても、これは難しいことかもしれませんが・・・

狂犬カダフィの私刑

2011年10月23日 | 日記
 狂犬と言われたカダフィ大佐が殺されました。それまで多くの人間を虐殺してきたと云われる同氏には因果応報というものなのかもしれません。それでも正直、人の死(リンチ)の映像は観ていて決して気持ちの良いものではありません。一方で、歓喜する反カダフィ派の人々。抑圧され、虐殺されてきた側の人々の気持ちは理解できるのですが、彼等の敵は決してカダフィ一人ではない、というよりも、カダフィの背後にあり、カダフィを(或いは彼等のデモや戦闘さえ)利用してきた者たちが、いずれ彼等の目にもはっきりと分かるようになるのではないかと思うのです。

 某評論家が言っていましたが、これまで、独裁者によって中東や北アフリカの政情は安定していました。今後、同地域は不安定になってこざるを得ないと。欧米先進諸国(福沢の言う「文明」の国)は、彼等のデモや戦闘を、独裁者に対する自由を人権を求める「民主化」などとふざけた冠を付けて「アラブの春」などと持ち上げてはいますが、実は現在の状況は、これまで同地域を抑えてきた、かつての(植民地化し奴隷として彼等を利用し続けてきた)「宗主国」の力が衰えているということの現われなのです。彼等「文明」の国々は、実はカダフィやムバラク、フセイン等の独裁者を後押しし、この地域を支配させ、その陰でそれまで何百年と続いてきた、植民地化して奴隷として利用し資源を貪る「利」のシステムを維持してきたのです。(それは、「開発独裁」といわれるアジアやアフリカの他の諸地域でも同様の構図です)

 現在の「文明」の国々には、経済的にも軍事的にも、そして政治的にもかつての勢い(実力)はありません。それで抑えきれなくなった不満が、独裁者に向かって噴出しているのです。デモを起こし、独裁者を倒しても、国内でさえ同じような面々が指導者となり、それを「民主化」と煽(おだ)てられ、実質何も変わらないまま、この「利」のシステムが温存されるという状況になっています。ただし、「文明」の国々にも、実質的にこうした動きを封じるだけの力は最早ない、だからこそこの先は不透明で不安的になってこざるを得ないという状況なのです。(正に某友人Mさんの言うように)、「覇権国」不在の「過渡期」なのです。

 一足先に「民主化」を達成したエジプトは、選挙を控えてデモに参加した多くの人々がその熱気を失っているそうです。独裁者を倒しても、国内の構造が何も変わっていないことに気が付き始めているのです。ましてや、「文明」の国々との「利」の関係を断ち切る力が、自国にはないことが理解され始めているのかもしれません。「アラブの秋」です。そしていずれ「アラブの冬」が来る・・・(「文明」の国々の付けを払わされる形で、)悲惨な結末にならないことを、祈るばかりです・・・

P.S. (『朝日新聞』によると、)東電は2006年、「福島第1原発の全電源喪失を防ぐため、・・・1~6号機を電気ケーブルでつないで電源を融通し合う改良工事を検討」していましたが、技術的な障害を理由に断念していたそうです。技術的に工事は可能だったとの指摘があり、「改良工事をしていれば、重大事故を防げた可能性がある」とのことで、たった数十億の工事を、手間と費用を惜しんだ、との批判は免れないように思います。シビア・アクシデントを防ぐ、こうした分岐点はいくつもあったはずなのですが、それを受け付けなかった東電の体質がはっきりと分かりますし、その体質と構造は、事故後もなんら変わってはいないことが、事故の対応から情報開示、賠償の対応を見ても明らかなのですが・・・

P.S.2 千葉県柏市の空き地の地下30センチから、27万6千ベクレル(空間線量で57.5μSv/時)もの高濃度のセシウムが検出されています。何故そのようなところに、これだけ高濃度の物があったのか判明していませんが、もし仮にこれが下水汚泥の焼却灰で、放射性物質の濃縮されたものであったとすると、非常に問題です。どんどん溢れ続ける高濃度汚染した(10万ベクレルを超える)焼却灰の処理に困ったどこかの自治体が、業者に頼んで処理を任せたけれど、これまた処理に困って不法投棄したということも考えられ、それはまた、同様に不法投棄が人里離れた地域で行なわれれば、気づかれることもなく高濃度の放射性物質が全国に拡散するという事態にもなりかねません。私のいつもの妄想が現実とならないことを願いはしますが・・・


