陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日本の良いところ探し

2024-02-11 | 政治・経済・産業・社会・法務

母の日や父の日は両親に感謝しよう! 敬老の日はお年寄りを祝う! 文化の日や体育の日は芸術やスポーツに親しみ、猫の日はにゃんこを愛で、子どもの日や成人の日は若き命をはぐくむ意欲に燃える。

しかし、さて。
建国記念の日は何するものぞ? そんなふうに思ったことありませんか? 

実際のところ、国の記念日なのだから、国民の祝日のなかでも重要な日のはずですが。天皇誕生日はともかく建国記念日の意義が、いまいちよくわかりませんね。2月11日は、日本神話上に登場する神武天皇の即位日とされています。なんと紀元前660年!! いまから2700年ほども前になり、これは世界最古なのです。

しかし、2月11日は、とくに何がしかの公式行事があるわけでもなし。
1966年の祝日法改正でも、「建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。」と定められただけです。しかもしかも、令和になってから、天皇誕生日が増えたため、ただでさえ2月は逃げるの平日日数が少ない月で、べつに2日も祝日なくていいじゃん、むしろ6月に1日寄越せといいたくなるのが、経理事務員の本音でございます。(たぶん小売りの商店主もそうだろう)

そこで今回は、建国記念の日を「日本国を愛する日」とあらためて認識し、日本のいいところ探しをやってみることにしました。

・食事が健康にいい!
和食は日本が誇る料理文化。寿司やお好み焼き、たこ焼き、そば、などカロリーが低くヘルシーな料理は、世界中で愛されています。陶製の器も芸術的センスで選ばれ、品位を感じます。おもてなし文化の基本は日本の食事。

・水が安全に飲める
ペットボトルで水を買わなくていい。欧州などでは炭酸入りのを購入するそうで。江戸時代から下水設備が整い、公衆衛生上も世界に先駆けて保たれていたとか。海洋資源が豊かなので、新鮮な魚介類を使った生食は外国人に驚かれているとのこと。

・自然豊かで緑が美しい
山林が多く、田畑もひろがる地域は、白川郷をはじめ世界遺産認定されてもいます。開発されたり、人口減少が叫ばれてもいますが、半農半Xで兼業希望の移住者もあり、最近は食料自給率低下の懸念から農学部人気も高まっていて、自然相手に仕事をしたい人も増えているみたいですね。

・働き者が多い
ネット上で働いたら負け、社畜になるな、などの言葉がひろがっていますが。原則として日本は働くことが好きな人が多い印象。欧米に比べたら余暇も少なく長時間労働も懸念されてはいますが、そのおかげで宅配サービスが行き届いていたりもします。労働力不足が取沙汰されることから、今後は国民が無理なく仕事ができ、長生きできる環境づくりが必要でしょう。

・治安は極端に悪くはない
物騒な事件事故はあるものの、落し物が交番に届けられたり、女性や子供が夜歩くことが絶対禁止されるほどではない安全さ。失業率が極端に低いわけでもなく、震災時もコンビニの商品を奪われないなどの、倫理観の高さがあるからなのでしょう。ただし、最近はユーチューバーなどのモラルを問われる言動が問題視されていますけどね。

・社会保障、公的医療制度の充実
現役世代の手取りは社会保険料の上昇で目減りしてはいますが、アメリカが国民皆保険制度をうらやむほど、日本の社会保障や公的医療制度はすぐれています。保険とは元気な人がいざというときにお金を出し合って支えあう、国民共同、国民連帯のしくみです。保険証があれば、窓口で原則3割負担ですむのも助かりますね。出産一時金の増額のために、後期高齢者の医療保険料負担額の上限をあげるようですが、所得の再分配制度として機能しています。

・英語がしゃべれなくとも暮らしていける
社内公用語が英語のみなんていう企業でないかぎり、仕事上でも日常生活上でも、日本語で意思疎通できます。むしろ英語ができる前に、日本語できちんと他者とコミュニケーションがとれるかが問題。日本特有のホンネとタテマエ、察する能力、などなどはめんどくさいものの、他者との無用な軋轢や論争を生まずに組織がうまく機能できるようになっています。

・会社員勤めは安定している
アメリカではサラリーマンでもしないといけない確定申告。日本では勤め先が年末調整。派遣社員や契約社員などの、終身雇用を崩壊させる働き方は日本の雇用慣行制度を変えてしまい、中高年の人生設計を危うくしました。高給取りでもすぐレイオフされる働き方は精神衛生上悪いですし、会社に腰を落ち着けて労働貢献しようと思わなくなります。中小企業の正社員は月給が低いと言われるけれども、転職を繰り返すリスクを考えると、安定雇用されているほうがいいものです。

