珍しくケータイに電話がかかってきた。
知り合いならほとんどLINEでのやりとりである。
電話番号を見ると知らない番号だ。
基本的にワタシは知らない番号からの電話には出ないことにしている。
しかしこのときはつい出てしまった。
〈●●マサキチ様でいらっしゃいますか?〉
ワタシはマサキチではないがそういう間違いは
小学生のころからずっと経験しているので気にしない。
〈はい、そうです〉
〈こちらは飯田橋の警視庁遺失物センターですが、●●様、シルバーパスを落とされませんでしたか?〉
シルバーパスを落とした記憶はないが調べるのもメンドーだ。
〈あ、落としました〉と答える。
〈こちらに届けがありましたので、再発行の手続きがお済みでないのでしたら、受け取りにいらっしゃってください〉
とのことである。
失物センターからの電話をメモする。情けない字である。〈西武32〉とは受付で告げるように指示されたもの。
どうやら先日久米川に行ったときに西武線の車内か、駅で落としたようだ。
届けがあったとはありがたいことだ。
4月1日にシルバーパスを落としたと思われる西武新宿線の久米川駅。
スマホのマップで場所を確認。
引越しの準備以外やることもないので気晴らしに飯田橋まで出かけた。
飯田橋はいつもなら遠回りだがシルバーパスを使って、
大江戸線で行くのだがその肝心のシルバーパスを落としている。
東中野駅からJRで飯田橋に向かう。
運賃180円である。あと15円足せば500mlの発泡酒が税込で買える。
もったいないハナシである。
〈続く〉