散歩と俳句。ときどき料理と映画。

アンソニー・クイン2 『道』と『革命児サパタ』

最初に観たアンソニー・クインの出演映画はなんだったろうか。
『道』(監督フェデリコ・フェリーニ 1953年)か、ゴーギャンを演じた『炎の人ゴッホ』(監督ヴィンセント・ミネリ 1956年)あたりだと思うのだが、どちらにしてもテレビで放映されたさいに観ている。
ただいつ頃テレビで放映されたのかは調べてもはっきりしない。

『道』はフェリーニのネオリアリズモ映画の代表作だが、この作品以後映画は幻想性が際立つようになる。
ワタシはどちらのタイプのフェリーニ作品も好きだが、とりわけこの『道』には深く感動した。
アンソニー・クインは体に巻き付けた鎖を切る芸を見せる大道芸人を演じている。
粗野で暴力的な人物を、しかし魅力的に演じるクインはこのあとの作品でも同じような役柄が多いように思われる。

↑『道』のポスターとスチル。

『道』の前年1952年には『革命児サパタ』で、主人公サパタ(マーロン・ブランド)
の兄を演じてアカデミー助演男優賞を受賞している。
『革命児サパタ』の監督はエリア・カザン、脚本はジョン・スタインベック。
メキシコ系アメリカ人のアンソニー・クインにはぴったりの役といえる。

マーロン・ブランド

ざっくりとした内容は以下の通り。

〈メキシコの農民エミリアーノ・サパタは亡命政治家のマデロと呼応して武装蜂起し、ディアス大統領を追放して革命の英雄となる。陰謀を乗り越えた彼はやがて大統領となるが、革命の理想が失われたことに気づいて故郷に帰る。行動をともにしてきた兄・ユーフェミオは栄光を捨てることが気に入らずに農民を痛めつけて反感を買い、殺害されてしまう。革命に幻滅したサパタは妻とともに山に隠棲する。やがて彼は仲間の裏切りにあい、おびき出され射殺されてしまうが、民衆の心の中に伝説として残ることになる〉

左がアンソニー・クイン。

ワタシはこの映画を観たのだろうか。
観たとすればテレビ放映でだろうがあまり記憶がない。

アンソニー・クインはこの映画で認められるわけだが、それ以前にはあまり知られることのない俳優だった。
映画デビューは1936年の『ロイドの牛乳屋』(監督レオ・マッケリー)だが、同年にはゲイリー・クーパー主演の『平原児』(監督セシル・B・デミル)に出演しているが、これはインディアンの役である。

この映画もテレビ放映で観たはずだが、アンソニー・クインは記憶にない。

左からゲイリー・クーパー、そしてインディアン役のアンソニー・クイン。

1930年代から40年代にかけて相当数の映画に出演するアンソニー・クインだが、来る役はインディアン、マフィアのドン、ハワイの酋長、中国人ゲリラなどさまざまな人種の悪人だったという。

〈続く〉

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