・寺社仏閣などの祈りの場が身近にある
世界じゅうでは陸続きのため、民族浄化や宗教戦争によって、歴史的な建造物が破壊されて現存しないケースもあります。日本は世界に類をみない多宗教というか、神仏混合、なんでもござれの国。新興宗教の洗脳や宗教二世問題はあるものの、信仰の自由が保障されており、スピリチュアルスポットとして観光地人気もありますね。お墓参りや法事供養、初詣なども、故人を悼み、現世での生きるこころを調える習慣として必要なものです。

・万世一系の王朝は最古にして最長
前置きで書きましたが、日本の皇室は2000年以上の歴史があり、血が絶えていません。神話時代の天皇は実在が確定ではないとされていますが、しかし、他民族に侵略されて国を乗っ取られたこともないです。戦後、マッカーサー長官は、天皇制を廃止すれば日本国民は総出で決死になって戦うだろうと見込み、国体を維持したらしいですが。眞子さまの婚約者騒動もありましたが、なんだかんだいいまして、日本国民は皇室が大好き。国民統合の象徴として、天皇家を愛しているのです。東京五輪でお見掛けした現天皇の凛としたお姿、皇后雅子さまの美しさや愛子さまの聡明さは日本人の代表としてほほえましく、末永く国民に愛される存在としてありつづけるでしょう。日本の皇室が安泰だからこそ、首相が変わろうが、政権批判がひどかろうが、国としては維持されていけるのです。

・アニメや漫画は世界に誇るカルチャー
オタクにとってはなんといってもコレ! 母国語で漫画が読める!アニメが見れる! 日本のアニメ見たさに日本に留学する外国人もいるくらい、ジャパニメーションは大人気。ハリウッドリメイクもされるぐらいです。また最近のジェンダーフリーな状況は、百合やBLといった特殊な性癖を描いた二次元文化が後押ししたという見方もあります。ただ、個人的には、いささかゆがんだ恋愛ものや、異世界転生ものばやりは苦手ではありますが、そのあたりも海外の反応もあって表現規制されていきそうな気配がありますよねえ。



よく知識人が海外と比較して、日本は労働賃金が低いだの、男尊女卑が激しいだの、日本けなしをしているわけですが。こうした外国びいき、自国いびりが、日本の自尊心を低くし、とくに若者の多幸感を奪っているようにも感じられます。

海外留学経験者や、ワーキングホリデーでの出稼ぎを繰り返す女性とも面識がありますけども。
たしかに海外の体験は面白いのだけども、それに胡坐をかきすぎていて、英語ができるといってもビジネス上スキルが極度に高いわけでもなく。海外をうろつく、渡り歩くのは良いが、けっきょく異世界みなしご状態で日本に居場所をつくれないままになるのではないか、そんなあやうさも感じます。

かくいう私も、学生時代は海外への憧れが強く、修論を英語で書き下ろしたぐらいで、日本文化よりも海外文化を学ぶ方が学術的に上だとゆがんだ自意識を高めていたものでした。年をとってから、鄙びた、ダサい、暗い、低いと思っていた田舎の良さや住み心地にも気づきましたし、古い習慣でもなじんでみればあんがいいいものだ、と思うようになりました。

けっきょく、日本人が日本を好きで日本を愛おしく思わなければ。
海外に出ても、自国愛の高い外国人に圧倒されて何も言えなくなります。私は院生のとき、中国人留学生と交流しましたが、頭のいい彼らは自国の詩をすらすら暗記していましたし、敗戦国の日本を悪く言う人はいませんでした。地方の農村では、既にアジア系の在留資格者が働き手となっていますし。多文化理解のためにも、日本人自身が過剰に同胞をおだてることもなく、けなすこともない姿勢が必要なのではないでしょうか。

日本が嫌いだから。この国の人はおかしいから。土地柄が閉鎖的だから。時代が悪いから。
生きづらさの理由はいくらでもつくれるでしょう。私自身もそうでした。でも、すこしでも、自分が置かれた状況の良さを見出して、愛した方が、健康にもいいですし、明るく気分良く日常を送れますよね。

私はこれからも建国記念の日を、健全に国民が国を愛して、その良さを寿(ことほ)ぎ、この国、この時代、この地域に生まれたこと、育ったことを感謝できる日にしたいと思っています。私たちの先祖もそうだったのでしょうから。(たまに愚痴ることもあるだろうけど(苦笑))


(2023/02/11)






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