原子力防災指針の不十分かつ遅過ぎる見直し

2011年10月21日 | 日記
 政府の原子力安全委員会は、原子力防災指針の見直し案を発表しましたが、その内容は原発事故の対応としては不十分であり、福島第1原発事故後の問題点を取り入れているとは到底思えないものです。

 当該見直し案の要旨は、(参照、引用は『朝日新聞』)
①従来のEPZ(8~10キロ)を廃止し、「PAZ」予防的防護措置準備区域(5キロ圏内)を設けて、重大事故発生時に無条件に避難する地域と設定
②30キロ圏内を「UPZ」緊急時防護措置準備区域として、一定以上の放射性物質が飛散したら避難する地域とし
③50キロ圏内を「PPZ」屋内退避、ヨウ素服用対策準備区域として、安定ヨウ素剤の準備と屋内退避を行なう地域としています。

 どうもこの不十分過ぎる見直し案は、「IAEAが2002年に加盟国に対して、整備すべき基本要件として提示していたもの」で、「日本では、2006年の原子力安全委員会の作業部会で、IAEAの基準を念頭に置いて防災指針の見直しを検討したものの、『現行の指針で柔軟に対応が可能』などとして見送られた」内容のものです。もう10年も前の指針を導入してどれほどの意味があるというのでしょうか?それも、事故によってそのIAEAの指針ですら対応できなかった(可能だったのにしなかった点と、対応できる指針でなかった点があります)のに、事故を受けてのそのIAEAの原子力防災指針の見直しこそ必要なのだと思うのです。

 これまでの指針でも対応可能だったのにしなかったこととしては、
①事故に関する情報(原子炉の状況や放射能拡散状況等)の全面開示
②それに基づいた避難指示と避難民の誘導及び避難支援
③避難後のサポートを情報提供及び、避難体制の見直し、です。
 これらの点は、何故従来の指針が機能しなかったのか、システムと人的な問題として反省し、確実に実行できるようにすべきです。また、現在の避難体制で十分なのか、見直しが求められるところです。

 また、対応できる指針でなかった点というのは、(上記と重複しますが、)もともと原発事故の想定と防災指針が甘すぎて、対応できるものではなかったという点です。今回の事故を見ても、50キロはゆうに及ばず、60キロを超える地域で高レベルの放射能汚染が判明しています。一律に距離だけで議論するのは問題ですが、少なくとも緊急時には(米国が取ったように)、80キロ圏内の住民は一時的にしろ、原発事故が収まるまで避難する、というのが事故を不幸にも経験した国として、当然取るべき方針だと思います。その後、事故が収束し、或いは放射線レベルが低下、或いは除染が完了した時点で、居住地へ戻れば良いのではないかと思います。

 ただ、そうなると、どうやって避難情報を周知し、パニックなく避難を完了させるかという、非常に大きな難問に突き当たります。今回の指針見直し案でさえ、対象市町村は3倍、居住人口は4倍(約205万人から約793万人)になるとのことで、市町村レベルでも、県レベルでも対応し切れる範囲のものではないことが分かります。それでも原発を稼働し続けるというのであれば、さらに膨大な数の避難者への対応を含めて検討していかなければならないと思うのです・・・。(それで実際避難は困難というのであれば、原発を全て止めるしかない、或いは住民を避難させることができる防災指針を立てることができる自治体だけに原発の稼働を認めるということにしなければならないと思うのです・・・)
 
P.S. これに対して「電力会社は、防災対策の範囲が・・・拡大すると、原子力安全協定の締結を求める自治体が増えかねない」として警戒しているそうです。特に、停止した原発の再稼働の際に求められる事前了解が必要な対象自治体が増えれば、「再稼働のハードルが高くなる」ことを嫌っているのでしょう。これまでの立地自治体は、規模も人口も小さく、財政的にも原発交付金や寄付金に依存する割合も高かったですからはっきり言って御し易かったでしょうが、範囲が拡大し、対象自治体も増えれば、大きな市や人口の多い地域も増え、そう簡単には「騙せ」なくなってくるからというのが本音でしょう・・・

