プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

泥仕合が始まった

2011年05月22日 | 日記
 『産経ニュース』によると、「東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発1号機に関し、3月12日に東電は原子炉への海水注入を開始したにもかかわらず菅直人首相が「聞いていない」と激怒したとの情報が入り、約1時間中断したことが20日、政界関係者らの話で分かった」、「政府発表では3月12日午後6時、炉心冷却に向け真水に代え海水を注入するとの「首相指示」が出た。だが、政府筋によると原子力安全委員会の班目春樹委員長が首相に海水注入で再臨界が起きる可能性を指摘、いったん指示を見送った」、

「ところが、東電は現場の判断で同7時4分に海水注入を始めた。これを聞いた首相が激怒したとの情報が入った。東電側は首相の意向を受けてから判断すべきだとして、同7時25分に海水注入を停止した。その後海水注入でも再臨界の問題がないことが分かった。同8時20分に再臨界を防ぐホウ酸を混ぜたうえでの注水が再開された」とのことです。

これに対し、「細野豪志首相補佐官は過去に発表した政府資料を都合良く訂正した上で「事実に基づかない」と反論」、「総理もずっと後からになって知った」、さらに「東電は最初の海水注入開始と停止について、保安院に口頭連絡したが、保安院は『記録はない』と説明」(『朝日新聞』)したとのことで、どうらや、言った言わないの泥仕合、責任の押し付け合いが、東電と政府官邸、保安院との間で勃発したようです。ここのところの情報の漏洩も、そうした意図的なきな臭さが感じられます。

ただ、いずれにしても、1号機に関しては、地震後5時間目には水位が燃料より低くなってきており、メルトダウンが始まっていたことを考えると、ベントや海水注入が致命的にも1日以上遅れたこと、それがメルトダウンや水素爆発につながり、大量の放射性物質の放出に繋がったことは間違いのないことだと思います。また、少なくとも1号機に関しては、(小林先生の言われるように)地震による配管破断が冷却水を漏出させ、空焚き状態となりメルトダウンを起こしたようで、地震発生から数時間のまさに初動が全てこの事故の命運を握っていたのであって、その対応の遅さと誤まりは、東電も政府官邸も保安院も誰も逃れることはできない「事実」であると思うのですが・・・

P.S. 「1号機の原発建屋で、3月11日の地震発生約3時間後に、放射線を検出していた」(『朝日新聞』)とのことですが、これはやはり配管破断による放射性物質を含んだ冷却水が漏れ出したことを支持するデータのように思います。単に津波による電源喪失だけが、この原発人災事故の原因ではないのです・・・

P.S.2 東電清水社長は(給料のない)顧問へと雲隠れの術ですか、病院の次は顧問とは、批判をかわす術は一級品のようです・・・

P.S.3 平田オリザ氏は汚染水放出を米から指示された旨の発言を、謝罪と共に取り消されました。折角本当のことを言われたのに、取り消すとは、やっぱりオリザ氏は官僚でも政治家でもない、劇作家なのです。今度は劇場で、得意のシナリオで「真実」を表現されては如何でしょうか・・・

それにしても米国は、3月の17日には、「米太平洋軍が防衛省を通じて首相官邸に(支援)リストを示して」いたそうです。実際に菅政権がやったのは、殆ど意味のない「ヘリからの放水(パフォーマンス)」だけだったということです。その後は米国の「リスト」に従って、粛々と対応してきたのでしょう。結局何もできずに、後は米軍に下ったわけです。さすが、騎兵隊を崇める敗戦の将のなさることは分かり易い・・・(最初からトモダチ(米国)に丸投げしておけば、最悪の状況だけは避けえたかもしれません。良いか悪いかは別にして、少なくとも自民党政権ならば、恥も外聞もなくそうしたかもしれません・・・)

原発人災事故と鬱

2011年05月22日 | 日記
 日本人には、鬱気質の方が8割おられると聞いたことがあります。重篤な方もたくさんおられるのでしょう。日本は10年以上年間3万人以上の自殺者を出す、世界一の自殺大国です。統計はありませんが、戦後100万人をゆうに超える方が自殺によって死に至ったと思われます。私はこの状況は、まさに内戦さながらだとずっと思ってきました。人が人を殺す、究極的な形だと。簡単には言葉にはできませんが、極めて不幸なことですし、辛く哀しいことです・・・

 どうも昨日から気も体も重く、ここの所では最悪のようです。事故後から睡眠が細切れになり、寝ているのか寝ていないのか、良く分からない状態で横たわっている(それでも寝ていると思いますが)日が続いています。Oさんから聞いたのですが、「共感鬱」というのがあるそうです。事故や事故の被災者の方々への共感から鬱になるということでしょう。私には到底、被災者の方々の苦しみを思い遣ることなどできませんから、「共感鬱」ではないと思いますが・・・

 それにしても、震災そして原発事故後、特にTVで繰り広げられる「がんばれ日本」のキャンペーンに、どれだけ憂鬱な気持ちにさせられてきたか分かりません。被災もしていない私でも、もう勘弁してと言いたくなるくらい、「頑張らないといけない」「頑張らないといけない」と何か呪いのように、そして脅迫的に心に刷り込まれてくるのです。私でもそうですから、被災し、家族を失い、家を失い、これまで築き上げてきた全てのものを失った方々は、耐え難い思いでこのCMやキャンペーンを見聞きしておられたことと思います。

 2週間ほど前にTVで、「これまでガンバレ、ガンバレと言われ続けてきたけど、どう頑張れがいいのか分からなかった」と、被災者の方が言われていましたが、被災者の方々だけでなく、この日本自体が、どう頑張ったら良いのか分からなくなってきている、そのように感じるのです。鬱に罹っている人に「頑張れ」というのは、「死ね」というのに等しい行為だということは良く知られていますが、頑張れる人は頑張れば良いのですし、頑張れない人には、もうこれ以上頑張らなくてもいいですよ、これまで良く耐えてきましたねと、その苦しみをねぎらう言葉を掛けるか、でなければ、黙って傍にいることが何がしかの慰めになるのではないかと思うのです。

 それでも、この社会の中で何らかの役割を担い、果たさなければならない人にとっては、「頑張る」ことが使命となっているわけで、その結果が鬱となり、アルコール依存症となり、DVとなり、最終的に自殺という結果になっているのではないかと思うのです。原発の事故による放射能汚染が毎日毎日報道され、その危険と不安、そして恐怖感すら感じるなかで、頑張らないでこの事態と事実を受け入れていく作業が、必要になってくると感じます。ただ、この事故の後遺症は、何百年、何千年と続かざるを得ないのだと思うと、鬱にならない人などいないように思いますが・・・

P.S. 私などはこうして、ブログに自分の思いを綴って、苦しい胸のうちを吐き出すことができますが、できない方はどれだけの重苦しいものを溜め込んでおられるのかと思うと、非常に辛い思いに苛まれます。私のブログを読んでくださる方などは、またそうした方も多いのではないかと思います。ひとえに感謝と労いの言葉をお送りしたいと思うのです。ありがとうございます・・・