妄想、反社会組織の陰謀論、サカキバラ冤罪説

妄想、反社会組織の陰謀論、サカキバラ冤罪説

　今日「恵比寿の日本テレビ・読売カルチャー」の「山口敏太郎のミステリー講座」においても、生徒さんと話題になったのが”サカキバラ冤罪説”である。被害者の遺族感情を考えると、この手の都市伝説に対しては、おのずと拒否反応を感じてしまう。

　だが万が一、真犯人が別にいるのであれば、これはある程度判明している情報を明らかにしなければならない案件である。そもそも”サカキバラ冤罪説”は、反社会的な某グループが唱えてきたものである。（学生運動当時に権勢を誇ったあのグループである）彼らは、真犯人が見つからないので、困り果てた警察が、妄想に取り付かれた少年を犯人に仕立てあげた、と批判を展開していた。

　筆者も基本的に妄想であると思っているのだが、幾つか不審な状況証拠がある。

　まず生徒さんから聞いた情報によるとサカキバラの自宅から一切ルミノール反応が出ないことである。サカキバラは、被害者の遺体を自宅の風呂場で解体したと言っており、ルミノール反応が出ないはずはない。つまり、サカキバラ本人の証言と食い違うのだ。

　また事件発生時に目撃されている”坊主頭の男”や”白い車”の情報である。あれはいったいなんだったのか。事件後の説明がまったくない。というかこの容疑者情報がカットされ、無かったもののようになっている。あまりにも不審である。

　さらに、事件当時、年齢的には小柄だったサカキバラが、被害者の頭部を門柱に置くことが体力的に可能だったのか、という問題が出てくる。人間の頭部は、思った以上に重く、門柱の上に担ぎ上げるのは重労働である。

　しかも、あるライターは山陰で発生した女子大生の頭部切断事件と神戸事件の類似性を指摘している！ひょっとしたら、真犯人は今も何処かで生きているのか。

　闇は限りなく深い。（文・山口）

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