P.S.2 一方、「東京電力福島第1、第2原発周辺の8町村と各議会でつくる『双葉地方電源地域政策協議会』が」、「廃炉後も地域の自立的な発展が図られるよう」、「国に『廃炉交付金』を創設するよう要望する」そうです。背に腹は変えられませんから(また被災自治体でもありますから)、その是非は論じませんが、これでは結局、同じ構造のまま何も変わらず、「自立的な発展」などかなわない「依存」した状態が続くことになります。同じ過ちを繰り返さない、繰り返させないという言葉は、口が避けても言えない、そんな哀しき苦悩に満ちた現実がここにはあります・・・

深刻な放射能汚染水の増大

2011年10月20日 | 日記
 福島第1原発の放射能汚染水がこの4ヶ月で大幅に増大しているそうです。(以下、引用は『朝日新聞』)

「東京電力の公表データをもとに朝日新聞が試算したところ、水処理施設が本格稼働した6月下旬以降、1~4号機の建屋地下には1日当たり約450トンの地下水が流れ込み続けている」、「流入量は降雨と連動しており、台風による大雨後の9月下旬には倍増」、「流入した水は建屋地下の汚染水と混じり、高濃度放射能汚染水として処理施設に送られる」、「6月下旬、原発敷地内には、高濃度放射能汚染水と処理後の汚染水が計約12万7千トンあったが、地下水が流入した結果、10月18日現在、4割増えて約17万5千トンに」増大しているとのことです。

「処理すべき水が増えている現状が続けば、施設に過分な負荷がかかり、不具合につながりかねない」のですが、「地下水流入を完全に止めるのは難しく、東電は対策工事を計画していない」状況です。こうした現状を、東電は殆ど公表していません。今回は同紙の試算で汚染水の非常に厳しい状況が分かりましたが、原発人災事故の責任者(加害者)として、東電はこうした(都合の悪い)現状をもっと適切に国民に説明していく義務があると思います。

ただ、その対策は確かに非常に困難だと思われます。原子炉からの汚染水漏れを止めることはほぼ不可能です。本当に溶融デブリが冷温状態なら(武田先生の言われるように、かなり熱量は下がってきているようですが)、注水も必要がなくなりますし、汚染水が増えることがなくなるのですが、そこのところが実際分かりません。地下水の流入に関しては、(素人なのでよく分かりませんが、手前で矢板を打ち込んで)建屋に流入している地下水の流れを変えたり、外堀を掘ってポンプで海へ汲み出すとか、できないのでしょうか?東電は対策工事を考えてないようですが、できることは可能な限りやってみるべきだと思います。放射能汚染水の増大は、非常に大きな問題です。看過できるような小さなことではないのですから・・・

P.S. 只でさえ役立たずのアレバとキュリオン社製の処理施設はもう随分と前に停止しており、東芝のサリーがなんとか稼働率を上げて汚染水処理をしている状況ですが、汚染水が4割も増えては処理が追いつくはずもありません。「淡水化処理に伴って出る塩分の濃い濃縮廃液はタンクにためられるが、増え続ければタンクを増やす必要がある」、「現在、毎月2万トン分のタンクを増設している」状況で、処理後の放射性廃棄物もどんどん増えており、課題は山積しています・・・

P.S.2 厚生労働省は14日、「250mSvに引き上げていた作業員の被曝線量の上限を、事故前の100mSvに戻すと発表」、「新たに働き始める作業員に適用する。すでに働いている作業員は例外として旧基準の250mSvとする」、「また、原子炉冷却や汚染水処理の作業などで深刻なトラブルが起きた場合も、旧基準を適用する」そうです。なんとも欺瞞的な「引き下げ」です。結局、同原発で「9月末までに計約1万9千人の作業員が働い」ており、彼等は「例外」扱いなわけで、しかも新たに働く作業員も含めて、何か「深刻なトラブル」(最早深刻でないトラブルなど一つもありません)が起きれば、またぞろ250mSvを適用するわけです。一体何が変わったというのか、私には全く分かりません・・・

P.S.3 「原発とは共存しない」として、南相馬市の市長が、1億6千万の原発交付金の受け取りを放棄したそうです。同様に浪江町も受け取らないそうで、財政の厳しい自治体が、これだけの決断をするのは非常に勇気が必要だったと推察します。今後、有形無形の不利益(圧力)を被ることになるわけですが、その決意と決断を(無力な一農民では露ほどのご支援もできませんが、)ご支持申し上げたいと思うのです・・・

ホットスポットの徹底調査と除染を!

