陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

個人事業主の確定申告は下準備が9割!

2022-02-28 | 仕事・雇用・会社・労働衛生

毎年、二月は逃げるの時期にやってくる課税リミット。
税金嫌さに伸ばし伸ばし作業をするとギリギリになって後悔することもあります。余裕をもって申告書を作成し、早めに提出を心がけましょう。…ということで、納税対策タイムスケジュール把握のためにメモを残しておきます。

ちなみに、これは個人事業主としての事業継続年数が短い(10年未満)、確定申告の年数が浅い人向けの覚え書きです。つまり、すでに法人成りしているレベルの人や、税理士などに顧問報酬を払っている方は対象外の記事です。もちろん副業並みの雑所得申告者も対象外ですので、あしからず。


・税法改正をチェックしておく!
ここ近年では医療費控除の改正、基礎控除額の変更、ひとり親控除の創設などなどがありましたね。申告書類が自宅に郵送されてくるなら1月下旬にもわかりますが。はじめての申告だったりすれば、利用できるはずの制度が申込遅れで来年に、なんてこともありえます。

・信頼できる相談先を確保しておく!
顧問料を払うほどではないにしても、過去にお世話になった(支払が発生した)税理士や公認会計士がいれば親しくなっておくのがベスト。専門家はタダでは動いてくれません。適度に御礼やお歳暮お中元を渡すのがいいです。ちなみに中途半端な会計知識がある素人から聞きかじりで節税対策をするよりも、実績のある士業の専門家に問い合わせたほうがいいです。

・四半期ごとに経費の中間決算を!
 法人成りした場合には中間申告がありますが、個人事業主にはありません。そのため、12月近くになって経費が余ったので慌てて事務用消耗品を購入したり、ふるさと納税を駆け込み申し込みして冷蔵庫がパンク!なんてことになりかねない。予算を計画的に使うためにも、四半期ごとに中間決算をしておきましょう。

・税金の試算をしておく!
3月半ば期限の確定申告をしたら税金の計算は終わりと思っていませんか? 5月末日には固定資産税、6月には住民税や国民健康保険料、9月12月には個人事業税(法定70業種のみ)の納付通知が来ます。これらは前年分の収入をもとにしています。

固定資産税は3年に一回の改定なのでほぼ前年並み、住民税や国保料は例年の納付通知書をもとにすれば自分で試算できます。住民票のある自治体役場へ問い合わせすれば計算してくれます。

また個人事業税は業種によって税率が決まっていますので、確定申告時に課税所得が分かっていれば計算できます。そのため、年間の税額の総計を試算することは可能です。

国民年金保険料も毎年改定されはしますが、個人事業主の前年度収入によっては変動しないので概算できます。これは毎年の年収がほぼ固定していると仮定した場合です。

・領収書の整理は前年末までにやっておく!
年末に浮かれて旅行や外食をして派手に使ったのでもない限り、年内に経費の精算は可能です。年越しはなるべく自宅で過ごしましょう。大晦日までにできなければお正月をつぶしてでも領収書の整理をすべきです。遅くとも1月半ばまでには済ませて、前年分の帳簿をきちんと閉めましょう。後から領収書が出てきても修正できない(泣)なんてことがないように。

・未収金処理に要注意!
年内に入金予定なのに、数日下手したら1箇月遅れなんてこともあります。売掛金は入金サイトにもよりますが、貸倒損失扱いにするのが難しい場合もあります。業種によっては、現実の入金日でなく、契約で指定した日が取引日扱いになるように記帳せねばならないこともありますので、未収金の管理には注意が必要です。取引先の経営状態はチェックしておくように。万が一、回収できなかった場合の納税資金の確保など余裕をもっておきましょう。

・勘定科目は固定すべき!
確定申告の収支決算書を作成すべき段になって急に勘定科目を増やしても遅いもの。帳簿作成の段階で、この経費はどの勘定科目にするかと決めておきましょう。頻繁に科目を変えると、税務署に怪しまれます。

・確定申告書の試算表を作成!
会計ソフトに不慣れなため、もしくは白色申告で簡易簿記なので、という理由で手書きの帳簿にしている方も多いかと。しかし、エクセルで簡単に試算表のフォーマットを作成しておけば数字を入力するだけで自動計算してくれます。使用する関数はほぼSUM(合計)だけ! 四則演算の数式さえ書ければOK! 確定申告書第一表を自分なりにアレンジした簡易版フォーマットを作成しておけば、手書きの申告書提出であっても、下書きができます。電卓での計算ミスも防げるし、エクセルの練習にもなるし、いいことづくめ! ただし100円、1000円以下切り捨てがROUND関数でやりづらいのがネック(でも、使いこなせたら端数が綺麗になるので気持ちいいですけどね)

・会計ソフトへの入力は日々でなくとも構わない!
青色申告の55万円もしくは65万円控除を受けるなら複式簿記必須。ですが、これは会計ソフトでないとめんどくさい。しかも、固定資産台帳など最初の帳簿の設定がなかなか面倒です。時間があるうちに慣れておくべきですが、日々ではなく月末などまとめてでもOK! ただし、その場合、エクセルかもしくは紙の帳簿で日々の取引を記録しておいた方が無難です。

・敢えて10万円控除で間に合わせる!
時間がなく65万円控除の電子申告が間に合わない! 収入減なのに経費が爆上がり、さらに雑損控除などで課税所得が目減りしている! そんな時は無理に複式簿記の55万(65万)円控除などにせず、ざっくり簡単にできる10万円控除を目指しましょう。10万円控除がない白色申告よりはマシです。エクセルで作った試算表で、青色申告控除額別に所得税額をシュミレーションし、差額が許容範囲ならあえてやらないという選択もあります。

・次年度の納税資金を確保しておく!
よくお金がなければ税金は踏み倒していいなんて言う人がいますが、間違っています。というか、これを平気で公然と言いふらすようなアホとは友だちにならないほうが身のためです。税金というのは、自分が世の中に存在していいためのみかじめ料みたいなものです。固定資産税や住民税、自動車税などなどを払いたくないというアホは日本から出ていってほしいです(過激派)

借金と違い、税金は必ず取り立てがありますし、税務署はいくらでも本人に同意なく資産調査をしてきます。給与や不動産の差し押さえもしてきます。サラ金よりも怖い存在です。電子マネーだから大丈夫なわけでもないでしょう。滞納処分を受けると社会的信用も下がりますし、公務関係のお仕事にも就けなくなります。納税資金だけはきちんと確保しておきましょう。


(2022/01/25)


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