題名:AIの衝撃ー人工知能は人類の敵か
著者:小林雅一
講談社現代新書
発行所:講談社
著者は、「AIは今後の発展で人類の知能を越える可能性もあるが最後はそれを人間が望むかという問題にぶつかる」と言っている。
以下、本質的箇所の概要。
・創造性とは一見異なる領域に属するとみられる複数の事柄を、ひとつに結び付ける能力を持った人から生まれる
・ダーウィンはこういうことができる人間であった。彼は、マルサスが人口の変化を説明するために使った「人口過剰」と「経済的弱者の淘汰」という考え方を、ガラパゴス諸島で目撃した奇怪な爬虫類に結び付け、ここから「自然淘汰に基づく生物の進化論」を作り上げた
・これは一見簡単そうに見えるが実は天才にしかできないこと。
・最近のニューラルネットは「ある領域で学んだ事柄を別の領域へと応用する能力を示し始めている」と言われている
・この汎化能力の例として「マイクロソフトの同時通訳サービスに実装されたディープ・ニューラルネットは、スペイン語を学習するとなぜか英語や中国語まで上達するなど、これを開発している研究者の期待を上回る能力を示している」ということがある。
・ただ現時点は、ニューラルネットに与えられる「常識」や「直観」は人間に及ばない。
・従って、AIが知的に優れた人間が持つ「全く異なる領域に属する事柄を結びつけて考えること」はできないと見る専門家もいる。
・しかし、ロボットがこの世界を自由に歩き回り、そこに搭載された各種センサーから外界の情報を吸収して学ぶようになれば、それは多彩な経験から学んで成長する人間に急速に近づく可能性もある。
・それは、いずれ意識すらも備えた強いAIへとつながる道でもある
・ただ人間が、人間に勝る知性を備えたAI、あるいはそれを搭載したロボットをあえて開発するかと言うことである
・どんなことにも対応できる柔軟な「知能」という最後の砦さえも、あえてロボットやコンピュータに譲り渡す決断を人間がするだろうか、という点に絞られる。
・そうすると「知能を武器として生き残ってきた人類そのものが、実は大したものではなかった」とする自虐的な思想になってしまう。
著者:小林雅一
講談社現代新書
発行所:講談社
著者は、「AIは今後の発展で人類の知能を越える可能性もあるが最後はそれを人間が望むかという問題にぶつかる」と言っている。
以下、本質的箇所の概要。
・創造性とは一見異なる領域に属するとみられる複数の事柄を、ひとつに結び付ける能力を持った人から生まれる
・ダーウィンはこういうことができる人間であった。彼は、マルサスが人口の変化を説明するために使った「人口過剰」と「経済的弱者の淘汰」という考え方を、ガラパゴス諸島で目撃した奇怪な爬虫類に結び付け、ここから「自然淘汰に基づく生物の進化論」を作り上げた
・これは一見簡単そうに見えるが実は天才にしかできないこと。
・最近のニューラルネットは「ある領域で学んだ事柄を別の領域へと応用する能力を示し始めている」と言われている
・この汎化能力の例として「マイクロソフトの同時通訳サービスに実装されたディープ・ニューラルネットは、スペイン語を学習するとなぜか英語や中国語まで上達するなど、これを開発している研究者の期待を上回る能力を示している」ということがある。
・ただ現時点は、ニューラルネットに与えられる「常識」や「直観」は人間に及ばない。
・従って、AIが知的に優れた人間が持つ「全く異なる領域に属する事柄を結びつけて考えること」はできないと見る専門家もいる。
・しかし、ロボットがこの世界を自由に歩き回り、そこに搭載された各種センサーから外界の情報を吸収して学ぶようになれば、それは多彩な経験から学んで成長する人間に急速に近づく可能性もある。
・それは、いずれ意識すらも備えた強いAIへとつながる道でもある
・ただ人間が、人間に勝る知性を備えたAI、あるいはそれを搭載したロボットをあえて開発するかと言うことである
・どんなことにも対応できる柔軟な「知能」という最後の砦さえも、あえてロボットやコンピュータに譲り渡す決断を人間がするだろうか、という点に絞られる。
・そうすると「知能を武器として生き残ってきた人類そのものが、実は大したものではなかった」とする自虐的な思想になってしまう。