陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

美白の魚

2009-04-26 | 医療・健康・食品衛生・福祉



「雪の顔(かんばせ)、玉の肌」と昔ながらに美人の形容を申しますが、この国では、一時期、顔が黒いのももてはやされたようでして。わざわざ肌を焼きにいく御仁もおられたようであります。肌が白いほうが似合う人が焼いてるのをみると、わざわざ肌を痛めなくとも、と思ってしまいます。

私はとりたてて、こと人間に関しましては肌の色あいで良し悪しを判断しませんが、口にするものについてはよく焼いたほうが好きなのでございます。
食パンなどもまあどうでしょう、白くて柔らかい生地が好まれるようですけれども。子どもの頃、ほかの家族は薄く焼いてトースターの焼きあとが浮かび上がってもいないのに、食べている。その焦げよりも、濃いのが油っぽさ。母がべたべたと左官職人のごとくバターを塗りつけるのを不快に思いまして、自分だけ硬めに濃く焼くのが常だったのですが。しばしば加減をあやまってしまい炭と化してしまう。要するに、パリっと歯ごたえのあるラスクに近いのが、よかったのです。

焼き菓子といえども、おなじで。皮の薄いシュークリームならいざ知らず、粉を練って焼くものはやはり、きっちり火を通していただきませんと。
あれは忘れもしない、高校時代。さわやかな汗を流した部活の帰り、大きなかばんを抱えた私は部活の同輩二名に連れられまして、近くのお好み焼き屋に立ち寄るのでした。そこで毎日、買ったのがコアラちゃん焼き。浅草で人形焼きというのが、ございましょう?あれの、オーストラリアバージョンです。といいましても、南太平洋原産ではございませんけれども。生地はカステラに近く、中身はカスタードクリームかチョコレート。割れば流れ出すような中身ともなれば、外の覆いはしっかり厚く焼いていてほしいもの。が、しかし、私が手にしたそれは、焼き色が淡く、焼きが足りなかったのかいちぶの生地が生に近いのでした。

それ以来、やはり生地の色が浅いもの避けてきた私ですが、まあ、どうでしょうか。
つい三月のこと。姉がみやげがてらに買ってくれたのは、いま巷でたいそう人気の高い白たい焼き。
さいきん、頻繁に評判をきくものですから、いつか食してみたいと思ったわけです。食べ物でしたら、たしょう、マズくてもそのときだけお腹におさめれば済みましょうから、後腐れがございません。

外見からして生焼きという感触がぬぐえなかったのでございますが、外の生地はふだんのものとあまり変わらず。すこし、もちっとした感じがするという評判でしたが。冷凍たい焼きを眺めているうすら寒い心地こそすれ、称えるべきは何をもってしても、その中身のヴォリューム。うっすらと白い肌を透かしていますように、餡がしっぽまでたっぷり詰まっていまして。頭からかぶりつこうが、後ろから口にしようがおいしいので、ございました。

お値段的にはふつうのたい焼きと変わらなかったのですが、やはり珍しいのか、白が縁起がいいのか、しばしば売り切れているそうです。以前から噂にききつけ食べてみたいシロモノでしたので、よい機会でした。
にしても、これって、ちゃんと焼けたかどうかって判るんですかね?

そういえば、たい焼きにも餡のヴァリエーションがあるようでして。
春限定バージョンで、桜餡のたい焼きなんてのも、ネットで見たことがありました。色を変えられるなら、ココアいろとか、抹茶いろとか、も登場しそうですよね。紅いものは縁起かつぎとしても喜ばれそうな気がします。



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