2011年10月19日 | 日記
 文科省のセシウム汚染マップが少しずつ出てきていますが、余りに調査開始とペースが遅すぎて、実態に即した取ることができない状態になっています。逆に言うと、実態に即した対応を取らない為に、調査開始を遅らせ、時間を掛けている、ということも言えるかと思います。その結果、汚染度の高い地域、本来なら強制移住しなければならない地域も、未だに住民の方々が被曝の不安の中で暮らさなければならない、或いは被曝しながらその補償対象とならないという状況に晒されています。

 同汚染マップは空からの測定と地上からの測定を総合して作成しているそうですが、ホットスポットまで洗い出せるわけではないようです。同マップは叩き台に過ぎず、詳細な汚染マップはこれからの調査によるわけで、特に汚染の高いホットスポットに関しては、今後のできるだけ早い調査が求められますが、実際には、政府は何も行なっておらず、自治体の動きも緩慢です。これまで各所でホットスポットが見つかっていますが、殆どがお母さんの会や市民グループが自前で調査し、見つけ出しているものです。(実際そうしなければ、最早子供を守ることなどできない現実があります・・・)

 一昨日は東京足立区の東渕江小学校の雨樋の下から、3.99μSv/時という高線量の放射線が検出されました。年間積算で21mSvに達するものです。こうした事態に対し、(やっと政府も)ホットスポットの測定方法や除染などについてのガイドラインを作る方針を示したそうです。(まだそんな段階なのです・・・)そのガイドライン(詳細は殆ど何も決まっていない)では地上1メートルで複数地点を測るそうですが、先のホットスポットも地上5センチで測定されたもので、1メートルの地点では0.24μSvです。子供の視線で、子供の行動を考えれば、地上5cm(同地点での5cm、50cm、1m測定)で測定していくことが必要になってきます。(そう言えば、事故直後は、地上何十メートルでの観測数値が公表されていたのでした・・・)

 同小学校は、昨日除染し、0.15μSvまで落ちたそうです。やはり除染はしなければなりません。またホットスポットとなりそうな場所は雨樋の下や側溝、また落ち葉等、濃縮される場所は大体分かっていますから、特に学校や公園など、多い子供たちが土に接する機会の多い地点を優先的に調査をし、除染していかなければならないと思います。自治体の調査は、公園の中央1地点の測定だけという所もあるそうです。現状では、国にも、自治体にも任せられない、市民が、親が自分たちでやっていかなければならないように思うのです・・・

P.S. 千葉県の船橋市の「ふなばしアンデルセン公園」でも、市民グループの調査で5.82μSvの高線量が検出され、その後市が検査をしました。そう言えば、過日の横浜市のストロンチウム検出もそうでした。行政の対応は、全てが後手後手です。後手どころか、除染もしていないのに避難準備区域を解除したり、「冷温停止」を年内までと宣言したり(東電も工程表に明記したそうです)・・・実がないのです。批判が多くなると、渋々対応しているに過ぎないのです。やはり、自分で動くしかない、或いは動くように政府に、自治体に声を上げ続けるしかない、ということなのでしょう・・・

P.S.2 南相馬市小学校5校が再開しました。7ヶ月ぶりだそうです。子ども達の笑顔に救われるものがありますが、その子供たちを守らなければならないという思いにも駆られます。学校の除染は済んだそうですが、本当に大丈夫なのか、ホットスポットはないのだろうか?と・・・それに、地域全体としての除染はまだのようですし、子ども達の住む家の除染もまだのようです。せめてそうした除染が完了してから、戻っても遅くはないのではないかと、私などは懸念するのですが・・・