陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

女の子の日に観たい映画「追想」

2022-03-03 | 映画──社会派・青春・恋愛


ロシアのプーチン大統領の独断と思しきウクライナの侵攻をめぐって、国際的な批判が高まっています。
東欧のあのあたり、アジア圏だとか、イスラム圏だとかと接して、民族関係がややこしく。世界史を高校で中途半端にしか履修できなかった私としては、海外情勢が疎いもの。身近な影響としては、原油価格の高騰ぐらいのものでしょうか。ウクライナは穀物大国ですから、国内のパンやお菓子のお値段も厳しくなるのかも…。いや、日々安全を脅かされているウクライナ国民や在住者の方には申し訳ないですが。北京冬季五輪が終わったとたん、コロナショックも冷めやらぬ昨今に、この政情不安、なんとなく気持ちが暗くなりますね。

さて、本日はひな祭りの日ですので、女の子が観たくなるような映画をひとつ。
現在話題沸騰中のロシア、そのお姫様のお話です。

革命の露と消えたロシア帝国最後の皇帝ニコライ二世一家の悲劇は、のちのちの語り草になっています。
1956年の映画「追想」(原題: Anastasia)は、その第四皇女アナスタシアに関する戯曲を映画化したもの。


1928年、元ロシアの将軍ボーニンは、英国に貯金されているロシア皇帝の遺産を横取りしようとたくらむ。
記憶喪失の女性アンナを皇女アナスタシアに仕立てて、皇太后のいる宮殿へと送り込むが…。

皇女アナスタシアがひそかに生存しているのではないかという噂を元につくられたこの物語、筋書きはよくある話でなんとなく読めてしまいますが。古典的な王室ラブロマンスですね。
とちゅう、ひょっとしたら本当に皇女なのか?と思わせる場面もありますが、どうなんでしょう。

道化師めいて描かれる宮廷人、お高く止まった貴婦人、威厳に満ちた祖母と孫娘とのひとときの交情、そして本当の愛に目覚めてしまったアナスタシア。少女漫画的な展開ですが、お姫さまラブストーリーが好きな方にはおすすめ。

作品としての評価はあまり芳しくなく、俳優の知名度でもっているようなものでしょう。
主演は、アメリカの大女優イングリッド・バーグマンで、本作で二度目のオスカーに輝く。醜聞でハリウッドを追放されていた彼女の復帰第一作であるこの映画は、まさに愛らしいロシア皇女の生存を期するこころ、および美貌の銀幕のスターの復活を望む声とが、一体となったみごとな蘇りの舞台といえるのでしょう。

共演はスキンヘッドが特徴的な、ユル・ブリンナー。「十戒」「王様と私」でも有名ですね。
監督はアナトール・リトヴァク。

(2009年8月28日視聴)

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