シリアの化学兵器の問題もそうだが、真実は何かはなかなか難しい。
英国のロシア人元スパイの神経ガスについては、メイ首相がロシアが関わった可能性が極めて高いとして、西側諸国を巻き込んだ制裁問題に発展した。
たまたまこんな記事をみた。
ニューヨークタイムズなので、馬鹿にすることもできない。
要するに、ロシアは分析した機関から秘密の情報として西側製の可能性があると主張しているということだ。「秘密の」情報というところがミソである。
嘘かもしれないし、本当かもしれない。
分析した機関(OPCW)の報告ではミリタリー・グレイドというだけで、どこの責任かについては触れていないというのである。不明なのか、公表しないだけなのかわからない。あるいは、そもそも特定することは困難なのかもしれない。
ということなので、メイ首相の「ロシア」責任説も、怪しいところがある。
実際、メイ首相は断定していない。単に「可能性が極めて高い」というだけである。
となると、先に言ったもの勝ちの可能性もある。あるいは数の多い方の勝ちとか。
しかし、ロシアも信じていいかどうかというと、引いてしまう。
また、一方でイラク戦争の発端となった大量破壊兵器の保有というのは、どうもブッシュ政権の情報操作だったようなのだ。(なかったことが、終わった後にわかっている。)
シリアの今回の米英仏による攻撃も、この元ロシア人スパイの神経ガス攻撃も、決定的な証拠が出ない限り、大国間のエゴのぶつかり合いであり、真実などは本当のところわからないとものと冷めた目でみる必要があるのかもしれない。