風録blog

風のごとく過ぎ去る日々を録したい

ジプシーにようこそ!

2011-08-28 20:21:44 | Weblog
書名:ジプシーにようこそ!
著者:たかの てるこ
発行所:幻冬舎

OLである、たかのてるこさんが自分で予定も決めず世界中のどこかに飛び込んで行くシリーズの最新版である。
今回はジプシーに小さいころから自由な放浪びととして興味があったと言うことで、ルーマニアにジプシー村に飛び込んで行った。
彼女も忙しいらしく、年末と年始にかけての10日間くらいをフルに使っての旅になっている。
前半は、思っていた人になかなか会えずに苦労しているが、後半は彼女を可愛がってくれる60歳代のおばさんと会えて、自分の祖母と重ね合わせて語っているのが印象的である。
ジプシーは最近は定住しているが、心は旅する人であり、心は自由という所に次第にひかれていく。ジプシーの発祥の地はインドでありカースト制度に反発し、旅に出たのが始まりらしい。従って、もともと未来を考える民ではなく、彼らは今を生きている。
そのため、将来が暗くとも現状をいかにうまく一歩一歩乗り越えていくのなが彼らにとって重要らしい。彼らが食べて、踊るのも今を大切にたたいからなのだろう。
また所有権の概念がないのもおもしろい。誰かの物であっても、そこに存在していれば、自分の物であり、(両親の物でなく)、勝手に使ったり食べてしまうという特性も面白い。それにしても関西弁まるだしのこの旅行記はとっても面白い。
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本:本物のリーダーとは何か。

2011-08-14 13:33:24 | Weblog
著者:ウォレン・ベニス、バート・ナナス
訳者:伊東奈美子
発行所:海と月社
たまたま、何かの書評見て買うことになった本である。
2003年3月に書かれた本であり、一部改訂されて再度出版されたようだ。
まず、リーダーとは国のリーダーもあるし、会社としてのリーダーもあるし、NPOのリーダーもあるし、地域コミュニティーのリーダーもあるし、会社の中のグループのリーダーもある。この本でもすべてのリーダーを対象としている。但し、組織として何かの目標がある前提である。
私がこの本の中で一番いいな、と思った部分は以下である。
「リーダーシップとは力を行使することではなく、力を与えることだ。リーダーは魅力的な目標を掲げ、そこの組織のエネルギーを集中させることで意図を実現する」「リーダーシップとは、つまるところ社員の自尊心を育み、高める能力である」
いいでしょ!
この本の中には、リーダーの4つの戦略と言うのが書いてある。それを簡単に紹介する。
戦略Ⅰ:人を引き付けるビジョンを描く
これは説不要だと思います。
戦略Ⅱ:あらゆる方法で「意味」を伝える。
同じ意味を共有し、全員が状況を同じように理解し行動するための青写真を伝えることができること。
戦略Ⅲ:「ポジショニング」で信頼を勝ち取る
ちょっとわかりづらいのですが、立場を明確にしてそれを貫くこと、言行一致で粘り強く一貫性を保つこと。
戦略Ⅳ:自己を創造的に活かす
肯定的自己感を有し、自分の強みを知り、弱みを補えること。具体的な指針としては、①他者の賛同がなくとも行動できる能力、②相手の立場でその人を理解できること、③親しい人にも礼儀正しいこと、が挙げられている。
また、リーダーとマネージャーの違いが書かれているが私なりに整理すると、
<リーダー>
①人を感化し、方向や進路。行動、意見などをみちびくことができること
②ビジョンと判断に基づく行動をとれること
③一番の関心ごとが、長く繁栄する組織を構築することにあること
④危険を冒しても創造的であることcreate dangerously
<マネージャー>
①何かを引き起こし、成し遂げ、義務や責任を引き受け、実行すること
②ものごとを正しく行うこと
③ハウツーに通じていること
④収支に基づいて組織を運営すること
という形になった。

さらに以下は言い当てている
「組織が健全であるかどうかは、その組織が自分は何者で、何をすべきかをはっきりと理解しているかどうかでわかる」

最後に、それにしてもジョン・W・ガートナーの言葉はすばらしい。
「リーダーにとって重要なのは、人々の関心を些末な出来事から引き離し、社会を分断する対立ではなく、全力を尽くす価値のある目的に集中させるような目標を思い描き、それを明確に伝えられることだ」
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