風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

ビジョナリーカンパニー③

2010-11-28 19:28:05 | Weblog
書名:ビジョナリーカンパニー③ 衰退の五段階
著者:ジェームズ・C・コリンズ
発行所:日経BP社

衰退の兆候の五段階を紹介している。
第一段階:成功から生まれる傲慢
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転策の追求
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅
ただこの五段階の兆候に自ら気づけば、いつでも離脱できる。
とっても一般論的なので、何かあっけない。むしろ、付属で書かれて
いる具体例の方が自分には役立つ感じがした。
読みながら私に気づきをもたらしたポイント(本内の記述)は以下。
・経営者の責任は株主にとっての価値を築くことであり、株式売買者にとっての価値を最大限に高めることではない。
・不適切な人の欠陥を補うために、官僚的な手続きを確立するようになる。その結果、適切な人材を追いやる。
・警戒信号として一つだけを選ぶとするなら、主要ポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率をわたしは選ぶ。(第二段階)
・最高の指導者は特異な才能をもっていて、自分自身がそれほど重要ではないとみていた。そして経営チームを構築し、基本的価値観に基づく企業文化を確立して、一人の英雄的な指導者に頼らない体制を築く必要があることを認識していた。
・組織再編とリストラを行うと、何か生産的なことをしているとの錯覚が生まれかねない。悪いデータや警戒信号に対応するときに組織再編を主要な戦略として使うようになると、否認の段階に入っている可能性がある。(第三段階)
・事実に基づき、徹底した戦略分析と定量分析に基づいて戦略を変更し、検証されていない大胆な飛躍は避ける。(第四段階)
・基本的な強みとして維持すべき点と変革が必要な点を明確にし、実証済みの強みを活かし、弱みをなくしていく。(第四段階)
・深呼吸をする。冷静になる。考える。狙いを定める。弾は一発ずつ撃つ。(第四段階)
・存在しなくなれば大きな穴ができ、他の組織が簡単に埋めるというわけにはいかない、そういう企業を築くことである。指導者はこの目標を達成するために必要なら、どれほど耐えがたいものであれ、どのような行動でもとるという強い意思をもちつづけていなければならない。(第五段階)
・正しい指導者は、事業が好調なときも不調なときも、脅威に直面しているときも好機を活かそうとしているときも、いつも変わらず緊迫感を持っている。
・適切な人材は足元に火がついていようがいまいが前進しようと努力し、他人を操ろうとはしない。
・正しい意図のもとで下した悪い判断も、悪い判断であることに変わりはない。
・自社の基本的価値観にあう性格の人を採用し、話さないようにすればいい。
・誰かをしっかり管理する必要があると感じた場合には、採用にあたって間違いをおかした可能性がある。
・適切な人材は「肩書き」をもっているのではなく、「責任」を負っていることを理解している。
・適切な人材は達成すると約束したことはかならず達成する。
・適切な人材は会社とその仕事に情熱を持っている。
・成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を自分以外のところに見つけだす。後退や失敗の責任が状況や他人にあったとは主張しない。鏡をみて、「わたしの責任だ」という。
・官僚的文化から規律の文化へ(人々が厳しい業績基準、価値観、責任の枠組みの中で自由に行動する文化)<IBMガースナー>
・企業文化は企業の一つの側面ではなく、経営そのものだ<IBMガースナー>
・基本的な価値観と行動様式を混同するな。硬直化した伝統と馬鹿げた規則をくつがえすと同時に、基本的価値観と、完全性と成功への飽くなきこだわりを再活性化する。<IBMガースナー>
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書評:「策謀家チェイニー」

2010-11-15 10:16:32 | Weblog
「策謀家チェイニー」
著者:バートン・ゲルマン
発行所:朝日新聞出版
という本を読んだ。
gooニュースの加藤祐子さんが翻訳した本。
500ページ強ある本で、読むだけでも時間がかかる本を翻訳するなんてすごい。
それも政治のノンフィクションで米国流ジョークも入っているものを文化を越えて訳するなんて立派。
内容は副大統領のチェイニーが「副大統領」ではなく「大統領代理」として暗躍?する姿を描いている。
2001年9月11日の状況、2004年春の司法省との激突の様子は圧巻。
情報を出したがらない点や自分が関与した痕跡を残さないようにする点では、日本の政治家に共通するものを感じた。
ただ日本の政治家と異なる?点は、私利は薄く米国を守りたい、いつまでも米国=世界でありたいという信念から政治をしていると思われる点。
一言でいえば、実力のある古いタイプの政治家ということであろう。
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