陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」 第八話

2009-05-24 | 感想・二次創作──鋼の錬金術師
毎回幕間でやってる歌がうまいジャイアンのCMに笑ってるのは私だけかいな。
あ、さて、さて、第八話。

さいころを振るたび毎回、わざと地雷を埋め込んだ場所へ転がり込んでしまう熾烈極まりない人生を、あの年にして歩んでいるエルリック兄弟。第五研究所にしのびこんだエドとアル、本日も大血戦バトルです。

・エドワードの受難その1──スレンサーという死刑囚に遭遇。有無を言わさずバトルに。
鎧武者の門番はかなーり強かった。それもそのはず、魂を鎧に結びつけただけのがらんどうなので、肉を斬ることができない。相手は、みずからの血印のありかまで教えてくれるような余裕っぷり。

・エドワードの受難その2──スレンサーはなんと、頭と胴体のふたつの魂だった!!
なんと敵は、頭が兄、胴体が弟、というふたりの魂を連結していた者。頭をつかまえて安心した隙に、エドは痛恨の一撃をうける。もう、流血で意識もうろう。しかし、窮鼠猫を噛む、と申しましょうか、最後に逆転劇。さすが、主人公だね!

・エドワードの受難その3──エンヴィーにずたぼろにされる
賢者の石の暴露トークをしようとしたスレンダーを口封じしたのは、妖艶な美女
エンヴィーには命だけ救われるも、気絶の殴打。しかも、証拠隠滅で研究所を放火されます。また、手がかりが~。

さてそのころ、鋼の弟はといえば。

・アルフォンスの受難その1──バリーに遭遇。やはり、有無を言わさずバトルに突入。
スレンダーとなじく凶悪な連続殺人犯で死刑囚。しかも、ちょっとお茶目なノリなので、まじめなアルとは会話が噛み合ない様子。

・アルフォンスの受難その2──バリーの言葉に翻弄されて、自分を見失う。
兄に記憶を捏造された存在ではないか?実在しないのではないか?そんな恐ろしいことをまことしやかに吹聴するバリー。アルは、昨晩の兄のいいつぐんだ言葉が気がかりで、圧されてしまう。

けっきょく、マリア・ロス少尉とあと一名(名前忘れた…)のじゃまが入って、さらには研究所崩落を察知してバリーは逃走。瀕死のエドはなんと、エンヴィーによって救出されます。

この回、旧作でもけっこうよく覚えている回でした。もちろん、原作漫画でも。
おちゃらけたやりとりはあっても、緊迫感はあって。しかも、哲学的なテーマを問いかけている。

この回は、短いゲストなのですが、ひじょうに印象深い敵が登場します。
そのひとりが、バリー。
バリーの言葉はデカルトの『方法叙説』に述べられた有名な一句「コギト・エルゴ・スム」のもじりですが、自分の自分たるレーゾンデートルを行動に求めているバリーには、まったく迷いがない。ただ、殺人をおこなうのみ。その理由によって、たしかに彼は動いている、生きているといえるでしょう。そして、彼を生かしめた理由によっていのち奪われたにも関わらず、またしても生き返らされている。それは、皮肉なことです。バリーはアルフォンスのように、感覚のない、肉体のない己を恥じてもいない。そんな彼につきつけられた推測は、恐怖するに値するものだったのでしょう。
バリーはあまり悪気はなくて、生前の記憶(彼にとってはひじょうに誇らしい殺人歴)があることで優位にたちたかったのかな、という気がしますが。飄々としてますので、どこか憎めないですね。アルと血塗れの闘いにならなかったことも、印象を高めているのかも。

さて、もうひとりはスレンサー。
口達者なバリーとは違って、なかなか誇り高い剣豪。最期はかわいそうでしたが、エドと歩み寄りをみせるなど紳士的なところも。生前の顔があったら、拝んでみたいお方でしたね。生身の肉体をもたない、けれどそれでも、人間なのだとエドに説得される。もしかしたら、この兄弟、人間らしい扱いをされなくて成長し、殺人鬼になってしまったのではないか、とも思わせます。ベタな想像ですが。

しかし、この回のいちばんの受難といえば!
ウィンリィの整備不良による、エドの戦闘能力の低下でしょうな。
次回どうやら修理にやってくるようですが。勝負にはからくも勝利しても、敵がこころに残した痛手は大きいようで。その意味では、スカーよりもかなり重要な役どころをした敵といえるのかも。

そうそう、忘れていました、Cパート。

・マスタング大佐の受難──ヒューズさんにのろけ話を電話口で垂れ流されたうえ、結婚をすすめられる。
なんだか、親戚の口うるさい親父のようですな、ヒューズ氏。



なんだか、日曜夕方にレヴューするのが恒例になったけど、六月からきつくなるかな。




この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「ニューオーリンズ・ト... | TOP | 映画「ファイアーウォール」 »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 感想・二次創作──鋼の錬金術師