よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の記録143(土星 1st、2ndショット)

2023-08-31 05:00:00 | 太陽系内

土星(Saturn)

画像①FMA135+ASIAIR Plus+ASI585MC+赤道儀化AZ-GTiによる土星(中央)

画像②ASIAIRのスカイアトラス画面(写野)


そろそろ土星も観望したいので、8月25日の電視観望時に手始めに撮影したのが画像①。特徴的な輪は見えない。
資料8によると、眼視では100倍で輪が見え、大気の状態(シーイング)が良ければ約140倍から本体の模様や輪のカッシーニの間隙が見え始めるらしい。冬の眼視観望で輪は確認済みだが、動いていく小さな土星を追うのが精一杯で細かなところまでは観察できていない。
ネット情報によれば、土星や木星を撮影するときは、F30以上が望ましいらしい。FMA135はF4.5 の天体望遠鏡。惑星の観望には適さない。取りあえず、F11.8 のSKYMAX127(反射屈折式天体望遠鏡)に2倍バローレンズを使い、F23.6 で臨むことにした。(天頂プリズムの前にバローレンズを装着すれば3.3倍になり、F39になるが、難易度も上がるので、しばらく標準で使う。)
 
8月27日ベランダ観測所にて、揺れない場所にSKYMAX127を設置して臨む。無理な姿勢での土星導入を乗り越え、AVIビデオを1本撮影(画像③・④)。
 
画像③土星を撮影した500framesの動画再生画面
 
画像④③のAVIファイルをASIVideoStackで50%スタック処理後の画像
撮影後、AVIファイルを視聴して驚く、真っ黒。時々淡い光の線がかすかに見える。ASIVideoStackで、スタック処理(50%)を行うと、画像④が現れた。これにも驚いたが、とりあえず土星は撮れた。ステライメージLite等でいろいろ調整する、しかしこれ以上は改善せず。資料6(P39)によれば、露出アンダーの『黒つぶれ』とのこと。さらに本には対策として、SharpCapPro画面でヒストグラムを見て露出状況を判断する目安も記述されていた。それを頭に入れる。28日は機会を逃し29日。
 
画像⑤8月29日1本目AVIファイルからのスタック画像
 
画像⑥8月29日2本目AVIファイルからのスタック画像

29日は月の撮影を終え、土星撮影のためSKYMAX127に載せ替えようとしていたら、館長から『今日は何時まで観測するの?』の声がかかる。20時までと答え、今の時間を聞くと19時20分とのこと。
急いでアライメント(月)。そして
・40mmアイピースで土星導入、中心へ
・8mm-24mmアイピースに換えて土星導入、中心へ
・十字線入り照明付き10mmアイピースで、十字のど真ん中へ土星導入
・ASI585MCセット、中心へ土星導入。ピント合わせ。(ピント甘かった)
・スマホでVirtuosoGTiをコントロールして、動く土星を中心近くに導く
・撮影サイズをVGAに変更
・SharpCapProのヒストグラムを見て露出・gain調整
・動画撮影。
1本目は、コントロールしきれず、土星が上へ下へ右へ左へと動く(それでも映像化できた。画像⑤)
2本目は、操作にも慣れてきて、中心付近で少し動くぐらい
撮影後、ASIVideoStackで画像作成。あと様々なソフトでいじくり回しましたがこの程度。
 
映像化十分ではなく、色々課題はあるが、惑星映像化への第一歩は踏み出すことができた。今後も精進あるのみ。

画像⑦iステラHDによる観望位置


参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)早水 勉著「The Book of The Starry Sky 星空の教科書」技術評論社

4)渡邉耕平著「電視観望 実践ガイドブック Ver 1.1」株式会社サイトロンジャパン

5)JUNZO著「アンドロメダ銀河かんたん映像化マニュアル」日本実業出版社

      銀河星雲マニア~JUNZO氏が立ち上げた著書と連動したWebsite

6)渡邉耕平著 根本泰人監修「月・惑星撮影 実践ハンドブックVer1」サイトロンジャパン

7)土星 - Wikipedia

8)天体望遠鏡で惑星を観察しよう~ビクセン Vixen

9)天体望遠鏡の選び方 | ビクセン Vixen(『倍率による見え方』あり)


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撮影データ画像④
2023年8月27日午後11時50分頃
ベランダ観測所
土星
SKYMAX127+ASI585MC+VirtuosoGTi+UV IR-Cutフィルター+天頂プリズム(笠井)+2倍バローレンズ(Vixen)+SharpcapPro4.0
RGB24、Area960×540、Gain=252(Auto)、Exposure=33.3ms×500frames、35.7℃
ホワイトバランス等(AUTO)、AVIファイル保存。SnapShot撮影
ASIVideoStackでスタック処理(50%)。Jpeg保存
FitsファイルをステライメージLiteで画像調整、Jpeg保存
Microsoftフォトでトリミング、彩色等
 
撮影データ画像⑤・⑥
2023年8月29日午後7時40分頃
ニワトリ天文台
土星
SKYMAX127+ASI585MC+VirtuosoGTi+UV IR-Cutフィルター+天頂プリズム(笠井)+2倍バローレンズ(Vixen)+SharpcapPro4.0
Raw8、Area640×480、Gain=410(画像⑤)347(画像⑥)、Exposure=30.7ms(画像⑤)58.5ms(画像⑥)×500frames、約34℃
ホワイトバランス等(AUTO)、AVIファイル保存。SnapShot撮影
ASIVideoStackでスタック処理(50%)。Jpeg保存
Microsoftフォトで若干の画像調整
データ容量300Mbytes
 
画像①②はiPad mini6でスクショ。画像③は、AVIファイル再生画面をプリントスクリーン。